- まえがき
- T章 教職への考え方・勤務の在り方をめぐって(勤務・服務)
- 1.性格的に教師に向いていない気がします(教師適性)
- 2.教師に求められていることが多すぎないでしょうか(教育課題)
- 3.指導力不足教員とならないか心配です(指導力不足教員)
- 4.服装や趣味など個人的なことには干渉されたくないです(教師の常識)
- 5.公用のものを私用に使わないよう教頭に注意されました(公私混同)
- 6.数値目標や教員評価など,「縛られている」感じが嫌でたまりません(教員評価)
- 7.服務の大切さは分かりますが,自由を奪われている気がします(服務の厳正)
- 8.反抗する子に我慢できなくなり平手で頬を叩いてしまいました(体罰)
- 9.個人情報と著作権についてもっと勉強するよう言われました(個人情報・著作権)
- 10.長期の休暇取得中ですが,退職したら公務災害の適用になりますか(公務災害)
- 11.部活動のユニフォーム代を一時流用し,自分を責める毎日です(私費会計流用)
- 12.研修は必ず参加しなければいけませんか(教員研修)
- 13.長い期間・時間をかける初任者研修が苦痛です(初任者研修)
- 14.教員免許更新制が始まるそうですが(教員免許更新制)
- 15.学校を離れてより専門的な研修を受けたいのですが(研修休業制度)
- 16.職員会議にはどのような意味があるのですか(職員会議)
- U章 子どもとの接し方・指導をめぐって(児童生徒理解・生徒指導)
- 17.「子どもの立場に立て」と管理職に厳しく指導を受けました(子どもの立場)
- 18.温かさと厳しさのバランスが分からないのです(子どもとの接し方)
- 19.子どもの心がなかなか理解できません(児童生徒理解)
- 20.特定の子どもとの人間関係がうまくいきません(子どもとの人間関係)
- 21.生徒指導方針がバラバラで,どうしたらよいか分かりません(生徒指導体制)
- 22.発達障害の子の指導に悩んでいます(発達障害)
- 23.心の問題が疑われる子がいるのですが,どうしたらよいでしょう(心の問題)
- 24.リストカットをする子の指導に悩んでいます(リストカット)
- 25.不登校の子の指導の仕方が全く分かりません(不登校)
- 26.「いじめにしっかり対応しろ」と保護者から怒鳴られました(いじめ)
- 27.暴力的な子どもを中心に学級全体が荒れています(学級崩壊)
- 28.女生徒から毎日のようにメールが送られ,その対応に悩んでいます(メール対応)
- 29.盗癖のある子の指導にお手上げ状態です(校内窃盗)
- 30.少人数を対象とした教育のほうが向いている気がします(特別支援教育)
- 31.運動会の練習中に子どもが怪我をして責任を問われました(学校事故)
- 32.アレルギーのある子の保護者から抗議を受けました(健康管理)
- V章 教育活動をめぐって(授業・道徳・学級経営・特別活動)
- 33.授業の進め方で工夫をしたいのですが(授業の進め方)
- 34.「指導力を高めよ」と叱られてばかりいます(授業力向上)
- 35.教材研究や指導案作成が苦手なのですが(授業準備)
- 36.指導計画やシラバスの作成は「労多く益少ない」と思えるのですが(指導計画)
- 37.週案簿の作成はなぜ必要なのでしょうか(週案簿)
- 38.個に応じた指導を効果的に進める方法が知りたいです(個に応じた指導)
- 39.「授業規律ができていない」と指導教員から注意されました(授業規律)
- 40.「授業に教育相談を活かす」とはどういうことですか(教育相談の姿勢)
- 41.評価を気にしていたら授業がおろそかになります(評価)
- 42.作品にコメントしたり通知表の所見欄を書くのが苦手です(所見欄の書き方)
- 43.資料の収集,実際の進め方など,道徳の授業が苦手です(道徳の授業)
- 44.学級内の人間関係によるトラブルが多く困っています(学級内トラブル)
- 45.反発する子が増え,授業の妨害をします(授業規律)
- 46.朝の会や帰りの会に何をしていいか分かりません(朝と帰りの会)
- 47.ワークシート等をうまく作る方法はありませんか(ワークシートの作成)
- 48.専門でない部活動の顧問になり,負担に感じています(部活指導)
- 49.「地域人材の活用」を言われますがうまく導入できません(地域人材の活用)
- 50.宿題,補習等をどう考えたらよいでしょうか(宿題・補習等)
- W章 保護者との関係・地域とのかかわり
- 51.何でもたよってくる保護者がいるのですが(依存的な保護者)
- 52.次々に無理難題を突きつける保護者に困っています(クレーマー保護者)
- 53.部活動指導が厳しすぎるとのクレームがきました(部活動へのクレーム)
- 54.夜中の電話や休日の保護者対応に疲れました(保護者対応での疲弊)
- 55.保護者から金銭の要求があります(金銭の要求)
- 56.給食費等を支払わない保護者にキレそうです(給食費等の未払い)
- 57.虐待を受けているのではないかと心配な子がいます(児童虐待)
- 58.保護者に来校を求めたとき,話合いの工夫はありますか(保護者への来校依頼)
- 59.子どものことで保護者に専門機関を勧めたいのですが(専門機関の勧め)
- 60.学級での問題で緊急保護者会を開くときの留意点は(緊急学級保護者会)
- 61.家庭訪問で気をつけることはどんなことですか(家庭訪問)
- 62.学級保護者会を活発にしたいのですが(学級保護者会)
- 63.地域の行事・会合に参加するよう管理職に言われます(地域行事への参加)
- 64.子どものことで地域の専門機関から苦情がきました(専門機関との連携)
- 65.報酬を得て地域の活動に参加してはいけませんか(有償の地域活動参加)
- X章 その他の問題(職場環境・個人的問題)
- 66.何に対しても後ろ向きな教師を見ているのが嫌です(先輩教師への不満)
- 67.同僚からの嫌がらせに閉口,いじめです(同僚からのいじめ)
- 68.研究発表後の打ち上げなど酒席が多く,苦痛に感じています(苦痛な酒席)
- 69.悩むことが多く精神科を受診することになりました(精神科への受診)
- 70.書類の作成や決済等の電子化が大の苦手です(電子化への対応)
- 71.「アフター5」は自由にしたいのです(アフター5)
- 72.管理職の評価が低すぎるのが不満です(業績評価)
- 73.「何でも子どもと同じに」という考え方に付いていけません(教師と子ども)
- 74.同僚にセクハラ的な人がいて困っています(セクハラ問題)
- 75.休職・復職を繰り返す同僚に対し許せない気持ちです(同僚への不快感)
- 76.結婚を控えていますが,子育て等のことで退職も考えています(出産・育児)
- 77.家族の介護が必要になったため,進退について悩んでいます(家族の介護)
まえがき
念願の教職の道を歩み始めた新規採用教員の早期離職が目立つようになりました。その「予備軍」も相当数に上ると推定されます。研究者はその理由として,多忙感,保護者対応での疲弊,児童生徒の変化や急激な教育改革への戸惑いなどを挙げています。
夢と希望をはちきれんばかりに抱いた教職への道。「後にできる道」を振り返ることさえせずに,「目の前の道」を歩む勇気を失くしてしまった若い教師(特に新規採用教員)に,「自分の足跡の残る道」を振り向いてほしい。本書はそんな願いから生まれたものです。
本書では,直接あるいは間接的に相談を受けた77の問題について,文字を通して語り合いました。若い先生の悩み,葛藤,挫折等に対して正対することができたか,不安も残りますが,本書を手にとってくださった方の何人かでも,「教師に向かないのでは」という不安感を払拭してくださったら幸いです。
若い教師向けに書き進めましたが,書き終えてみると,各年齢層に共通する問題の多さに気づきました。「誰もが皆,同じような悩みを抱え,苦しみながらも,子どもの幸せを願ってがんばっているんだよ」。そんなエールを送りたいと思います。
最後に,本書の生みの親であり,終始温かな励ましをいただきました,明治図書の長沼啓太氏に深謝いたします。
平成21年5月30日 東京都立川市立立川第一中学校長 /嶋ア 政男
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