- 特集 どの子も出来た!運動量UP授業づくり18
- 特集の解説
- どの子も出来た!運動量UP授業づくり18
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- 実践事例
- 低学年
- 〈多様な動きをつくる運動遊び〉作戦により、苦手な子も活躍
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- 〈走の運動遊び〉変化のある繰り返しで、楽しく何度も走らせる
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- 〈マットを使った運動遊び〉鉄棒の基礎感覚を楽しく身に付ける!
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- 〈鉄棒を使った運動遊び〉毎日やりたくなる鉄棒 鉄棒体操で運動量UP!
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- 〈ボールゲーム〉どの子も楽しめる!風船を使った運動
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- 〈表現リズム遊び〉万能ステップで踊ろう!「アブラハムの子」
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- 中学年
- 〈多様な動きをつくる運動遊び〉体育の苦手な子も熱中する運動
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- 〈かけっこ・リレー〉個別評定と変化のある繰り返しで運動量UP
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- 〈鉄棒運動〉短い指示と鉄棒リレーで楽しく運動量を増やす
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- 〈跳び箱運動〉丸椅子を利用した基礎感覚づくり
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- 〈ゲーム・ゴール型ゲーム〉「ボールを止める」「ボールをける」攻撃と守備に生かすパス&シュートゲーム
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- 〈リズムダンス〉知らず知らずに汗びっしょり!リズムに合わせることで運動量アップ!
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- 高学年
- 〈体力を高める運動〉運動量を確保するために、システムを作る
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- 〈マット運動〉1人残らず前転・後転をできるようにさせる
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- 〈跳び箱運動〉向山式跳び箱指導で失敗を避けるには、全体の流れを優先させること
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- 〈ハードル走〉リズミカルに跳ぶ楽しさを!!
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- 〈ボール運動・バスケットボール〉「簡易化されたゲーム」である「シュートゲーム」で「シュート」と「リバウンドの処理」を同時に学ぶ
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- 〈表現〉どの子も出来た!運動量も保障の表現運動
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- ミニ特集 1月 新指導要領で体育授業はこう変わる(ボール運動)
- (低学年)楽しい活動を通し、「蹴る」という感覚を身に付けさせる
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- (中学年)サッカーで「目線を上げる力」をつける四つの運動
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- (高学年)「近藤ルール」で、試合の様相が変わる
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- ライブで体感!TOSS体育講座
- 知っているつもりが一番こわい―実際に行うことで指導技術は身に付く―
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- レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
- 高田四原則のシンプルな観点に学ぶ
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- 根本体育直伝マンガ(走るときには腕を前後に素早く振るの巻)
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- 前転とび(ハンドスプリング)のテクニカルポイント
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- 運動会から体育倉庫整備まで〜体育主任の仕事術 (第10回)
- 遊具を活用した体力つくり運動を、校内に提案する
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- 初任者必見!体育授業の約束&システム (第10回)
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- 子どものつまずきを未然に防ぐ支援学級の体育
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- 子どものためのメンタルトレーニング (第10回)
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- 誰でもできる!向山式なわとび級表を使った指導法
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- TOSS体育最前線
- 「向山式跳び箱指導法」を使う前に
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- 効果抜群!ファックスできる体育学習カード
- ボール蹴り遊び
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- 〜ボールにたくさんふれてボール感覚を身に付けよう〜
- バスケットボール
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- 〜バスケットボールでクラス全員の活躍を保証する学習カード〜
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- ライフスキルと健康教育 (第106回)
- 子宮けい癌予防教育教材
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- 授業の腕を高める論文審査 (第225回)
- 低学年体育はまず楽しさを!
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- 体育科における学力保障 (第94回)
- 走り高跳びの指導「誰でもリズムのよい助走で跳ぶにはどのような指導段階がいるのか」倉吉市立上北条小学校 谷岡眞史の授業A
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- 読者のページ My Opinion
- 編集後記
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- TOSS体育ニュース (第108回)
- 1月号
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- 1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第46回)
- マット運動の基本技
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- 〜前転、大きな前転〜
特集の解説
どの子も出来た!運動量UP授業づくり18
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
浜條信彦氏のリレー・短距離走「トップスピードでバトンパスをさせる指導」の模擬授業を参観した。
見事な授業であった。
特別支援に対応する体育授業であったが、どの子にも成功感を与え、運動量が確保された内容であった。
浜條氏は、次の主張を提案された。
@ ゲームから始め、ゲームで授業を組み立てる。
A 変化のある繰り返しで授業を組み立てる。
B 運動の固定観念にとらわれない。
C 動きのポイントを簡単なイメージ語で表す。
ここには、成功感を与える授業づくりがされている。基本はゲームで授業を組み立てていることである。子どもはゲームを好む。
短距離走だけを指導すると単調な動きの繰り返しになりがちである。同じ繰り返しの学習では、子どもは飽きてしまう。
浜條氏はその失敗を避けるために、子どもの意欲が持続するように、次のゲームを中心に授業を展開した。
1 ねことねずみ
2 タッチ追いかけ走
3 マーク追いかけ走
4 3人組でバトンパス
この四つのゲームの基本は「追いかけ走」である。リレーの基本を習得させるために、変化のある繰り返しを行った。
「追いかけ走」の基本的な動きは、ねことねずみである。ねことねずみに分かれ、それぞれのゴールラインまで逃げ切れば勝ちというゲームである。
タッチ追いかけ走は、AがダッシュしてBの肩にタッチするというゲームである。
タッチすればAの勝ち、タッチされなければBの勝ちで、ねことねずみの発展である。
マーク追いかけ走、3人組でバトンパスを行う中で次第にリレーの動きに発展して行く。
変化のある繰り返しによって、子どもは「基本の動き」を習熟していく。
基本の動きが何度も繰り返されるわけであるから、子どもは授業に参加してくる。失敗はなくなり、成功感を味わうことができる。
しかも同じ基本の練習によって、運動量は確保される。短い距離でのゲームなので子どもは熱中していく。
楽しい活動を繰り返す中で、自然に運動量が多くなるのである。
浜條氏の授業の圧巻は、「運動の固定観念にとらわれない」を行ったことである。
普通のバトンパスの指導では、真後ろに手を伸ばしてバトンをもらう。ところが浜條氏は次の発問を行った。
次はバトンを渡して逃げ切ります。バトンをもらう人の腕は、
A 後に伸ばす B真横に伸ばす
どちらがバトンを渡しやすいですか
普通はAの後に伸ばすの指導をする。しかし、浜條氏はどちらが受け渡しがしやすいか実際に練習させた。
すると、B真横に伸ばすの方が受け渡しがしやすいという結果になった。
「運動の固定観念にとらわれない」指導により、子どもは新しい発見をし、さらに意欲的に授業に参加するようになったのである。
最後は、「動きのポイントを簡単なイメージ語で表す」ことによって、誰でも動きのコツが習得できるように指導された。
「右手は真横にピン」「バトンを渡したら追い抜け!」このようなイメージ語によって、子どもはどのように動いたらよいのかを理解することができた。
結果として授業は成功し、正しい動きを繰り返す中で、成功感を味わい、運動量も確保された。
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- 明治図書