- 特集 ボール運動―習得・活用の楽しい組合わせ18
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- 実践事例
- ゴール型ゲーム
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- 〈ポートボール〉ルールとコートを進化させ、子どもたちを熱中させる手立て
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- 〈ラインサッカー〉ラインを引かないラインサッカー→コーンでコートの大きさを自在に調節することで戦術が生まれる
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- 〈ミニサッカー〉どの子も汗だく!みんなで楽しくミニサッカー
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- 〈タグラグビー〉フラフープの置き方を変えながらタグラグビーのアタック・デイフェンスの習得と活用を図る
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- 〈フラッグフットボール〉遊び感覚で楽しむフラッグフットボール
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- 〈プレルボール〉「はしごプレル」から入ってプレルボールを楽しくする!
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- 〈ハンドベースボール〉ヒットが生まれるハンドベースボール
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- 〈フットベースボール〉みんなが得点できるフットベースボール指導はこれだ!
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- 〈ティーボール〉打てる!楽しい!ティーボール習得・活用の組み合わせ
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- 〈ティーボール〉打って得点する楽しさ「1塁1点ティーボール」
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- ミニ特集 12月 新指導要領で体育授業はこう変わる(ボール運動)
- 1年生/ボール投捕の技能を確実に身に付けさせよう
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- 2年生/シュートを決めたら、ゴールキーパーと交代!
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- 3年生/ルールを簡素化してゲームを楽しむ
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- 4年生/ゴール型ゲーム(ポートボール)をこう授業する
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- 5年生/苦手な子も満足できるソフトバレーボール
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- 6年生/新要領の授業では、何をどう変えるのか
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特集の解説
ボール運動―習得・活用の
楽しい組合わせ18
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
新学習指導要領のボール運動では、ゴール型、ネット型、ベースボール型として示されている。
本特集では習得から活用として、それぞれの型の実践例が紹介されている。
山形県酒田市の堀健一氏は、第2回杜の都TOSS体育セミナー2007で「熱中、集中、チームワークアタックbP」という、ソフトバレーの模擬授業をされた。
体育の授業開きで行った授業である。授業のコンセプトは三つである。
@ ルールの簡素化と進化するルール
A ボールをつなげて返すことができるバレーボール
B 励まし合うことができるバレーボール
ネット型の教材で大切なのは、ボールをつなげて返すことである。どんなに強いボールでも、ネットを越えなければゲームにはならない。
堀氏はそのために、ルールの簡素化と進化するルールとを工夫し行っている。基本となるルールの簡素化が習得の内容である。そして、進化する内容が活用である。
堀氏は、習得と活用の単元の組み立て方を次のように行っている。子どもの実態に即した内容である。
@ 何でもありありバレーボール(ボールをつないで相手に返すことに重点)
A アタックbP:50gのボールで(アタックなどで点を取ること励まし合うことに重点)
B アタックbP:100gのボールで(ボールが重くなるのでよりバレーボールに近づく。
簡素化のルールとして、「何でもありありバレーボール」を行っている。次の内容である。
・ボールはバウンドしている限り、つなげることができる。(何回バウンドしてもよい)。
・何回で返してもよい。
・サーブは両手で下から投げ入れる。前衛の人が行い、相手と1本ずつ交代して行う。
このルールなら誰でも参加できる。そして、ネットを越えるという問題点を克服することができる。
ネット型で子どもがつまずくのは、ネットをボールが越えないことである。ゴール型であれば、ゴールまでボールを運んでシュートをすればよい。
ところがネット型はパスをつないでも、最後にネットを越さなければゲームにならない。
バレーボールは手で操作する運動であるため、ゴール型のように容易に操作できない。空中でボールを両腕で操作するには相当の技術が必要である。
その課題を「ボールはバウンドしている限り、つなげることができる」「何回で返してもよい」というルールによって、ボール操作が容易になり、誰でもゲームに参加できるようになった。
次に堀氏は基本のルールはそのままで、ボールの重さを変えている。軽いボールで簡単にネットを越えてゲームができるように工夫している。
ところがボールが重くなると正しい打ち方、正しいトスの打ち方をしないと相手コートに届かない。必然的にソフトバレーボールのルールに近づいてくる。
ボールの重さが変わることで、より深められたソフトバレーボールの内容になっていくのである。つまり活用・深化の学習ができるルールの工夫になっている。
本特集では、堀氏の実践のようにボール運動の教材に即して、習得の学習、活用の学習について、具体的な実践が紹介されている。
次の項目で示されている。
@ 教材名
A 授業の組み立て
B 習得の学習内容
C 活用の学習内容
D 指導の実際
E 指導の結果
F 効果のあった体育指導のポイント
実践して、たのしいボール運動の授業をしてほしい。
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- 明治図書