- 授業者 /谷 和樹
- 刊行のねらい
- T 学習指導案:4年社会科『野田の醤油工場から日本の発酵技術へ』
- 1 単元名/2 本単元の基礎学力/3 単元の指導計画/4 授業構想/5 準備/6 本時の目標/7 指導過程
- U 4年社会科『野田の醤油工場から日本の発酵技術へ』30分の全授業記録
- @ 麹って知っている?
- A 気づいたことを言い合う
- B ブドウを腐らせると
- C 発酵の実例―何が何に変わるか探そう
- D ノートに書く作業指示
- E 日本生まれの発酵食品って
- F 日本の鳥って何?
- G 働き者の微生物
- V 4年社会科『野田の醤油工場から日本の発酵技術へ』の授業分析
- @ 棚橋 健治
- 社会科から離れている「発酵」の扱い
- A 村井 淳志
- 食生活をこんなに豊かにする発酵食品,醤油はその優等生だ!
- ―授業目標をもっと絞り込む代案はこれだ―
- B 原田 智仁
- デジタル時代を象徴する社会科授業
- ―アナログ的探究も大切にしたい―
- C 澤井 陽介
- 授業の大切な要素とは何か
- D 安野 功
- ちょっぴり不満は「教師の先回り」提示
- E 新保 元康
- 抜群の笑顔と柔軟な指導力に驚歎
- F 渡部 竜也
- 発酵ならヨーグルトの方がよいのでは
- W 向山洋一授業解説介入セミナーより再録 向山洋一が「谷 和樹の授業」を論評する
- 1 発酵ではなくて醤油からの出発?
- 2 人類史からひも解くと…
- 3 農耕から文化が始まった
- 4 食料の保存法 どんなやり方があるか
- 5 葉っぱで保存できる理由
- 6 微生物の働きを利用してきた人類
- 7 授業ほど面白いものはない!
- X 授業者の自己分析 子どもの意見にはもっと多様性が必要だ授業の対応の奥深さを学んだ
- /谷 和樹
- あとがき
- ☆授業全記録30分のDVD☆
刊行のねらい
グーテンベルグ以来550年続いた活字文化隆盛の時代が終わりを告げ,いよいよ映像の時代がきたともいわれます。
たしかに,出版社はどこも青息吐息です。
しかし,どう考えても活字には映像にないよさもあります。
例えば,本ならペラペラめくれば,その本の大体の傾向をつかむことができます。
しかし,映像では,トバシ見,トバシ読みはなかなか難しい。
したがって瞬時に,おぼろげながらも全体像をつかむ―などということは映像は,不得手といえるようです。
ところで,もう1つ付け加えると,活字の大事な取り柄があります。
それは。
あのアップルのジョブズ氏が世に送りだしたものが人々に圧倒的な支持を得たのは,人間の生態系にのっとった機器を開発したことにあるともいわれているようです。
たしかに,コンピュータ画面をマウスで動かす,iPadを手で操作するなど人間の持つ取り柄,生理や生態系に即した機能を備えたことで,違和感なく使えるようになり,大きな支持をもたらしたようです。
そういう点からいえば,本も,寝転んでも読める,ちょっとしたスキマ時間にも読める―という生態系に馴染んだ機能を備えているのではないか―そんな気がします。
しかし。
そうはいっても,映像が全体の雰囲気をリアル感覚でつかめる点では,とても活字ではかなわない部分でもあり,ここには活字に圧勝するよさがあります。
そこで,この両者を補完しつつ授業をひも解けば,世に残る1つの授業遺産ともなるのではないか―と企画しました。
したがって,日本教育技術学会としても,授業記録を残せるような場を提供してくださった千葉大会は,またとないチャンスでもありました。
というのは,文字に起こされたものから授業をイメージするのと,映像から,実際にそこで起こった事実を知るのとでは,かなり違うのではないか―と思われるからです。
特に,授業者の,
・話し方や,間の取り方
・滑舌の善し悪し
・子どもとの対話術
・教室を支配する教師の目線
など,授業ではかなり大きな影響力を持つ部分が,活字からでは直観的にはつかめない部分が把握できるので,授業研修用としても活用できるのではないかと思います。
なお,本研究の授業は,NHKの全国放送・ニュース番組としても放送されたことをつけ加えさせていただきます。
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- 明治図書