- 基幹学力研究会 その新たなる旅立ち「問題提起」の書
- 1 算数から学ぶ授業構成 国語授業を変える「起」と「転」
- 「一気に本題」「成長の実感」
- ―楽しい国語にする「起」「転」の改善
- 自分の考えを明確にする1時間での「起」と「転」
- 「何かわからないことはない?」で,「起」が変わり,「転」が変わる
- 「目的を明らかにして読む」言語活動として「推薦文」をセットする
- 2 子どもに寄り添うための「問い返し」発問
- 豊かな表現を引き出し,思いや考えを広げる「問い返し」発問
- ―6年「場合の数」の授業を通して
- 「問い返し」発問は,子どもの思考の道標
- ―5年「体積」の授業を通して
- 子どもの日常語を問い返しねらいに迫る
- ―3年「わり算」の授業を通して
- 教師の前を歩く子どもを支える「問い返し」発問
- 3 「イメージ形成言語力」を鍛える物語づくりのすすめ
- 冒険物語づくりのすすめ
- ―子どもたちの知的欲求をくすぐろう!
- 自分のイメージする物語世界を書き表す
- ―登場人物の心情は設定と構造から
- はじめての物語づくりは「マンガの文章化」で
- ―物語づくりで「言葉」を吟味する
- 物語づくりの取り組み
- ―物語の構成(結末部・展開部)を基にストーリーをつくる
- 4 「板書見ながら」算数作文2 その効果と評価を考える
- 板書の隙間がノートから見える
- ―板書作文で4観点を評価する
- 4観点の評価で,授業をいきいきさせる
- ―「相手」「発言」「考え」「表現方法」を意識させて
- 学級オリジナルの問題集をつくろう
- 算数の学習を作文にしよう
- ―次の学習に生かす算数作文の分析と評価
- すべての子どもたちに,確かな「基幹学力」を
基幹学力研究会 その新たなる旅立ち「問題提起」の書
枝葉を基礎的内容や技能と例えるならば,基幹となる力は「幹」である。幹の中には意欲という水が流れていて,太く大きく幹そのものも成長させていきながら新たな枝葉を茂らせていく。
そんなたくましい国語,算数の基幹学力を育てるために,本会の4人の発起人がそれぞれ別の視点で新たな取り組みに挑む。
本書は,その問題提起の書である。
基幹学力研究会の活動も本書を節目にいよいよ第二ステージへと移行することになる。
青木伸生は,国語の授業構成に算数的な発想を取り入れることを提案している。盛山隆雄は,授業における教師の発問研究を極端に絞り込み,「問い返し」の瞬間に焦点を当てた。二瓶弘行は,「イメージ形成言語力」に焦点を当てた物語づくりに取り組んだ。田中博史は,すでに先行して発刊している『「板書見ながら」算数作文』の続編として,その評価に論点を絞って提案をした。
いずれも,これから大切にしたい『言語力』育成という共通の視点をもった取り組みである。それぞれの新たな課題への取り組みは始まったばかりだが,読者の先生方からの忌憚のないご意見を賜り,さらに進化,発展させていきたいと考えている。そして,それぞれの提案に共に取り組んでいただける先生方があれば,ぜひご参加いただきたいとも思う。この提案をきっかけに,ますます基幹学力研究会を支えてくださる仲間が広がれば,こんなに素晴らしいことはない。
最後になったが,本書の刊行に当たっては,明治図書編集部の樋口雅子氏,矢口郁雄氏に多大なるご尽力を賜った。この場を借りて感謝申し上げる次第である。
平成23年8月 /青木 伸生・盛山 隆雄・二瓶 弘行・田中 博史
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- 明治図書