- 特集 引継ぎ情報を生かしてはじめる特別支援教育
- 特集について
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- 提言
- 学校に期待すること―福祉からの情報を生かす
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- 福祉機関からの情報を生かした個別の教育支援計画
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- タテの接続(1)就学前
- @発達・教育相談支援センターからの情報を生かしてはじめる幼稚園・保育所での支援
- 子どもの「できる!」につながる療育をめざして
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- タテの接続(2)学齢期
- @療育から教育への引継ぎ
- 子ども・保護者・担任の安心を生み出す移行支援
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- A小学校からの情報を生かしてはじめる中学校での支援
- 情報の引継ぎを確実にするために
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- B中学校からの情報を生かしてはじめる高等学校での支援
- 情報集めのコツを生かしてスムーズな支援開始へ
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- C高等学校からの情報を生かしてはじめる大学での支援
- 大学進学を成功させる移行支援
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- タテの接続(3)社会への移行
- @学校からの情報を生かしてはじめる就労移行支援
- 変わりゆく本人のニーズを大切にする
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- A学校からの情報を生かしてはじめる発達障害者支援センターでの支援
- 将来につなぐ特性を考慮した支援とは
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- B学校からの情報を生かしてはじめる企業での支援
- 職場体験実習から就労,そして自立へ
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- ヨコの連携
- @専門機関からの情報を生かしてはじめる幼稚園・保育所での支援
- 専門機関の知見を「子ども理解」に生かす
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- A教育センターと学校の連携した支援
- ゴールは「児童生徒の困難さの軽減・解消」
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- B福祉機関と学校の連携した支援
- 支援会議を通じて,児童中心の支援対応と生活スタイルの統一を
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- C特別支援学校と通常の学校の連携した支援
- お互いの専門性を尊重し,子どもたちの支援に生かす
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- D関係者による支援会議に基づく支援計画づくり
- 本人の生活全体を見据え,連携をしよう
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- 総合的なつながり―タテの接続・ヨコの連携
- @児童デイサービスと学校の連携した支援
- 日本で最も美しい村,中川村が育てる「子どもの育ち支援事業」がタテとヨコをつなげていく
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- A滋賀県湖南市の支援機関が連携した発達支援システム
- 就学前・学齢期・青年期以降それぞれのポイントを見据えた連携の仕組み
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- Essay
- 合理的配慮としてのルビ(ふりがな)
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- 〜特別支援教育に思うこと〜
- 学べる!楽しい!学びにくい子への学習支援ワーク (第9回)
- (Pick UP!)文章を書く力/絵を見て文を書くワーク
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- 発達障害の子どもに役立つ!ちょこっと支援の教材・教具 (第13回)
- 触覚や色を使って、図形や文字の形の理解を支援する
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- はなひらく支援の教育現場 (第7回)
- 1年生から始める言葉の力を高める支援
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- 【特別寄稿】障害は発展する概念
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- JDDネットニュース (第61回)
- 特定非営利活動法人アスペ・エルデの会
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- 医療との連携 (第59回)
- 医療と教育を結ぶ特別支援教育コーディネーターの役割に期待
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- Newsな視点 (第17回)
- 米国における発達障害のある子どもへの心理アセスメント
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- 通常の学級を担任する先生の悩みに寄り添う教育相談 (第1回)
- [今回のテーマ]落ち着きがなく,ことばの表現で周りの人に「えっ?」と思われてしまう子
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- 発達障害のある子を伸ばす!言葉かけと対応 (第1回)
- [今回のテーマ]やる気のない子・自信のない子
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- 一度は手にしたい本
- 『ぼくが発達障害だからできたこと』(市川 拓司著)/『18歳のビッグバン 見えない障害を抱えて生きるということ』(小林 春彦著)
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- SENS for S.E.N.S (第8回)
- S.E.N.S臨床日誌
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- 〜縦糸と横糸をつなぐ特別支援教育コーディネーターの役割〜
- S.E.N.Sイマドキトピックス
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- 〜LD・ADHD等の心理的疑似体験プログラム〜
- S.E.N.Sになって
- S.E.N.Sは私の「基礎免許」
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- さらに、これからも……
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- 特別支援教育士資格認定協会からのお知らせ
- 〜S.E.N.S資格の取得を希望される方へ/S.E.N.S有資格者の方へ〜
- 編集後記
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引継ぎ情報を生かしてはじめる特別支援教育
神戸大学大学院教授/鳥居 深雪
4月になり,あちこちで「○○1年生」が,緊張しながら新しい生活をスタートさせていることでしょう。フレッシャーズを迎えた学校や福祉機関での受け入れ態勢はどうでしょうか? 教育の分野では,タテとヨコのつながりを含む「個別の教育支援計画」の重要性がいわれていますが,新年度に「タテの接続」は,きちんと機能しているでしょうか?
これまで,本誌でも特別な支援を必要とする子どもへの継続的な支援の重要性は取り上げてきました。子どもを送り出す側からの情報の発信については,重要性が理解され実践されてきたように思います。では,情報を受け取る側では,どのように取り組んでいるのでしょうか。本号では,情報を受け取ったあとの個別の支援への生かし方について取り上げ,検討していきたいと思います。
教育の領域での,「個別の指導計画」,「個別の教育支援計画」の重要性は,学習指導要領にも明記され周知の通りです。しかし,小学校から中学校,中学校から高等学校,高等学校から大学と,教育機関が変わる際に「個別の教育支援計画」が引き継がれ生かされているかどうかの検証は十分ではありません。さらに,福祉領域での「個別支援計画」との連携については,これまであまり取り上げられてきませんでした。
特別な支援を必要とする子どもへの支援を考えた時,就学前から学齢期,卒業後(就労移行支援,あるいは就職)と,子どもに関する情報が引き継がれ,支援が途切れることのないよう継続されなければなりません。また,近年では多様な福祉サービスが提供されるようになり,学齢期の子どもが放課後児童デイサービスや,療育支援を利用するケースも増えてきています。同時に子どもにかかわる機関が,情報と目標を共有し,有機的に連携していくことが,求められています。
本号では,各教育機関での引き継がれた情報の生かし方,福祉機関での「個別支援計画」との連携,スムーズな接続について,多様な立場からの声を取り上げ,方向を探りたいと思います。
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