- まえがき
- 本書の使い方
- T 音読指導の授業パーツ
- 1 丸一〇個の音読システム
- 2 子どもの読みを上達させる追い読みの指導
- 3 変化のある繰り返しで楽しく音読する一文交代読み
- 4 音読の力を育てる一人読み、リレー読みの指導
- 5 どの子も音読が大好きになる、たけのこ読み
- 6 音読も詰めが大切、音読テスト
- 7 「雨」〜変化の繰り返しで楽しく音読〜
- U 向山型漢字指導の授業パーツ
- 【向山型漢字指導システム】
- 8 指の腹で書かせることを意識させる指書き指導
- 9 一ミリもはみ出さないなぞり書き指導
- 10 写し書き
- 11 一瞬にして確認できる空書き指導
- 12 テストのやり方
- 13 知的興奮! 漢字文化の授業
- V 向山式暗唱指導の授業パーツ
- 14 向山式暗唱指導
- 15 「小諸なる古城のほとり」の暗唱指導
- 16 暗唱指導 向山式板書消去法
- W 向山型作文指導の授業パーツ
- 【あっという間に変化する作文指導の極意】
- 17 文を長く書かせる授業(四年)
- 18 作文書き出しの授業(運動会の作文)
- 19 イラスト作文
- 20 視点変換作文
- 21 鉛筆対談作文
- 22 詩のパロディを作らせる
- 【文を書くテクニックを教える】
- 23 名詞止めの授業「恵理子は」
- 24 擬人法の指導
- 25 比喩の指導
- 26 リフレーンの指導
- 27 対句の指導
- 28 まねをして作る
- 29 対比
- 【評論文】
- 30 大人顔負けの評論文の書かせ方
- 【日記・作文】
- 31 子どもの日記・作文の返信はラブレターを書くように
- 【読書感想文指導】
- 32 具体例を挙げながら下書きをさせる
- 33 下書きを使って清書させる
- X 向山型要約指導の授業パーツ
- 34 「桃太郎」で要約を教える
- 35 段落の要約指導
- 36 全文の要約指導
- Y 向山型説明文指導の授業パーツ
- 【構造中心型の指導「花を見つける手がかり」】
- 37 問いの文を問う
- 38 答えの文を問う
- 39 問いの文に正対させる
- 【要約中心型の指導】
- 40 文章の要点となる文章を一文だけ見つけさせる
- 41 全文を三〇字以内に要約させる
- 42 トピック・センテンスを探させる
- Z 向山型分析批評の授業パーツ
- 【イメージを使ったパーツ】
- 43 「万緑の中や吾子の歯生えそむる」
- 【対役・主役を使ったパーツ】
- 44 「やまなし」(六年)
- 【目玉を使ったパーツ】
- 45 「白いぼうし」(四年)
- 46 「もちもちの木」(三年)
- 47 「春」(三年)
- 48 「ごんぎつね」(四年)
- 49 「だから わるい」(四年)
- 50 「米洗う前にほたるが二つ三つ」(六年)
- 51 「やまなし」(六年)
- 【話者と作者を使ったパーツ】
- 52 「から」(四年)
- 53 「やまなし」(六年)
- 【色を使ったパーツ】
- 54「やまなし」黄金は何を表すか
- 【対比を使ったパーツ】
- 55「やまなし」(六年)
- 【「ひょっとこ」を分析批評で授業する】
- 56 主題パーツの切り口で行う「ひょっとこ」の授業
- 57 事件パーツの切り口で行う「ひょっとこ」の授業
- 58 クライマックスパーツの切り口で行う「ひょっとこ」の授業
- 【「桃花片」を分析批評で授業する】
- 59 要約パーツの切り口で行う「桃花片」の授業
- 60 起承転結パーツの切り口で行う「桃花片」の授業
- 61 題材パーツの切り口で行う「桃花片」の授業
- 【向山型問題作り指導の授業パーツ】
- 62 子どもが問題を作る「大造じいさんとガン」(五年)
- 【文章から根拠を探す読み取りの授業パーツ】
- 63 「くま一ぴき分はねずみ百ぴき分か」(二年)
- 64 「夜のくすのき」(三年)
- 65 「だから わるい」(四年)
- 66 「わたりの不思議」(四年)
- 【短歌と俳句の授業パーツ】
- 67 「東の野に」「菜の花や」(六年)
- 68 松尾芭蕉「夏草や」(六年)
- 69 夏目漱石「某は」(四年)
- 70 石川啄木「ふるさとのなまりなつかし」(六年)
- 【最高峰の授業に挑戦】
- 71 出口の授業「やっと」と感じたのは誰か
- 72 「ふるさとの木の葉の駅」(六年)
- 73 「雪」
- 【討論の授業に挑戦】
- 74 指名なし朗読
- 75 最も違うと思うものを一つだけ選ばせる
- 76 グループでのミニ討論
- 77 指名なし討論
- [ ユースウェアを学べば効果一〇倍! TOSS教材を使った授業パーツ
- 【日本語の基礎を培う】
- 78 「五色百人一首」最初の指導
- 79 「五色百人一首」読みのテクニック
- 80 「五色百人一首」リーグ戦の仕方
- 【視写を通して国語の力をつける】
- 81 「うつしまるくん」
- 【日本語の美しさを体感させる】
- 82 「五色名句百選かるた」
- \ 向山型言語指導の授業パーツ
- 【ありったけ出させ、分類させよう】
- 83 「掛ける」
- 84 「〜見る」「〜みる」
- 【集団思考させよう】
- 85 「スイッチョ」集団思考
- 86 「ゆうべのうちに」
- 【一年生が熱中する言語指導】
- 87 文字の指導
- 88 くっつきの「を」
- 89 二学期「あるいていこう」
- 90 「五十音図」の授業(みゃ、みゅ、みょ)
- 【教室興奮の言語指導】
- 91 四字熟語を集める
- 92 「私は教室の窓から」
- 93 返信用ハガキの書き方
- 94 車偏の漢字を作らせる
- 95 辞書を作る人になったつもりで「青」「赤」「右」「女」
- 96 形容詞を作る「○○○しい」の授業
- 【答え方指導の授業パーツ】
- 97 向山型一字読解
- 98 テストの解き方基本パターン
- 【漢字パズルに挑戦】
- 99 田に×
- 100 口に二画
まえがき
向山洋一氏が開発し、提案してきた数多くの授業方法は、それをできるだけ正確にトレースしながら追試することが大切だ。そうすることで自分の力をより伸ばすことができる。
しかし、向山氏の実践はあまりに膨大で多岐にわたる。実践の全体を追試することが難しい場合も現実にはある。また、氏の発問・指示には「汎用性」の高いものも多い。「一回読んでごらんなさい。わからない字はとばしていきます。」などの読ませ方もその一つだ。これはどのような教材であっても、その場面に応じて使うことができる。
つまり、このような場合には、向山氏の実践を部分的に「カスタマイズ」して使うことも可能だ。これが本書のねらいの一つ目である。
二つ目は向山氏の実践の「検索」である。
大学院で教えるようになってから、講師として小学校の先生方の授業を観る機会が増えた。授業後や研究協議の場で、若い先生から、たとえば次のような質問を受けることが多くなった。
「国語の授業の進め方が分かりません。」
「一時間の組み立てをどのようにしたらいいのでしょうか。」
確かに若い先生方にとっては、国語の授業を組み立てるのは難しいだろう。物語文や説明文、伝統的な言語文化の学習等、様々な指導があり、一つのパターンでできるものではない。
このような質問を受けた時、子どもたちが熱中するような向山型国語の実践を紹介したいとは思う。
しかし、「向山型国語」と一言で言っても、やはりその内容は膨大である。
今まで出版された向山氏の書籍は一〇〇冊を優に超えている。原実践を探すだけでも一苦労だ。実物資料集などのように、手に入りにくい書籍もある。
「向山型国語」のスキルを分解し、一冊にまとめてあれば便利に違いない。
そこで、向山実践を一〇〇のパーツに分け、九つのカテゴリーに分類した。各授業パーツには詳しく解説を入れた。明日からの授業に役立つものばかりである。
さらに実践を追試するだけではなく、四五分間の授業として授業パーツを組み合わせ、自分でカスタマイズできるようにしてある。
若い先生方が国語の授業を考えるとき、この本の向山型スキルを学び、楽しみながら授業をカスタマイズし、教室での授業に役立てていただければ幸いである。
本書のもともとの着想は明治図書の樋口雅子編集長である。アイデアをご提案いただき、様々にご教示をいただきながらこの形になった。改めて感謝申し上げたい。ありがとうございました。
二〇一一年五月一五日 /谷 和樹
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- 明治図書
- 向山国語について、ジャンルごとにまとめてある点がわかりやすく、とても良い。若手はとりあえず一つずつ試してみると勉強になる。2020/2/23カッキー