- まえがき
- 1章 子ども支援の基礎・基本
- Q1 発達障がい(なぜ,中途障がいと対比して考えるとよいのですか?)
- Q2 知的障がい(なぜ,学びの特徴から考えるとよいのでしょうか?)
- Q3 自閉症(支援においてまず押さえることはどんなことですか?)
- Q4 ほめることの大切さ(叱るよりほめろと言われるのはなぜですか?)
- Q5 ほめ上手(どうやったらたくさんほめることができますか?)
- Q6 受け止めの違い(同じにほめても反応が違うのはどうしてですか?)
- Q7 子どもの頑張り(一人でできた時だけほめることでよいのでは?)
- Q8 ほめる期間(やめる・やめないの発想ではないと聞きましたが?)
- Q9 叱責の限定性(叱ることは難しいと聞きますがどうしてですか?)
- Q10 叱責の逆効果(おとなと子どもの思いにずれがなぜ生じるのですか?)
- Q11 正しい叱り方(叱る時には子どもに何を伝えるとよいのでしょうか?)
- Q12 ラポート(信頼関係ができる・できないではないと聞きましたが?)
- Q13 やめてほしい行動(子どもの立場から考えるとよいのはなぜですか?)
- Q14 成功経験の大切さ(失敗経験はなぜさせない方がよいのですか?)
- Q15 必然性の大切さ(疑似体験は実生活になぜつながらないのですか?)
- Q16 性格(具体的行動で考えるようにと聞きましたがどうしてですか?)
- Q17 発達の順序性(発達検査の項目順にできなくてもよいのですか?)
- Q18 多面的な理解(なぜ,教員の目だけで理解してはいけないのですか?)
- Q19 家庭の事情(家庭によって取り組みの進度が異なるのはなぜですか?)
- Q20 保護者の思い(自分の子どものことを理解していただけないのですが?)
- Q21 子は鎹(なぜ,親の行動から子どもを理解するのが大事なのですか?)
- Q22 家庭との関係性(なぜ,無理をしないことを最優先にするのですか?)
- Q23 問題行動(子どもの気持ちの表れと聞きましたが,なぜですか?)
- Q24 同時にできない行動(やってよいことの提案が重要なのはなぜ?)
- Q25 知能検査の活用(支援につなげるにはどうしたらよいのですか?)
- Q26 手順の分析(子どもと自分のやり方が違うのはどうしてでしょうか?)
- Q27 プロンプト(新しいことを教える時にはどうしたらよいですか?)
- Q28 言行一致(子どもが声かけとは違うことをやるのはなぜですか?)
- Q29 視覚的援助(写真カードを使用する際に注意することはありますか?)
- Q30 支援プログラム(背向型,順向型はどんな違いがあるのでしょうか?)
- Q31 日による変化(できたり,できなかったりするのはなぜですか?)
- Q32 継続的支援(特別支援教育では教師が評価の対象なのはなぜですか?)
- 2章 排泄に関する支援
- Q33 基本的構え(どんなことに気を付けて取り組んでいくとよいですか?)
- Q34 家庭との連携(家庭では自立している子がいるのですが?)
- Q35 パンツ調べ(なぜ,乾いたパンツをほめるとよいのですか?)
- Q36 排泄の間隔(定時排泄をすると頻尿傾向になるのはなぜですか?)
- Q37 排泄の記録(どんなことに注意して記録をするとよいのでしょうか?)
- Q38 排泄のサイン(排泄のサインが要求語でないのはなぜですか?)
- Q39 トイレへの誘い方(どのように変化させていくとよいのでしょうか?)
- Q40 トイレの工夫(トイレ嫌いを防ぐための工夫はありますか?)
- Q41 男の子の排泄(立ち小便はどうやって教えたらよいのでしょうか?)
- Q42 女の子の排泄(必ず押さえておくポイントがありますか?)
- Q43 排便の習慣化(同じ時間に済ませるためにはどうしたらよいですか?)
- Q44 トイレットペーパー(使い方をどうやって教えるとよいですか?)
- Q45 おしりのふき方(どんなステップを組むとよいですか?)
- Q46 夜尿への対応(どんな点を確認しながら支援を進めるとよいですか?)
- Q47 トイレ以外での排泄(配慮すべき点にはどんなことがありますか?)
- Q48 トイレ拒否(どんな点を確認してから支援を始めるとよいですか?)
- Q49 便を漏らす子(どんな原因が考えられますか?)
- Q50 おむつが外れない子(自然に外れることはないと聞きましたが?)
- Q51 おむつの外し方(どんな点に配慮しながら支援するとよいですか?)
- 3章 衣服に関する支援
- Q52 家庭との連携(どんな点を踏まえるようにするとよいのでしょうか?)
- Q53 手順の一定化(一人で着替えるようになる支援法はありますか?)
- Q54 二種類の声かけ(どのように使い分けたらよいのでしょうか?)
- Q55 支援プログラムの組み方(注意する点はどんなことですか?)
- Q56 ボタン(押さえるポイントにはどんなことがありますか?)
- Q57 ファスナー(押さえるポイントにはどんなことがありますか?)
- Q58 蝶結び(紐靴をはきたい子にどうやって教えたらよいですか?)
- Q59 カギホック・ホック(どんな点に注意して支援するとよいですか?)
- Q60 パンツ(どうしたらおしりの下で丸まらないようになりますか?)
- Q61 長ズボン(立ってはくためにはどんな手立てをするとよいですか?)
- Q62 トレーナー・Tシャツ(どんな点を配慮するとよいですか?)
- Q63 カッターシャツ・ブラウス(どんな点を配慮するとよいですか?)
- Q64 靴(自分からはくことができるように配慮することはありますか?)
- Q65 靴下(一人ではくためにはどんな靴下を用意したらよいですか?)
- Q66 手袋(一人ではめることはなかなか難しいように思えるのですが?)
- Q67 雨具(購入する際にはどんな点に配慮するとよいのでしょうか?)
- Q68 衣類の整理(運んでいるうちに崩れてしまうので困っているのですが?)
- Q69 時間短縮(せかしても一向に早く着替えようとしないのですが?)
- Q70 身だしなみ(どんな働きかけをしたらよいのでしょうか?)
- Q71 洋服選び(興味を持つようになるにはどんな支援が必要でしょうか?)
- Q72 寒暖の調整(どのように教えていったらよいのでしょうか?)
- Q73 衣類へのこだわり(どんな点に配慮して支援するとよいですか?)
- 4章 清潔に関する支援
- Q74 家庭との連携(どんな点を踏まえるようにするとよいのでしょうか?)
- Q75 行動の成り立ち(手順の分析を行う時にどんなことを注意しますか?)
- Q76 家庭への配慮(学校と家庭での手立ては異なると聞きましたが?)
- Q77 体洗いの用具(体を洗う用具はどんな視点で選ぶとよいでしょうか?)
- Q78 風呂場の道具(どんな道具を準備しておくとよいでしょうか?)
- Q79 入浴のマナー(毎日の入浴で心がけておくことはありますか?)
- Q80 体洗い(手順はどのようにして決めたらよいのでしょうか?)
- Q81 洗髪(顔濡れを怖がる子どももいますがどうしたらよいでしょうか?)
- Q82 歯磨き(歯ブラシを口に入れることを嫌がらないようにするには?)
- Q83 洗顔(一人でできるようになるために押さえるポイントは?)
- Q84 うがい(水を飲み込んでしまう子どもにどう支援したらよいですか?)
- Q85 手洗い(どんなステップを踏んで教えていくとよいのでしょうか?)
- Q86 鼻かみ(幼いうちにできるようになってほしいのですが?)
- Q87 爪切り(怖がらずに切ることができるにはどうしたらよいですか?)
- Q88 ブラッシング(自分で髪を解くようになるコツはありますか?)
- Q89 生理(戸惑わないようにするためにはどうしたらよいですか?)
- 5章 食事に関する支援
- Q90 家庭との連携(まずは家庭の様子を知ることと聞きましたが?)
- Q91 咀嚼(どんなことに配慮するとよいのでしょうか?)
- Q92 食器(どんな食器を購入するとよいですか?)
- Q93 スプーン・フォーク(どんなスプーンを購入するとよいですか?)
- Q94 箸(どうやって持たせるとよいのかイメージが持てないのですが?)
- Q95 食べる姿勢(前屈みになる癖はどうすると治すことができますか?)
- Q96 袋開け(お菓子の袋の開け方はどうやって教えたらよいですか?)
- Q97 注ぐ・よそる(小学部から少しずつ練習したいのですが?)
- Q98 待てない(待てずに食べ始めてしまう子にはどうしたらよいですか?)
- Q99 立ち歩き(落ち着いて食事ができるようにどうしたらなりますか?)
- Q100 手づかみ(手づかみで食べないようにした方がよいと聞きましたが?)
- Q101 こぼし(どんな点に注意するとこぼさなくなりますか?)
- Q102 口ふき(自分からふくことができるようにはどうしたらよいですか?)
- Q103 適量(自分の食べきれる量を分かるようにはどうしたらよいですか?)
- Q104 選択(食べたい物を選べるようになるための支援はどうやりますか?)
- Q105 偏食(ムリムリ食べさせないでもよい支援法はありますか?)
- Q106 時間(早い子,遅い子がいますが,どうしたらよいですか?)
- Q107 外食(事前にどんなことに取り組んでおくとよいですか?)
- Q108 温かな食事(親が居ない時の食事の準備はどう教えたらよいですか?)
- Q109 コンビニ(どんなステップを踏んで教えていくとよいのでしょうか?)
- Q110 自販機(どんな点に注意すると自分で購入できるようになりますか?)
- あとがき
- 本書に示した各エピソードは,筆者が担当した教育相談のケースなどを参考にして再構成したものであり,特定の個人や教育機関などを示すものではありません。
まえがき
知的障がいのある子ども達の教育の学徒を志したのは1979年,養護学校義務化の年でした。養護学校の義務化によって,これまで就学猶予や就学免除の対象になっていた障がいの重たい子ども達への教育の門戸が開かれました。そして,子ども達の身辺処理にかかわる取り組みが重要な教育課題の一つとされました。教育専門誌にも身辺処理にかかわる特集号が幾度となく組まれ,実践報告も数多くなされました。しかし,21世紀を迎える頃から,身辺処理にかかわる特集号や実践報告が少なくなり,身辺処理を研究課題として掲げる養護学校を耳にすることもほとんどなくなりました。
しかし,近年,特別支援学校や特別支援学級において教師に決まった時間になったらトイレに連れて行かれている子どもの姿を目の当たりにしたり,幼稚園や保育所,認定こども園の先生方からおむつの外れない子やおねしょのある子の相談を受けたりすることが多くなってきました。
そのような中,教員免許状更新講習において身辺処理にかかわる講座を開講すると,多数の受講希望がありました。そして,受講生の方々から,「排泄だけでなく,衣服の着脱,入浴,偏食などの支援もどうやってよいか分からない」「支援の参考になるような図書がなくて困っている」などの声が寄せられました。
このような状況を明治図書出版編集部 及川 誠さんにご相談したところ,その重要性・緊急性を理解いただき,本書の出版と相成りました。遅れのある子ども達の教育に携わっていらしゃる先生方に本書を手にしていただき,子ども達の日々の生活の質がより高いものになっていくことの一助になればと願っています。
2014年夢見月 /坂本 裕
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- 明治図書