- 授業者 /伴 一孝
- 刊行のねらい
- T 学習指導案:5年国語『事実と意見』
- 1 単元名/2 本単元の基礎学力/3 単元の指導計画/4 授業構想/5 準備/6 本時の目標/7 指導過程
- U 5年国語『事実と意見』30分の全授業記録
- @ 男? 女?
- A 名前と事実
- B 同じ? 違う?
- C アヒル? ウサギ?
- D おばあさん? 若い人?
- E 大造じいさんとガン
- F 事実と意見―新聞から見えてくること
- G グラフの読み方
- V 5年国語『事実と意見』の授業分析
- @ 鶴田 清司
- 「事実と意見を区別して書く」という学習であったか
- A 白石 範孝
- 「まとめ」がない授業も計測不可能では?
- B 中村 敦雄
- 「事実」の意味は学習者に正しく理解されたのか?
- ―この授業の見どころと国語の授業づくりのポイント―
- C 小森 茂
- 学習評価の視点が見えない残念さ
- D 大森 修
- 教材群の構成と組み立てが秀逸な授業
- E 太田 聡美
- 「不発弾」という印象をもってしまう理由はここだ!
- F 江副 隆秀
- 使命感が「やってみる」教師の原動力に
- W 向山洋一授業解説介入セミナーより再録 向山洋一が「伴 一孝の授業」を論評する
- 1 作文単元をどう料理するか
- 2 「いざ」という時,用意したモノがない?!
- 3 ペリー来航にまつわる話
- 4 これが小学生相手の授業?!
- 5 映像につけるタイトル考えてみて
- 6 教えたい「教科書が正しい」とは限らない
- 7 2分間のために3万円で借りたけど
- 8 この作品をいつまでも残していていいのか!
- 9 「このグラフ」でいいのかな
- 10 分裂している本時目標
- 11 どうなったのか「子どもの感想文」
- X 授業者の自己分析 本物の雁を持ってくる「執念」と,それを使いこなせない「未熟」さ
- /伴 一孝
- ☆授業全記録30分のDVD☆
刊行のねらい
ある国語の公開授業を参観していた時,隣にいた2人づれの女性の先生が,
「算数みたいな国語授業ね」
とささやいていました。
たしかに研究テーマが,言語活動をメインに据えたものだったこともあるのか,所謂,
「作者の気持ちを問うようなもの」
ではなかったので,従来の国語授業のイメージからは,かけ離れていたのでしょう。
こういう,公には物言わぬ参加者の“ナマの声”を聞けるので,私はいつでも,
〈参観している大衆の中に潜入する〉
をモットーにしてきました。
公の場では物言わぬ人でも?心の中では,当然のことながら,あれこれ意見をもたれているわけです。
それにしても。
ご自分の授業との対比,隣のクラスの授業との比較,過去に見てきた授業との違いなど,取り出せるストックがたくさんあることも,授業の腕をあげる大きな,きっかけ体験になるのではないかと思います。
なにしろ,エンジニアの世界では,
〈知識×経験の2乗=能力〉
というのが1つの計測尺度だそうですが,授業の腕も同じことが言えるように思います。
つまり経験が少ない人は,ガンバって知識を吸収しなければ収支決算が合わないことになりましょう。
ところで,このたびの授業研では,子どもが置かれている状況に少し特徴があるかと思いますので,ちょこっと説明しておきたいと思います。
当然,附属の子どものように,日頃から参観者慣れしているわけではありません。おそらく,飛び入り授業など初体験でしょう。
当時の校長・根本正雄先生によると,
「中国残留孤児になってしまった人の子弟が半数近く在籍していて,もはや日本語を習得できない親の通訳をしている子どもも多い……」
というお話です。
でも。
ビデオをご覧になった方は,そういう背景を感じられないのではないか?と思いました。
勿論。
いきなり知らない学校の先生が飛び込んできて授業をするのですから,戸惑いや驚きもあったでしょう。
しかし,子どもたちは,教師の働きかけに実にきびきびと反応していて,そういう重荷を背負っているようには見えません……。
その理由は。
飛び込み授業をされた先生方の力量の賜物でもありましょうが,日頃の担任力が土台になければ成功するわけはないでしょう。
こういう場を提供してくださった諸氏に,改めて感謝したいと思います。
ありがとうございました。
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- 明治図書
- 動画を何度も見て、勉強しようと思いました。はっとさせられることが多かったです。2016/10/1220代・小学校教員