- はじめに
- 1章 繰り返してトレーニングする!話すこと・書くことの基礎体力づくり
- ・こんな学級は,もしかしたら要注意?チェックリスト
- 1 1年後のゴールを見通して
- 1.何事も始まりが肝心
- 2.「書く力」は「書くこと」によって獲得させる
- 3.できたという「事実」こそが子どもたちを変えていく
- 2 話すこと・書くことの基礎体力づくり
- 1.話すこと・書くことの基礎体力とは
- 2.話すことの基礎体力づくり 3つのポイント
- ポイント@ 良い聞き手を育てる
- ポイントA スピーチ活動と対話を重視する
- ポイントB 「話したい」と思う場面をつくる
- 3.書くことの基礎体力づくり 2つのポイント
- ポイント@ 視写・聴写・速写―3つの「写す」に取り組む
- ポイントA 日記指導・ノート指導―「書く」を日常化する
- 基礎体力編
- レシピ1 トークタイム―ペアでの対話で話し慣れる―
- レシピ2 聴写―筆速アップに効果あり@―
- レシピ3 速写―筆速アップに効果ありA―
- 効果100倍! 2章&3章の使い方
- 2章 楽しく学んでぐんぐん伸びる!話すこと・書くことのスキルアップ編
- レシピ4 ふり返りタイム日記―毎日書くことで書く力を伸ばす―
- コラム 「若手」と呼ばれるあなたへ
- レシピ5 自学ノートづくり―自分で創る価値あるノート―
- レシピ6 運命のわりばし―テーマに沿ってスピーチする―
- レシピ7 今日のお題ボックス―ペアトークの日常化―
- レシピ8 今日の一番星―グッドニュースをシェアしよう―
- コラム あの子を変えた「今日の一番星」
- レシピ9 詩の語り―自分らしさを仲間に届ける―
- コラム 「語り」がクラスを変えていく
- レシピ10 グループ自己紹介―学級開きを彩るアイスブレイク―
- レシピ11 伝言ゲーム―楽しみながら聞く力アップ!―
- レシピ12 こんなこと見つけたよクイズ―話すことって楽しいな―
- レシピ13 早口言葉 言えるかな?―楽しいから自然に声が出る―
- レシピ14 1分間コマーシャル―伝えたいことの中心を意識して―
- レシピ15 ポジティブにいきまSHOW!―ネガティブも,視点を変えれば―
- コラム 話せなかった子が変わる瞬間
- レシピ16 いつ・どこ・だれ?―文の基本を覚えるゲーム―
- レシピ17 言葉マップづくり―言葉に対する感覚を磨く―
- コラム 先生,〇〇してもいいですか?
- レシピ18 ローマ字しりとり―苦手なローマ字だからこそ楽しく―
- レシピ19 一文字に思いを込めて―漢字一文字で表す―
- レシピ20 あなたもコピーライター―思いを凝縮させて書く―
- レシピ21 連想ゲーム―擬音語・擬態語に親しむ―
- レシピ22 オノマトペの達人―擬音語・擬態語を使いこなす―
- レシピ23 イメージ言葉集め@―古今東西で言葉遊び―
- レシピ24 イメージ言葉集めA―エイト・ワードを埋めろ!―
- コラム 子どもの世界に心を開く
- レシピ25 あいうえお作文―誰もが書くことを実感できる―
- レシピ26 ミニ大喜利―楽しく書くことの積み重ね―
- レシピ27 いつでもどこでも俳句ing―日常化で創作意欲アップ!―
- コラム 時間は目に見えてわかる成長の証
- レシピ28 うそ作文―「漢字」と「作文」一石二鳥―
- レシピ29 ナンバリングして書こう―三大〇〇から文作り―
- レシピ30 もしも魔法が使えたら―楽しく書く→書き慣れる―
- レシピ31 朝起きたら作文―自分以外の視点で書く―
- コラム 先生の弱み=子どもたちのゆとり?
- レシピ32 ドラマチック紹介文―ドラマチックに書く=表現の工夫―
- レシピ33 〇〇さんをプロデュース!―「インタビュー」と「書く」の融合―
- レシピ34 未来日記―未来の自分へメッセージ―
- 3章 話したい!書きたい!が止まらない!話すこと・書くことのレベルアップ編
- レシピ35 ショートタイムトーク@―毎日の積み重ねで効果アップ―
- レシピ36 ショートタイムトークA―互いに褒め合うほめほめ合戦―
- レシピ37 ブレインストーミング―発言量がアップする―
- レシピ38 マイクロディベート―立場を決めて話そう@―
- レシピ39 パネルディスカッション―立場を決めて話そうA―
- レシピ40 方言ポケット辞典を作ろう―お国言葉を大切にしよう―
- レシピ41 本当のお話は?―展開を考えることで読みの力を―
- コラム 休み時間の過ごし方
- レシピ42 アナザーストーリー@―「別の人物が登場」編―
- レシピ43 アナザーストーリーA―「自分が登場」編―
- レシピ44 アナザーストーリーB―「視点人物が変わったら」編―
- レシピ45 アナザーストーリーC―「続きのお話」編―
- レシピ46 〇年〇組かるた作り―学級の良さを再発見!―
- コラム 嬉しいけれど…
- レシピ47 詩人になろう―書き慣れることで楽しさ実感―
- レシピ48 君も作家だ!―「読む」と「書く」をセットにすべし―
- コラム 明日また来たい!そう思える学級に
- レシピ49 先生の“話す”こと―先生が話すことを楽しむ―
- コラム 「話すことが好き」「書くことが好き」そんな声が聞こえるためには
- レシピ50 先生の“書く”こと―先生が書くことを楽しむ―
- おわりに
- 参考文献
はじめに
昨年度の学級では,授業開きで音読をさせました。そのとき,
「誰か読んでくれる人いませんか。」
と聞いたら,40人中8人が手を挙げました。子どもたちは,担任が替わったこともあり緊張していたかもしれません。前の学年までは,こういうときにどんどん手を挙げていても,4月になるといきなりできなくなるなんてこともあります。
「へえ,すごいね。自信をもって手を挙げた8人はすばらしい!」
そう伝えました。その後,
「きっと,1ヶ月が経ったとき,当たり前に40人が手を挙げるクラスになっている。先生が言ったことが,本当になるよ。」
と続けました。
また,こんなことも聞きました。
「作文とか,何かを書くことが苦手な人。」
これまた,たくさん手が挙がりました。
もしかしたら,本当は得意な子がいても周りに合わせたということも考えられます。でも,何となくわたしは子どもたちに試されているような感じがしました。「先生なら,きっと書くことを得意にしてくれるんでしょ」という風に……。
わたしは,子どもたちによく「超一流のクラスを目指そう」という話をします。この言葉は抽象的ですが,子どもたちにとっては非常にインパクトのある言葉です。だから,「超一流のクラスってどんなクラスだろうか」,そんな風に子どもたちは思ってくれます。
そこで,「超一流のクラスだったらこうする(こうなる)」と具体的なことを子どもたちに話したり,あるときは子どもたちと共に理想的な姿を考えたりしています。
わたしが捉える「超一流のクラス」の条件の一つに,「話したい!」や「書きたい!」というような「○○したい!」というプラスのエネルギーが溢れているクラスというものがあります。
わたしが教員になったのは10年前。そのときから,
○高学年になると,あまり発言しなくなる。
○いつも発言する子の顔ぶれが同じ。
○「書くこと」が苦手という子が多い。
そんな声が聞かれることがありました。そんなとき,いつも「自分だったらどうするだろう」と考えました。そして,いろいろと試行錯誤してきました。
その中でわかったことがあります。こういったクラスになるためには,「話せた!」「書けた!」「○○できた!」という事実の積み重ねが大事なのです。そして,次へステップアップするための仕掛けや,励ましが大切なのです。
先述した学級でも,超一流のクラスを目指して,日々子どもたちと共に歩んでいきました。1学期が終わる頃,子どもたちは手を挙げることを躊躇しなくなりました。もちろん,手を挙げるだけが全てではないですし,じっくり考えるところは考えさせます。ですが,「話すこと」や「書くこと」そのものに対して向かう姿勢が変容してきたのは間違いありません。それは,子どもたちの中に,事実の積み重ねと達成感があったからだと考えています。
本書が,「先生,もっと話したい!」「先生,もっと書きたい!」という子どもたちのエネルギーで溢れる学級を創っていくためのアイデア集になればと思いながら書かせていただきました。国語の時間や,ちょっとしたスキマ時間に取り組めるものになっていますので,ご活用いただければ幸いです。
/弥延 浩史
-
- 明治図書
- すぐに授業でも役立ちそうです。2019/8/2930代・女性
- 題を決めての日記は使えます。2016/4/2450代・小学校教員
- 具体的な実践例が分かりやすくてよい。2016/3/2050代・教委
- 不安が解消されそうなきがした。2016/1/22しいちゃん