- まえがき
- 第T章 「キー発問」とは〜生徒の学習活動を活性化させる発問づくり〜
- 1.社会科授業のねらいとキー発問
- 2.発問の内容の吟味
- 3.発問を支える学習方法
- 4.発問の評価活動
- 5.本書のキー発問の示し方
- 第U章 地理的分野 これだけははずせない「キー発問」アイディア
- 1 <世界の様々な地域(世界のすがた)>
- 2つの州にまたがって位置する国がありますが,どこでしょうか?
- 2 <ヨーロッパ州>
- EUはなぜできたのか,話し合ってみよう
- 3 <アフリカ州>
- アフリカ各国は,日本にどんな援助を求めているのでしょうか?
- 4 <北アメリカ州>
- 自分たちの身の回りの品で,アメリカで始まったものはどんなものがあるか,あげてみよう
- 5 <世界から見た日本のすがた>
- 中央アルプスが列島の形にそっていないのは,なぜでしょうか?
- 6 <世界から見た日本の資源・エネルギーと産業>
- 通信販売の住所って,地方が多いのは,どうしてでしょう?
- 7 <近畿地方>
- 京都のファーストフード店やコンビニが,他の地方の店舗と様子がちがうのはなぜでしょうか?
- 8 <関東地方>
- 関東地方では,なぜ霜柱が大きく育つのでしょうか?
- 9 <東北地方>
- 東北地方では,食事に漬物が多く出るのはなぜでしょうか?
- 10 <北海道地方>
- 北海道で,オーストラリア人に多く会ったというのは,どういうわけでしょうか?
- 11 <身近な地域>
- 地形図を見て,レジャーランドをどこにつくるか考えましょう。また,なぜそこにつくったのかを説明しましょう
- 第V章 歴史的分野 これだけははずせない「キー発問」アイディア
- 1 <古代までの日本の文明のおこりと日本の成り立ち>
- 勾玉の穴は,どうやってつくったのでしょうか?
- 2 <古代国家の歩みと東アジア世界>
- 鑑真はなぜ困難を越えて,日本に渡ろうとしたのでしょうか?
- 3 <武士の台頭と鎌倉幕府>
- 御家人は,政子の言葉のどこに感動したのでしょうか?
- 4 <東アジア世界とのかかわりと社会の変動>
- なぜモンゴルは,3度目の襲来を行わなかったのでしょうか?
- 5 <ヨーロッパ人との出会いと全国統一>
- 秀吉は,なぜ刀狩を実施したのでしょうか?
- 6 <江戸幕府の成立と鎖国>
- 沖縄では昆布は取れないのに,なぜ消費量日本一なのでしょうか?
- 7 <産業の発達と幕府政治の動き>
- 諸藩の中で,改革に成功した藩の共通点とは何でしょうか?
- 8 <欧米の進出と日本の開国>
- 大政奉還の後に,なぜ戊辰戦争が起きたのでしょうか?
- 9 <明治維新>
- 初めての選挙の様子の絵で,この人たちは何をしているのでしょうか?
- 10 <日清・日露戦争と近代産業>
- 日本の義務教育の就学率が伸びたのは,なぜでしょうか?
- 11 <第一次世界大戦と日本>
- 大正時代の三大洋食とは何でしょうか?
- 12 <世界恐慌と日本の中国侵略>
- ムッソリーニとヒトラーとでは,どちらが先輩?
- 13 <第二次世界大戦と日本>
- 千人針とは,何でしょうか?
- 14 <戦後日本の発展と国際社会>
- 教科書に墨を塗ることを子どもたちはどう思ったのか,話し合ってみよう
- 第W章 公民的分野 これだけははずせない「キー発問」アイディア
- 1 <生活と文化>
- 外国人の習慣で,びっくりしたこと?
- 2 <人権と日本国憲法>
- 自衛隊は,違憲? 合憲?
- 3 <人権と共生社会>
- 逮捕すると言われたら……
- 4 <現代の民主政治>
- 世論はどのようにつくられていくか?
- 5 <政治のしくみ>
- あなたは,裁判員になりますか?
- 6 <生産と労働>
- スト権のない労働者って,いるの?
- 7 <価格の働きと金融>
- もし,貨幣が存在しなかったら,どうなるの?
- 8 <国民生活と福祉>
- インフレの時は,公共事業は増えるの,減るの?
- 9 <国際社会>
- 悪魔の兵器,地雷?
まえがき
授業を参観する機会は非常に多い。しかし,生徒たちが生き生き活動し,考えを深め,感動する授業というと,なかなかないものである。参観して感じることは,教師の説明が長く,生徒の活動が少なく,考える場面はあまりない。授業内容は,試験に出るか出ないかが基準となっていて,社会科本来の目標や内容はどうなったのか,これでは,「社会科は暗記である。」と言われても仕方ないなと思う場面が多いということである。
生徒が主体と言っても,学校の授業は,教師の主導で動いている。教師の問いかけ1つで,教室の中が活気づき,生徒が動き,考える始めるということは,教師なら経験しているところである。発問を考えることは,授業の基本であり,根幹を支えるものである。発問が目標や内容に鋭く迫るものなら,生徒は活動や思案を通して,社会科の目標や内容をしっかり習得できるはずである。それには,考える内容が必要である。それを促すのが教師の発問である。よって教師の役割は,生徒が考えたくなるような発問を練ることが重要となり,それが生徒が考えることにつながる。教育機器の開発が盛んな昨今であればこそ,発問を吟味して,授業改善を図りたいものである。
生徒の意識も上げることが大切である。私は生徒にも「考える社会科」とは,よく言ってきた。教室に,「考えるとは」というポスターをはり,考えの深まりを意識させてきた。答え方を指導することにより,生徒の考えも深化するのである。最初はハイ,イイエから始まり,単語による回答,そして他に考えが広がり,関連も意識でき,自分のまとまった考えへと昇華していく。また「学校はまちがえるところだ」とのポスターを掲示し,考えることに対して,何でも言える雰囲気づくりも大切である。
考えるとは(教室のポスター)
@直答(オウム返し)
↓
A単純(単発)
↓
B複雑(複数)
↓
C関連(順序,大小)
↓
D自分の考え
/平田 博嗣
-
- 明治図書
- 学習課題が沢山記載されていてよい2021/2/2530代・中学校教員