- チームリーダーの仕事術
- 学校経営
1 「いいとこ見つけ」の機会をつくる
教職員評価制度には様々なスタイルがあると思うが、同じような制度はどこの地域においても実施されているだろう。評価をする管理職の立場からすると、評価をするのに伴う教職員とのコミュニケーションが、学校運営上とても役立つことを実感している。
コミュニケーションを図るには、相手を知ることが大切だ。しかも、その相手は大人である。取り繕うような話では、真のコミュニケーションはできない。だからこそ、相手についての、確かな事実に基づいたそれなりの情報がいる。事実を集めるには、意図的な行動が必要だ。
そこで私は、学校ホームページの記事づくりとコミュニケーションを連動させている。時間があればカメラを持って、できるだけ教室に足を運ぶ。学校ホームページの掲載写真を得るためだ。写真を撮るときは、生徒の「いいとこ見つけ」を基本としている。4人で学び合っている姿や資料を丹念に調べている姿、クラスメイトの発言に耳を傾けている姿、黒板の前で堂々と発表している姿などを撮影し、その写真にコメントをつけて発信するのだ。
また、教師の「いいとこ見つけ」も並行して行っている。生徒を包み込むような笑顔で話している教師、生徒がハッとするような資料を提示する教師、発言を上手につなぎ豊かな話し合いを構築していく教師、きりっとした空気を教室に醸成している教師など、教師のよさをとらえて、保護者にもわかりやすく伝えている。その際、本人には記事にしたということを一言伝えている。これが前述の学校ホームページの記事づくりとコミュニケーションを連動させている具体例だ。
実は、同時に評価も行っている。「先生、あの場面はとてもよかったですね。コメントを添えて記事にしておきましたよ」という言葉かけは、まさにその教師の授業評価である。
2 個別の議論が、相手への理解を深める
研究主任であれば、研究の方向性を確かにするために、教員と個々のコミュニケーションをとることが大切だ。
かつて研究主任の立場にあったとき、総論を書いて会議で提案したことがあった。その会議の中では十分な話し合いができなかったこともあって、一人ひとりとコミュニケーションをとった。
すると、総論は賛成だが、自分の教科の立場で考えると、提案をすべて受け入れるわけにはいかないという。個別に論議を重ねていくと、相手の考えに自分の理解が及んでいなかったことがよくわかり、話し合う中で随分と相手に同意をしたものだ。いわば、相手を評価したことになる。おかげで総論と各教科論の距離は縮まり、方向性が定まった。
3 次のリーダー候補をつくる
人事にかかわることであれば、まさに適切な評価をして、次のステージを用意することが肝要である。そのために、教育委員会が適切に判断できる材料をしっかり用意ることが、校長の務めである。「とてもよい人です。一生懸命やっています」では、当然ながら次のステージへの説得材料にならない。そのためには、日ごろからよく観察し、会話を重ねて、考えなども把握しておくことが必要だ。
次のリーダー候補をつくることができていないのは、自分がリーダーとして十分な働きをしていないからだと自覚すべきである。
今回のPoint!
ホームページの記事づくりを利用するなどして、意識的にコミュニケーションをとることが、適切な評価につながる。