- 特集 発達障害児の学習評価と,到達度基準を考える
- 特集1 発達障害児の学習評価と,到達度基準を考える
- 発達障害児の学習評価と到達度基準
- 通常学級にいるIQ50の児童に同じ評価基準でいいのか
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- 国語科の学習評価と到達度基準
- 評価は3点セットで継続。基準は健常発達を知ること
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- 原則は「短くする」こと
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- 安定した授業と評価基準の明確化で,子どもを成長させる「評価」をする
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- 配慮は評価のために必要
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- 算数・数学科の学習評価と到達度基準
- 数量を固まりとしてとらえられるようにする
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- 子どもたちの就労を見通した到達度を考える
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- 評価するための手段・システムをもつことが大切だ
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- 授業の中でできるようになったことを評価していく
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- 社会科の学習評価と到達度基準
- 箇条書きにしなさいは,発達障害の子が大活躍できる指示であり,明確な学習評価である
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- 評価をどのように行うのか 最低限ここまでは必要だという到達度の基準
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- まずは,生徒が不利になる評価方法を見直さなければならない
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- 理科の学習評価と到達度基準
- 何をすればよいかを明確に示してこまめに評価することで特別支援を要する子も評価基準をクリアすることができる
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- 自力で「教科書の実験ができる力を養う授業」の具現化,到達度基準は3つで十分である
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- まずは授業に全員を参加させる
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- 音楽科の学習評価と到達度基準
- 「ふしづくり音楽システム」を用い評価する
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- 楽しいことが最優先〜できることを一つずつ増やしていく
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- 体育科の学習評価と到達度基準
- 最低限の技能保障をする項目。それが到達度基準となる
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- 見学を減らす,評定1を取らせない
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- 図工・美術科の学習評価と到達度基準
- 到達度基準を明確にすると,発達障害児が到達できるように具体的な指導法を考えるようになる
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- 教えて,できたことを評価する
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- 英語科の学習評価と到達度基準
- 楽しく,「言えた!」「話せた!」という成功体験のある授業の中で,子どもたちは自信をつけ,積極性が育っていく
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- 「外国語活動」「高校入試問題」を踏まえた評価システムをつくり指導を工夫する
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- 総合的な学習の時間の評価
- おだてまくる通知表,錯覚させる通知表 記述による評価だから,具体的に力強くほめることができる
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- 道徳の時間の評価
- 「知識・理解」と活用力を評価する
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- 特集2 指導要録について
- 健常児との比較の中での評価はどう考えればいいのか
- 基本的に変わりない。しかし配慮が必要である
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- 「個別の指導計画」で到達目標と評価基準を個別に設定し評価する
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- 「できないこと」が「できるようになった」という事実で評価することが大切である
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- 特集3 インクルージング教育
- インクルージング教育の方向性は評価や到達度基準とどうかかわっていくのか
- 二層の評価・到達度基準の運用が必要である
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- 最先端の情報,子どもの事実,評価と到達度基準を意識して方向性を考える
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- さらにきめ細かな評価基準を示して取り組まなければならない
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- ミニ特集 障害児のいる学級で大活躍“教材・教具”一覧
- うつしまるくん
- うつしまるくんは、「ことばうつし」を促す。ことばうつしがA君のチャンクを鍛えた
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- 暗唱・直写スキル
- 変化のある繰り返しで自己肯定感をあげる
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- 輪郭漢字カード
- カルタとして使用することで、障害児の生活の質を高めることもできる
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- 暗唱詩文集
- 成功体験を積み重ねることで自信をつける
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- 五色百人一首
- 1日5分、100回で子どもの人生が変わる!
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- 名文・格言暗唱かるた
- 「やらない!」と参加を拒んでいた子が自然に取り組み始めた
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- おてほんくん
- 力のある教材は、どんな子も惹きつけてやまない
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- 算数ノートスキル
- 繰り返しモデルを示し、ほめていくことで、きれいなノートが生まれる
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- ミニ定規
- アスペルガーのHくん ミニ定規を使い、うっとりノートを書くようになった
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- かけ算九九尺
- 「かけ算九九尺って簡単!」かけ算九九尺で自分から九九に取り組む
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- 百玉そろばん
- 「心地よい、わかりやすい、楽しい」三要素を備えた、無敵の教具
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- 子ども用百玉そろばん
- システムと「一時に一事」
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- スーパーとびなわ
- 「スーパーとびなわ」を使わせて、上達をほめるだけで上手になる
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- 逆上がりくるりんベルト
- やんちゃな子が自閉傾向の子に逆上がりを教える魔法の教材
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- PISA型国語スキル
- 「大ヒントがあってとてもやさしい」「一瞬でやる気がでる」グラフの読み取りスキル
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- PISA型算数スキル
- 集中してできるPISA型スキルは与えてほめるだけ
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- ペーパーチャレラン
- 自己肯定感を育てるペーパーチャレラン
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- ふれあい囲碁
- ふれあい囲碁を一年間やれば、「特別支援教育」という言葉は要らなくなる
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- TOSSノート
- TOSSノートの構造は教育的合理性に裏付けられる
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- 直写ノート
- だれにでも成功体験を味わわせることができる
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- 矢印カード
- 楽しみながら上手になっていく
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- マグネットなぞり書き
- 子どもの実態に応じた教材により、手指の巧緻性を高め、文字を書くことへつなげる
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- すごろく
- 数が理解でき、コミュニケーションも学べる教具である
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- 直写
- 「直写」は授業の幅を広げる教材である
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- グラビア
- 第4回発達障害対応力向上セミナーほか
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- ギフテッド もう一つの特別支援教育 (第3回)
- 難問を与えればよいのではない 学習システムの中で提示するのである
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- 写真で見る構造化 分かりやすい情報伝達の工夫 (第3回)
- 「iPad」で見えないものを「見える化」する
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- 教育の新課題と特別支援教育
- すぐれた教材は,教師を助け子どもを育てる
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- 巻頭言
- 向山型指導方法は,20年以上前から自尊心を育てる指導方法であると主張している
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- 『教育』と『医療』の連携で特別支援教育を強化する (第2回)
- 医師から見た特別支援教育の問題
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- 子どもに力をつけるTOSS教材教具
- 〈あかねこ漢字スキル〉テスト練習ページを使い方どおりにやることで子どもたちのミスが減り,丁寧に行えるようになった
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- 〈計算スキル〉計算が苦手な子の自己肯定感を高める教材
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- 〈暗唱カルタ〉暗唱カルタは,自己肯定感を高めるのに効果のある教材だ
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- 〈話す聞くスキル〉楽しみながらソーシャルスキルトレーニングができる
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- “あの有名人”も実は〜 教室で読み聞かせ:元気が出る実話シリーズ (第2回)
- 「モーツァルト」天才音楽家モーツァルトには発達障害があった
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- 特別支援教育で学校は変わる (第12回)
- 特別支援教育を軸に学校の仕組みを変える
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- 自閉症圏の子どもたちの対人関係能力を伸ばす試み (第8回)
- 相対的/文脈的思考を育てるために―連載のまとめ
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- 教育は格闘技だ―フリースクールの実践 (第17回)
- 日常的な挨拶の指導―教師自身が気持ちよい挨拶をし続ける―
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- コーディネーターのお仕事拝見 (第6回)
- 検査結果をコーディネートする
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- 誌上QAコーナー こんな時どうしますか
- 若い教師はこんなことで困っている ベテランから若い教師へ向けてのQA
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- 特別支援学校・特別支援学級コーナー
- コーナー担当
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- 特別支援学校の実践
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- 〜暴力をふるう生徒への対応 調子がいいときに約束をする〜
- 特別支援学級の実践
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- 〜知的障がい児にも有効だった! あかねこ漢字スキル〜
- 論文ランキング
- 26号/翔和学園・伊藤先生の言葉に大きな反響!
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- 読者のページ
- 26号の学びや感想
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- 編集後記
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- TOSS特別支援教育イベント情報
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- どんな子でも熱中する教材はこれだ!!
- チャレラン(チャレンジランキング)は、何度でも挑戦できることで熱中力を生み出します。『子どもTOSSデー茨城』の様子から〜親子でレッツチャレラン
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巻頭言
向山型指導方法は,20年以上前から
自尊心を育てる指導方法であると主張している
東京都町田市立金井小学校 大場寿子
1 自尊感情とは?
向山先生は,中央事務局検定セミナーで,参加者に以下のことを強く問いかけた。
「教師として,子どもに何を育てることが一番大事か? 発達障害の専門家の医者は,教師に子どもの何を育てるべきだと言っているのか?」
答えは「自尊感情(セルフ・エスティーム)である。
しかし,ここで分かったふりをしてはならない。言葉を自分の体験に引き付ける作業が必要だ。自分で自分にさらに問う。自尊感情とは,子どもが自分のことをどのように思うことなのであろうか? 調べてみる。
1965年ローゼンバーグが自尊感情尺度表を作成した。具体的な質問項目として10項目が挙げられていた。
@私は他の子どもと同じぐらい大切な子どもだと思う。
A自分にはいくつかよいところがあると思う。
B自分をまるでダメだと思う。
C私は他の子どもと同じようにいろいろなことができる。
D自分のことであまり自慢できることがない。
E私はいろいろなことをうまくやれると思う。
F私は今の自分のままでよいと思う。
Gもう少し自分を尊敬できたらいいと思う。
H時々自分は役に立たないと思う。
I自分は悪い子だと思ってしまう。
この調査票では,これらに4つの尺度を加え子ども自身に〇をつけさせて答えさせる方法をとっている。
一方,平岩幹男氏(東京大学大学院医学系研究科講師)は著書『発達障害の知識と対応』の中で発達障がいについての最終目標として自尊心を育てるポイントを以下のように書いている。子供の時から自信を失わないように育てること,周囲が本人を嫌いにならないこと,きっといつかできるようになるから,今できないことを怒らないこと,よくほめ,ほめられることで自信と実績をつくること。
肝に銘じたい。
2 だれが自尊感情を育てるのか?
ならば,そのような自尊感情は,生まれつき備えているものなのか,育てるものだろうか? 育てるものならば,どのような場面で,だれが育てるのかである。
佐々木正美氏(川崎医療福祉大学教授 精神科医)は著書『佐々木正美シリーズ3コミュニケーション障がいの子どもたち』で次のように書いている。生まれながらにし自己嫌悪という子どもは,まずいません。人間は,愛されているという実感,信じられているという実感,大切にされているという実感をもつことによって,自信と自尊の感情が育ちます。それは自分で自分に育ててきたのではないのです。お父さん,お母さんや周囲の人たちがいろんな程度に育ててきてくれたのです。友達や親戚も大切だったし先生も大切でした。人から本当に大好きだよと言われなかったら,自分で自分を好きになることはできないのです。
教師は,子ども時代に出会う大人の代表だ。地域社会で出会う大人が少ない現状の中で,教師のしめる割合はますます大きくなる。
3 自尊感情のある子,ない子の行動
さらに,教師は,子どもの自尊感情がある子とない子を,どのように見とればよいのだろうか? 研究によれば,以下のような報告がされている。
@情緒が安定。
A責任感がある。
B社会的な適応能力が高い。
などがあげられている。また,
C逆境にも強くいじめに屈しない。
D他人の目を気にしない。失敗に動じない。
E悪い仲間の誘いを断る力もある。
とされている。
よって,子どもは,自分の自尊感情が未熟なまま大人になると,自分も他人も大事にできない。結果として様々なトラブルに巻き込まれるリスクが高くなるのだという。自尊心を育てることは,発達障がいのあるなしにかかわらず,すべての子どもの課題である。
4 向山型指導法で自尊心を育てる
ならば教師である我々は,一日の指導の中で,子どもに自尊心を育てられたのかどうか,問い続けなければならない。
私の本日の授業,算数の時間だ。向山型指導方法だ。子どもに「できた」と言われ,「やったあ」と跳び上がって喜ばれた。親に一筆せんにして伝えると,親からも感謝の手紙が届いた。
問題はどのような方法でどのような原則がその事実をつくり出せたかである。
持続して自尊心を育てるためには,現場は実践を積み重ね,洗練させる必要がある。
さらに,向山型の指導方法には,自信を回復させる技術がいっぱいある。
例えば,跳び箱指導だ。向山先生は,「今まで跳べない子がそれを跳んだとき,その子にとって涙が出るほどうれしいことであり,自信の回復につながることになるのである。それを見ている子にとって驚きと自分も何かに挑戦しようという励ましを与えるのである。」と一貫して20年前から指導方法の効果を自尊心で主張しているのである。
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- 明治図書