- 特集 「批評力」を育てる討論授業の組み立て方
- 評論文が示す子どもの批評力
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- 向山実践から討論の指導技術を抽出する
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- 子どもの発言の質を高める指導技術
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- 指名なし朗読を指名なし発表に高める指導技術
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- 指名なし発表を指名なし討論に高める指導技術
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- 討論に必須!ノート指導の技術
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- 小学校・他教科でも討論の力を高めるための指導技術
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- 中学高校・週3時間の授業で討論を組織する指導技術
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- 学年別・向山型討論の授業[1・2月]
- 1年
- わざと間違え,討論に引き込む
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- 「たぬきの糸車」でおかみさんとたぬきの交流を読み取らせる
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- 2年
- 「お手紙」主役はがまくんか かえるくんか
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- 1・2年「桃太郎」の主役・対役で討論する
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- 3年
- 「豆太はおくびょうか」を討論する
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- 「サーカスのライオン」登場人物を検討する
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- 4年
- 「ごんぎつね」少数意見から発表を
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- 考えを書く時間を保証する
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- 5年
- ノートに絵を描き理由を書くことで討論につながっていく
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- 「出口」の授業は,「視点」の検討で討論する
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- 6年
- 先駆者の実践を丸ごと追究することで討論のヒントがみえる
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- 向山型討論の授業 1時間の討論の組み立て
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- 中学校
- 「俳句の可能性」無季俳句〜あれども見えずを問う〜
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- 高校
- 「方丈記」〜「一文を漢字一字で要約」・「大きく二つに分ける」で構造を読む〜
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- 向国TOSSランドレシピ
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- ノート指導の裏技
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- 向山型国語キーワード
- やまなし
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- 満員御礼!「向山型国語教え方教室」
- どの会場も毎回キャンセル待ちです
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- 巻頭コラム
- 討論の授業を支える教師の8つの基本能力
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- 巻頭論文
- 向山実践の徹底的な分析,解明作業を!
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- 向山型国語に挑戦/論文審査 (第40回)
- 教師は「ことば」にこだわらなければならない
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- 逆転現象を生む授業の組み立て方
- 向山氏の「一文の授業」に注目せよ
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- 向山型で教科書教材を授業する
- 「童」(八木重吉)で逆転現象!
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- 五色百人一首のユースウェア
- 「裏文化」は,担任の学級経営の思想を表す鑑である
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- 学級崩壊を立て直した五色百人一首のドラマ
- 「ルールの中で活動すればみんな楽しむことができる」そのきっかけは五色百人一首
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- 向山推薦!この2人の発問づくり競演
- 「喧嘩のあと」(金子みすゞ)
- 「ひとりになった」のは誰か
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- 「みすヾマジック」を読解する
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- 新分析批評入門
- 「春」の授業の衝撃から出発する
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- 特別支援の子どもが熱中した参観日のこの授業
- 低学年/テンポよい指示でどの子も動き出す
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- 高学年/向山実践「辷る」の追試でA君ははじめて手をあげた
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- 誌上授業技量検定観戦記
- 授業のリズムとテンポを大切にせよ
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- インターネットで変わる漢字文化の授業
- 教科書にある漢字のページの指導案を集約
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- 「虫」の成り立ち学習サイト
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- 画期的提案!江副文法をTOSS教師が授業する
- 「重箱カード」が中学生に大好評! 文の構造を視覚化する
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- 向山実践を読み解く
- 「冬景色」の授業H
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- 〜第3時(1) 冬景色を絵で表す〜
- 向山型国語サークル情報
- 向山型国語の基本をお教えします
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- 福岡の向山型国語エキスパートここに集う!「福岡県向山型国語研究会」
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- 8つの国語力を向山型国語でこう授業する
- 対話〜伝えようとする意識を高め,伝える内容をはっきりさせる〜
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- 授業で生徒を変えた中学教師の向国実践記
- 続・指名なし討論展開中
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- 生徒に感謝された入試課題作文対策法
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- 腹の底からの実感! 向山型国語を知る前と後
- 苦手な子に自信を持たせる向山型国語
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- 学び続けることが大切
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- 「このやり方ならできる!」と生徒は言った
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- おれ,また100点とるからね
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- 保護者を巻き込んだ授業参観
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- 高校生も熱中する向山型要約指導法
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- 女教師がチャレンジする向山型討論への道
- 討論以前に,結論は出ている
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- テーマ別 向山型国語QA
- 型を習得させて意見文を書けるようにする
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- 読者のページ
- PISA調査2006でも日本の学力低下に歯止めがかかっていなかった。日本の国語学力を保証できるのは向山型国語である!
- 編集後記
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- 向山型国語最新情報
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- 向山型国語に挑戦/指定教材 (第42回)
- 朧月夜(高野辰之)
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巻頭コラム
討論の授業を支える教師の8つの基本能力
●本誌編集長 向山洋一
私は明治図書から何百冊かの単著・編著を出版してきた。『跳び箱は誰でも跳ばせられる』が最初と書いてきたが,実はその前に共著があった。「集団思考をうながす国語科の発問」(『教え方のプロ・向山洋一全集47 発問一つで始まる「指名なし討論」』)である。
私は,芦田恵之助,斎藤喜博,村山俊太郎という戦前・戦中・戦後を代表する3人の実践家の「集団思考」を分析し,自分の意見を主張した。授業形態を「講義的授業」「対話的授業」「討論的授業」の三つに分け,多くの登山口からそれぞれの人が登山することを例にして,討論的授業を示した。「一人ひとりが意見を持っている」「その意見は異なる集合に分かれる」ことが前提であることを述べた。
そして,討論の授業を可能とする教師の能力の基本八項目を述べた。
第一は,司会の能力が高いこと。復唱をする人や,「これから朝会を始めたいと思います」と,いらない言葉を多発する人は能力が低く,討論の授業は組み立てられない。
第二は,子どもが自分に発言できる雰囲気を作れる能力。間違いが尊重され,一人ひとりが人間として大切にされていること。
第三は議長としての能力が高いこと。
その一は,子どものつぶやきを聞きとることができること。技量の低い教師は考え方の枠がせまいので,はみ出た意見をひろうことができない。
その二は,子どもの意見をその場でシンプルに整理できる能力。前もって書いておいた端冊を貼る教師は駄目だ。
その三は,その後の討論の方向を示せること。教材研究が深いほど方向は明確だ。
(以上,第三は,実は三つある)
第六は子どもの発言,発表が知的になるように育てられること。まずは,一つの文,一枚の写真から何十もの考えを出させること,目標は数百だ。そして,「雪小社会科モデル」のように,意見の質について教えていくこと。「〜がある」「〜がない」というようなレベルの低い読みとりから,「時間的」「空間的」「体験的」な読みとりをさせていくのである。
第七は,討論の授業の原理を学び,使いこなせることである。異なる五つの意見を,そのまま話し合わせたら,討論にはならない。
第八は,身の丈ほどの教材研究をして,それを何冊かのノートにまとめ,さらにそのノートを,2,3枚の学習指導書に整理することである。そして,最後は,たった一つの発問にしぼることである。
討論の授業は高段の芸であり,思いつき程度ではできない。TOSS技量検定でシングル級ぐらいのレベルが必要だ。
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- 明治図書