- 特集 成功する算数授業D 子どもがどんどん話す発表のさせ方
- 成功する算数授業D 子どもがどんどん話す発表のさせ方
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- 総論
- 1 発表する活動を進めるには
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- 2 思考の可視化と言語化
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- 3 考えの妥当性・有用性・関連性の検討
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- 学年別実践事例
- [1年]考えたい、話したいが生まれる場の工夫
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- [2年]共に学ぶ楽しさを味わう算数を目指そう!
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- [3年]発表の目的と内容と方法を明確に
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- [4年]教師の親切な支援は、心切な支援?!
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- [5年]伝えたい意識を高め、発表をつなげる
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- [6年]友達の考え方を説明してみよう!
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- 算数科教育―私の提案 (第7回)
- 表現力を育てる算数の授業
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- 自著を語る
- 『算数力アップ!新評価規準ワーク&授業づくりマニュアル』(学年別・全6巻)
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- 算数教育ホットニュース (第115回)
- 言語力の育成
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- 〜言語力育成協力者会議の報告書から〜
- ここが知りたい!算数授業何でもQ&A (第7回)
- 計算力を伸ばす
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- どの子も伸ばす!特別支援教育のツボ&今月の算数授業チェック (第7回)
- 「体」「頭」「心」をつないで楽しく活動
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- 授業力アップ!今月の授業と発問
- 【1年】3つの かずの けいさん
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- 〜3つの かずの けいさん〜
- 【2年】かけ算(1)
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- 〜5のだんの九九〜
- 【3年】あまりのあるわり算
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- 〜あまりの処理を考えて問題を解こう〜
- 【4年】およその数
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- 〜がい数を使って〜
- 【5年】人文字
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- 〜考えを広げよう〜
- 【6年】反比例
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- 〜反比例している数量関係を理解しよう〜
- わかる! できる! 算数授業の取り組み紹介 (第19回)
- 楽しんで主体的に学ぶ算数科の授業―多賀小学校―
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- 算数授業奮闘記 (第113回)
- チャボとのくらしから生まれる算数学習
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- 算数が好きになる問題
- [1年]□+□+□=15をつくろう!
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- [2年]かけ算でカルタをしよう!
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- [3年]○×□×△をつくろう
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- [4年]調べてみよう!みんなのこと
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- [5年]あみだにサイコロ運試し!?
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- [6年]ふしぎな形の体積、求められるかな?
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- 「足場」のある算数授業の新展開 (第7回)
- 子どもが足場をつくる算数授業事例(3)
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- 〜5年 体積の授業から〜
- 子どもの意欲を高める朱書き文例集 (第19回)
- 10月のノート指導と朱書き
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- イチオシ! 板書紹介 (第19回)
- きめの細かい理想的な板書
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- 〜第3学年 たし算の筆算〜
- 算数の玉手箱―授業,教材,ゲームアイディア集 (第7回)
- コンパスになれよう
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- 〜3年【円と球】〜
- 子どもと楽しむ12か月 算数面白小話 (第7回)
- 違うようで同じもの(数表と九九表)
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- 編集後記
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- 数検問題にチャレンジ! (第7回)
- 直角三角形はいくつあるかな?
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- 〜級:9級 単元:図形 学年:2・3年〜
成功する算数授業 子どもがどんどん話す発表のさせ方
文部科学省のホームページによると,言語活動の充実について,「新しい学習指導要領では,生きる力をはぐくむことを目指し,基礎的・基本的な知識及び技能を習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力等をはぐくむとともに,主体的に学習に取り組む態度を養うため,言語活動を充実することとしています。」とあり,「知的活動(論理や思考)等の基盤といった言語の果たす役割を踏まえて,言語活動を充実することとしている。」ともあります。つまり,算数の授業の中で思考したことを表現することの大切さをうたっているのです。
表現する言語としては,音声言語と記述言語がありますが,特集のテーマである「子どもが話す発表」は,音声言語に対応します。音声言語は,子どものつぶやきなどの瞬間の発言と思考の論理を発表する発言とに分かれますが,特に今回は後者について考えていきたいと思います。子どもは算数の授業で何を発表するのでしょうか。子どもは算数の問題解決の活動から生まれる思考の筋道を発表するのです。この筋道とは,既習事項との対比から生まれる言葉,新たに問題を解決していく着眼点,問題解決しているときの思考のプロセス,そして,解答です。さらに,一つの問題解決から一般化していくと,算数のきまりが生まれてきます。これらを別の言葉で簡潔に言えば,算数の「事実」「方法」「理由」となります。ただし,実際の授業では,子どもたちは,考えの発表場面になると,なかなか自己表現できないという声が教師から聞かれます。まず,子どもの疑問,驚き,戸惑いなどの思いを教師が受け止めることです。子どもの表現は不完全なものですが,この不完全な中に真理が含まれています。教師の役割は「いい考えだね」と部分的でも肯定・受容し,不完全から完全へと導くことです。次に,「どんどん話す発表」というのは,連続的に発言が起きることを願っての特集テーマ設定です。これは,単に「はい」「はい」の連呼に伴い,自分の考えだけを発表するという状況ではなく,友達の考えを受けて,自分の考えをつなげていくことを「どんどん話す発表」ととらえたいと考えます。
本号では,子どもがどんどん話す状況とはどういうことをいうのか述べるとともに,「発表のさせ方」のポイントについて具体的な実践事例とともにご紹介します。
志水 廣
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- 明治図書