- 特集 徹底研究 「ごんぎつね」「故郷」の授業
- [巻頭提言]定番教材「ごんぎつね」の魅力に迫る
- 教材との対話・他者との対話・自己との対話を促す
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- [誌上座談会]「ごんぎつね」の授業づくりを考える
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- 「ごんぎつね」を読み深める 教材研究の目
- 物語の構造
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- 設定・人物像
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- 比喩・象徴表現
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- 語り
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- ごんの変容
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- 実践「ごんぎつね」のおすすめ単元計画と発問・交流プラン
- 問いの追究から語りの構造を捉える
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- 「ごんの死」は,仕方がない結末なのかを徹底追究!
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- ごん日記を書いて交流しよう
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- 実況解説!「ごんぎつね」の板書デザイン
- 構造と内容の把握と共に,読みのベースを整える
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- 登場人物の関係性を可視化し,ごんの変容とその要因を明らかにする
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- [特別インタビュー]「故郷」の世界―魯迅の魅力と作品の見方
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- 「故郷」を読み深める 教材研究の目
- 歴史的・伝記的背景
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- 作品の構造
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- 語り
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- 登場人物の関係
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- 象徴表現
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- 実践「故郷」のおすすめ単元計画と発問・交流プラン
- 「故郷」への〈問い〉を中心に置いて主体的・対話的な読みを引き出す
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- 社会でいきる資質・能力の育成を視座として
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- 「視点を変えて心情を描こう」上級篇
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- 第2特集 令和4年度 全国学力・学習状況調査の見方・活かし方
- 令和4年度全国学力・学習状況調査の見方・活かし方
- 小学校/調査問題の出題の趣旨と活用のポイント
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- 中学校/学習指導・改善・充実のための着眼点
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- 令和4年度全国学力・学習状況調査を活かした授業アイデア
- 小学校/調査問題は授業改善のメッセージ!
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- 中学校/徹底的に真似をして授業をしてみよう
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- 国語科の「探究的な学び」を探究する (第6回)
- 文学的文章の仕掛けで思考を喚起する
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- 教材別・今月の1人1台端末授業ガイド/小学校 (第6回)
- 書くこと領域でのICT活用A
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- 1年/よんでたしかめよう―うみの「かくれんぼカード」をつくろう
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- 〜領域:話すこと/教材名:「うみのかくれんぼ」(光村図書)〜
- 2年/ニャーゴ音読紙芝居をつくろう(気持ちを 音読であらわそう)
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- 〜領域:読むこと/教材名:「ニャーゴ」(東京書籍)〜
- 3年/くわしくなるってどんなこと?
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- 〜領域:知識及び技能/教材名:「修飾語を使って書こう」(光村図書)〜
- 4年/なってみよう「ごん」と「兵十」
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- 〜領域:読むこと/教材名:「ごんぎつね」(光村図書)〜
- 5年/協働し,変わり続ける子どもを目指し,意図を明確にしながら話し合おう
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- 〜領域:話すこと・聞くこと/教材名:「問題を解決するために話し合おう」(東京書籍)〜
- 6年/作品の世界をとらえ,『子どものための賢治入門』をつくろう
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- 〜領域:読むこと/教材名:「やまなし」(光村図書)〜
- 教材別・今月の1人1台端末授業ガイド/中学校 (第6回)
- 言葉に関する事項の授業づくり
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- 1年/接続する語句と指示する語句がどのような役割を果たしているのか考えて,作文を推敲しよう
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- 〜領域:知識及び技能/教材名:「接続する語句・指示する語句」(三省堂)〜
- 2年/Yチャートを用いて敬語を分類し,敬語とその働きについて理解しよう
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- 〜領域:知識及び技能/教材名:「敬語」(教育出版)〜
- 3年/慣用句・ことわざ・故事成語についてのクイズを出し合い,理解を深め語彙を豊かにしよう
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- 〜領域:知識及び技能/教材名:「慣用句・ことわざ・故事成語」(光村図書)〜
- [誌上インタビュー]教材の窓×ことばの扉 (第5回)
- 「ごんぎつね」(全社・小学4年)
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- 「裂古破今」の国語科教育 本質私論 (第6回)
- 正解と誤答の明示の重要性
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- これならできる!「授業DX」アイデア (第6回)
- 学習目標の細分化と個別最適な学び
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- 国語教育の実践情報 (第78回)
- 小学校/学習指導要領改訂の趣旨の実現に向けた授業改善のポイント
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- 中学校/学習指導要領を踏まえた授業づくり
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- わが県の国語ソムリエ (第124回)
- 大阪府
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- 編集後記
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- 今月号 掲載教材一覧
編集後記
今号は,いつもとは少し趣向を変え,特定の「教材」にスポットを当てて考える特集となっています。読者の先生方の中にはさまざまな校種・学年をお持ちの方がいらっしゃる中で,このような特集は間口を狭めてしまいはしないだろうか…という心配もありましたが,それでもやってみようと考えた背景には,大きく二つの思いがあります。
一つは,実際に読者の先生方が一つ一つの教材と向き合い,単元・授業を構想されるミクロな場面においては,このような形で集めた情報も非常に有用なものとなるのではないかと感じたからです。素材研究・教材研究に資する話題はもちろん,育成を目指す資質・能力や学習者の実態に応じて,授業づくりではどのような点を重視するのか,そのためにどのようなしかけを施すのか等について,複数の考えや先行実践を同時に参照し,比較しながら追究していけるような形での情報提供が,よりよい授業づくりへの助けとなることを期待しています。
もう一つは,改めて「教材の力」の深層にたどり着いてみたいという思いです。国語科という教科では,「教材を教える」のではなく「教材で教える」という発想に立ち,言葉による見方・考え方を働かせて資質・能力を育成していくことが重視されています。しかし,「教材で教える」ことを追究すればするほど,教材そのものがもつ「力」に立ち戻って考えさせられるという側面があることもまた,面白いところです。確かな教材研究を通した教材への深い理解が,「教材で教える」授業づくりを支えます。
今特集で取り上げる二つの教材,新美南吉「ごんぎつね」・魯迅「故郷」は,いずれも発表から実に百年近くも愛されてきた歴史ある文学作品です。また,長きにわたって多くの教科書で採録され続けてきた「定番教材」でもあります。授業研究会等で取り扱われる頻度も未だ非常に高いこれらの教材は,年を経ても色褪せるどころか,むしろ授業を重ねれば重ねるほど,その「力」をますます実感するという話も聞くことがあるほどです。今号は,教材の魅力に迫るご提言から,教材研究上の具体的な着目点,授業づくりについての座談会,そして複数の単元計画例や板書例まで,さまざまなアプローチでこの二教材の授業を考えられる一冊となっています。
また,「ごんぎつね」「故郷」は,ともに年間指導計画の中で九月〜十二月頃に授業で取り扱われる学校が多いのではないかと思います。今年度,小学4年生・中学3年生の授業をお持ちの先生方には,ぜひ本特集を授業計画の参考として生かしていただけましたら幸いです。また,今年度は当該学年のご担当ではない先生方にも,今後本教材を授業で扱う際の参考にしていただくのはもちろん,他学年・他教材の教材研究・授業構想にも,本号の視点を生かしていただくことができればとも願っております。
/大江 文武
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