- はじめに
- 本書の使い方
- Part1 自学力を育てる家庭学習指導のポイント6
- 1 家庭学習指導で「自学力」を育てる
- 2 家庭学習指導で身につけたい3つの力
- 3 家庭学習指導はなぜ必要か
- 4 家庭学習指導の心構え 家庭学習指導3原則
- 5 自ら家庭学習に取り組む生徒の育て方〜「自己決定理論」より〜
- 6 家庭学習なんでもFAQ
- コラム
- 1 「ずくをだして」入門期の文字指導と家庭学習を!(小岩井高徳)
- Part2 実物資料でよく分かる! メキメキ英語力がつく家庭学習の技20
- 1 準備編
- 1 家庭学習法冊子
- 2 実践編
- 音読指導
- 1 音読トレーニング 朗読
- 2 音読トレーニング 速音読
- 3 音読トレーニング 通訳読み
- 4 音読トレーニング アナウンサー読み(Read&Look up)
- ノート指導
- 1 ノートトレーニング レベル@ まとめ
- 2 ノートトレーニング レベルA 暗記練習
- 3 ノートトレーニング レベルB パターン練習
- 4 ノートトレーニング レベルC 自己表現
- 5 ノートトレーニング Plus:隠れメニュー 通信・質問・感想
- 継続をサポートする活動アイデア
- 1 生徒が続ける仕組み 提出・チェックのシステムづくり
- 2 生徒が続ける仕組み ノートチェックは最初の3回が勝負!
- 3 生徒が続ける仕組み 「Evaluation Card」で成果を見える化
- 4 生徒が続ける仕組み 「MyトレCard」で自学力を育む
- 5 生徒を支えるサポート 「努力の達人」紹介でやる気を刺激
- 6 生徒を支えるサポート よいノート紹介で全体をレベルアップ
- 7 生徒を支えるサポート 「家庭学習を続けるコツ」を教える
- 8 生徒に伝えたい! 学習Tips集
- 中学英語を全員が身につける活動アイデア
- 1 高校英語への橋渡し 中学で確実にマスターさせたい「不規則動詞70」
- 2 高校英語への橋渡し 中学英文法の総復習「エッセンスブック」
- コラム
- 2 生徒ががんばる「自学習」(松川真紀子)
- 3 「100」という数字にはち・か・らがある(橋本正憲)
- Part3 家庭学習を200%活かす! 授業・テスト&学級活動アイデア25
- 1 タイプ別ですぐ使える! 授業と家庭学習をリンクする12の技
- 【復習】タイプ
- 1 生徒が本気になる小テスト
- 2 問題集への取り組み方プリント
- 3 必ず盛り上がる音読練習
- 4 超短時間音読テスト「音読シヨウ」
- 5 音読テストとリンクする発展暗唱テスト
- 【予習】タイプ
- 1 帯学習 話す力を高める30秒クイズ
- 2 帯学習 話す力を高める1 Minute Monologue
- 3 帯学習 書く力を高める発想ゲーム
- 4 帯学習 話す力と書く力を高める3分即興Writing&Speech
- 【発展】タイプ
- 1 ICTの活用
- 2 創作英文・日記
- 3 創作英作文「どどい英作文」
- 2 テストと家庭学習を効率的にリンクする8つの技
- 1 何を勉強すべきか分かる「テスト出るかもプリント」
- 2 全員が勉強に向かう「テスト直前対策授業」
- 3 らくらく採点で効率アップ! 「テスト採点術」
- 4 ドキドキわくわく「テスト返却アイデア」
- 5 自分の力を分析する「英語カルテ」
- 6 うっかりミスを撃退する「誤答処理」
- 7 全員に重要項目を定着させる「再テスト」
- 8 学年全体の底上げに! 「再補習」
- 3 学級・学校で家庭学習力を育てる5つの技
- 1 テストの学習計画表
- 2 学習時間集計表(班集計&学級集計)
- 3 懇談会配付プリント「学習で大切な3つのこと」
- 4 発展アイデア:他教科との連携法
- 5 発展アイデア:他学級・他学年との連携法
- コラム
- 4 RPGのように誰でもハマる「マラソンノート」(小林隆介)
- 5 仲間と続ける家庭学習法「交換日記」(松本涼一)
- 6 失敗しない「テストの学習計画」の作り方(奥住 桂)
- おわりに
- 主要参考文献
はじめに
「先生,英語の勉強のやり方が分かりません」
生徒のこの一言が,「本気で家庭学習指導を始めないと」と思ったきっかけです。「宿題を出すだけでなく,家庭学習を通して学習方法を教えないといけない」と思ったのです。
しかし当時の私は,英語の勉強法って,何をどうやって教えればいいのか…と戸惑っていました。それまでの家庭学習指導といえば,宿題を出すだけの指導だったからです。
そんな窮状を救ってくれたのは,田尻悟郎先生の『英語科自学のシステムマニュアル』(明治図書)でした。この本には,家庭学習指導の始め方から取り組み方までが詳しく書かれていました。目からウロコが落ちる思いで,その本を読みながら,自分や生徒に合うようアレンジして取り組む試行錯誤の日々が始まりました。
その後,毎年改善を繰り返しながら家庭学習指導に取り組むうちに,家庭学習の意義や指導のポイントが少しずつはっきりと見えるようになってきました。学習方法を身につけさせると英語学習に対する不安が減ること,やるように指示するだけでは生徒はなかなかやらないこと,学習方法や内容,習慣を身につけさせると自学するようになること,そして,中でも一番大きな発見は,「家庭学習指導には原則がある」ことに気づいたことです。次の3つです。
○やり方を「体験」させる。
○生徒が続ける「仕組み」をつくる。
○時間をかけて「サポート」する。
「体験」「仕組み」「サポート」。これらが,家庭学習を習慣にするキーワードだと気づいたのです。後になってですが,この3つは家庭学習指導だけでなく,部活動など,技能を身につけさせる他分野での指導にも通じることも分かってきました。
本書は,そういった家庭学習指導の原則や心構え,具体的な指導法について,様々な先達の書籍や教えをもとに取り組んできてうまくいったことを,「家庭学習指導の準備から指導・発展のさせ方」として体系的にまとめたものです。
「家庭学習指導の始め方が分からない」「今よりもっと家庭学習指導を充実させたい」「授業と家庭学習をリンクさせたい」「英語好きを増やすテストの効果的な活用法を知りたい」―そう考えておられる先生方が,本書を通して参考になるものに出会って,指導の「たたき台」としてそれらをご活用いただけたら幸いです。どうぞご覧ください。
2011年10月 /上山 晋平
この本に書かれていることすべてに刺激を受けました。
特に、学習ピラミッド!生徒に伝えたら納得していました。
このような本を上梓してくださり、ありがとうございます!!