- 特集 人権と教育をめぐる現在(いま)―世界と日本における人権教育の動向
- T 対談◆いまの日本における人権教育課題は何か?
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- 〜T 対談◆いまの日本における人権教育課題は何か?〜
- 【対談資料】1年9組はアカネいろ
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- U 人権教育の国際的動向に学んで
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- 【資料1】人権教育および研修に関する国連宣言 阿久澤麻理子:訳
- 【資料2】生存可能な将来のための成人教育の力と可能性の利用行動のためのベレン・フレームワーク(第六回国際成人教育会議)
- 【資料3】コンパシート〔羅針盤〕 子どもを対象とする人権教育総合マニュアル 第5章 テーマ 1 市民権 ヨーロッパ評議会:企画、福田 弘:訳
- 多文化な子どもたちの声にふれる (第24回)
- なかなか言えへんよ 言ったら泣いてしまうから
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- 図書紹介
- 『人権教育と市民力―「生きる力」をデザインする』 平沢安政 編著(解放出版社)
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- 〜「人権」でつながる「市民」〜
- 沖縄散歩 (第23回)
- 子どもが創るフィクションの「力」
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- 〜We are all STARS!! アメラジアンスクールの挑戦〜
- おもちゃばこ (第57回)
- 居心地のいい場所を広げましょう!(1)
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- まいにち? マイニチ!
- サンタクロース
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- 映画をみる、映画でみる (第32回)
- 「アジアの窓」釜山国際映画祭(上)
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- 【コラム】ノリきれない国際開発仕事人のつぶやき (第21回)
- 国際協力という職業
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- 子どもを見る眼 (第33回)
- すべての行事はつながりのため
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- 第3回「人権教育と生活綴り方」研究大会(奈良大会)ご案内
- 編集部の本棚
- 『震災トラウマと復興ストレス』(岩波ブックレット No.815)宮地 尚子:著/『いのちの食べから』“よりみちパン!セ”シリーズより 森 達也:著
- 共生のトポス (第117回)
- 「東北」再生
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- 編集後記
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編集後記
▼本号の特集では、阿久澤麻理子さんと対談をさせていただきました。阿久澤さんは、国際的な人権教育の動向にも明るく、かねてより日本の人権教育の情緒的・理念的なあり方に疑問を呈していました。また、最近では自助グループに焦点をあわせた主張も展開されています。日本の人権教育を大きな幅をもって捉え直すには、阿久澤さんをおいて他にはないと感じていました。果たして当日の座談会では、国際的な動向や日本における人権教育の性格をふまえつつ、現在の課題として自助グループが担おうとしている役割に注目することになりました。人権教育の世界がもつさまざまな色合いを感じ取ることができるのではないでしょうか。このタイミングで意義深い提案をしていただいた阿久澤さんに感謝します。
▼「第六一次四単組合同教育研究福島県集会」に参加させていただきました。ご存じの通り、福島県では、東日本大震災、および福島第一原子力発電所の事故により、大きな被害を受けています。とくに原発の事故に関連して、子どもたちが心の深いところで感じている不安やトラウマを報告する声に接しました。放射能の線量計を子どもたちがお守りのように大事にしている。元気そうにしていた子どもが二学期になって、震災により身近な家族を奪われたことにぽろぽろとふれるようになった。命を守るためにしなければならないことについては、やんちゃな子どもが外すことなく守っている。福島出身であることをいえば差別される理不尽を高校生がつづった。それらとの対比で考えるだけでも、この間の国会議員、政府、企業などによる多くの発言はいかに問題であるかが明瞭です。一方で感じたのは、そのような現実を前に、教職員の皆さんがうつうつとしているわけではなく、仲間との交流を通して、むしろ暖かさを強くにじませているということです。クラスの子どもたちが野田首相に手紙を書いた、という実践もありました。子どもたちの文面からは、「使命の自覚」が感じ取れました。先の見えない現状が明るい何かにつながる可能性を感じました。全国・全世界へのネットワークに期待します。
(森)
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- 明治図書