中学校担任版 学級づくりの基本話材集
―学級通信にも使える活用の手引―

中学校担任版 学級づくりの基本話材集―学級通信にも使える活用の手引―

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一言の言葉かけが生徒を育てる。この事実に即した話材集。

生徒の心をつかみひきつける中学校の学級担任のためのとっておき話材集。このプロパーのリーダーが勉強会の先生方とともにえりすぐった珠玉集。学級通信にも活用できるすぐれもの。若手教師には特におすすめの1冊。


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ISBN:
978-4-18-048517-8
ジャンル:
学級経営
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
A5判 104頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T章 学級づくりと話材「学級担任の話」をどうとらえるか
1 学級担任の話による指導の意義
2 学級担任の話のポイント
U章 学級づくりの基本話材とその活用
§1 学級の基盤づくりに役立つ話材
1 学級の出発に当たって【夢・希望】
2 学級とは何か【協力・協同】
3 君はこの1年でどう変わりたいか【向上心】
4 「時を守り,場を清め,礼を正す」とは【基本的生活習慣】
5 挨拶は心の扉を開ける【礼儀】
6 給食を大切にしよう【基本的生活習慣】
7 朝食は1日を支える【生活習慣】
8 どうして当番活動が大切なのか【集団と役割・責任感】
9 係活動でクラスに彩りと潤いを【創意工夫】
10 生徒会は学校をつくる【協力・協同】
11 学ぶことの意義【向上心】
12 テスト前にやるべきこと【向上心】
13 学級の中にまだ話をしていない人はいませんか【友愛】
14 自分の決めたことをやり抜く大切さ【強い意志】
15 先人の生き方に学ぶ【生き方】
§2 学級の問題や課題の解決に役立つ話材
1 掃除当番に真剣に取り組んでいますか【勤労・社会貢献】
2 身だしなみを整えよう【公共心】
3 授業態度を見直してみんなで伸びよう【集団生活の向上】
4 校則を守ることの意味【遵法・秩序・規律】
5 いじめを許さない心をもとう【公正・公平】
6 ノーマライゼーションとは何か知っていますか【公正・公平】
7 大切な男女の協力【男女の協力と理解】
8 他人の悲しみに寄り添ってみよう【思いやり】
9 正義とは何か【正義感】
10 青少年の非行問題を考えよう【遵法】
11 危険は身のまわりにある【危機管理】
12 喧嘩をしたらどうすべきか【自省】
13 失敗を恐れない【挑戦】
14 学級の成長を振り返る【友愛・信頼】
15 先人の生き方に学ぶ【生き方】
§3 学級の充実や向上に役立つ話材
1 大きな行事にどう取り組むか【集団生活の向上】
2 オンリーワンとナンバーワン【集団生活の向上】
3 自分を高め,学級を高める【集団生活の向上
4 ボランティア活動への挑戦【奉仕の精神】
5 地域の方から学ぶ【奉仕の精神】
6 人は何のために働くのか【生き方・やりがい】
7 夢を語ろう【夢・希望】
8 人の命の重さ【生命尊重】
9 おかげさまの心で生きる【感謝】
10 親の気持ち【家族愛】
11 学級でエコロジーに取り組もう【環境保護】
12 今年1年を振り返る【反省と向上】
13 上級生になるということの意味【向上心・責任感】
14 胸を張って卒業しよう【立志】
15 先人の生き方に学ぶ【生き方】

まえがき

 新任教師が女子生徒の1学期の通知票の所見欄に「何も言うことなし」と書いた。卒業式の前日,中学校最後の通知票を手渡された時,その女子生徒は担任教師に言った。

 「1学期の通知票に『何も言うことなし』と書かれていてとても悲しくて辛かったです」

 担任教師は真っ青になった。学級委員として自分の力を学級のために最大限発揮していたとても素晴らしい生徒で,学習成績も立派であった。非の打ちどころがないくらい素晴らしいという意味で「何も言うことなし」と書いたのであった。しかし,どう考えてもこの所見は担任教師の意図していることが正確に伝わる表記でないことは明らかである。

 二十歳になった卒業生の同窓会に呼ばれた担任教師が,大学生になった生徒から言われた。

 「中3の時,自分自身が嫌で,嫌で,悩み,苦しんでいた時,先生からポンと肩をたたかれて『おい,のんびり行けよ』と言われて,一気に吹っ切れて高校入試に取り組むことができるようになりました。ありがとうございました」

 正直言って,担任教師はそのことを覚えていなかった。ただ,生徒一人一人に常に目を向け,気を向け,声をかけるように心がけていたことは確かであった。

 今,言語環境の整備や言語能力の育成が重視されている。言語は全ての学習活動の基盤であり,生きる力の育成には言語能力の育成が不可欠であるからである。学級担任の一言,一言は生徒の成長に大きな影響を与える。学級担任の不用意な言葉が生徒を苦しめることもあれば,学級担任の人間性から発せられたたった一言が生徒を生かすこともある。

 朝の会,給食の時間,帰りの会などの短い時間での学級担任の指導は,道徳の時間や学級活動などの教育課程に位置付けられた学習活動に勝るとも劣らない重要な意義や価値をもっている。豊かな人間性に基づいた使命感や教育信念をもって,日常的な時間に指導をしてくれる先生をもった生徒は幸せである。学級担任として豊かな感性や幅広い教養をもって,学級担任の話で生徒の指導に当たりたいものである。

 本書は,学級づくりのプロセスと学校歴に基づいて予想される課題や問題を設定し,朝の会や給食の時間,帰りの会などで学級担任の話を中心とした指導に役立つ話材を取り上げた。話材はあくまでも例示であるので,読者の教育観や指導観で適切な話材を検索していただきたい。

 結びにあたり,本書刊行の趣旨にご理解をいただき,公務多忙な中,豊かな実践経験を提供いただいた執筆者の先生方,刊行に際してご尽力を賜った明治図書出版株式会社の斉藤三津男氏をはじめ,編集部の皆様に心から感謝を申し上げる。


  平成24年7月   編者 /桑原 憲一・熊谷 茂樹

著者紹介

桑原 憲一(くわはら けんいち)著書を検索»

東京学芸大学・獨協大学講師

熊谷 茂樹(くまがい しげき)著書を検索»

埼玉県川口市立安行東中学校長

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書

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