- 推薦のことば
- まえがき
- 本書の構成と使い方
- 第1章 ソーシャルスキルを子どもに教えるには
- 第2章 ソーシャルスキルワーク&指導と解説
- 1 ワーク ゲームで負けた 【指導と解説】
- 2 ワーク ゲームで負けそうだ 【指導と解説】
- コラム 勝ち負けのこだわりが強い子に…
- 補充シート 誓約書/ふりかえり
- 3 ワーク ゲームで勝った 【指導と解説】
- 4 ワーク 友だちが失敗して負けた 【指導と解説】
- 5 ワーク 自分ばかりやって,交代しない 【指導と解説】
- コラム 自分が我慢すれば,うまくいく?
- 6 ワーク 他の人があてられたのに,自分が答えを言ってしまう 【指導と解説】
- 7 ワーク 話したいことがあるのに,友だちはちがう話をしている 【指導と解説】
- 8 ワーク 友だちのことを「こんなことも知らないのか」と思った 【指導と解説】
- 9 ワーク 「まちがっているよ」と言われた 【指導と解説】
- 10 ワーク 友だちが約束の時間におくれてきた 【指導と解説】
- 11 ワーク 約束の時間におくれた 【指導と解説】
- 12 ワーク 自分の物が見つからない 【指導と解説】
- 13 ワーク ほしくない物をもらった 【指導と解説】
- 補充シート たん生日プレゼントを考えよう/考えてみよう! この人にはどのプレゼント?
- 14 ワーク 物をかりたい 【指導と解説】
- コラム 貸してもらえないことが受け入れられない
- 15 ワーク 「かして」と言われた 【指導と解説】
- コラム 何も答えず黙っていると…
- 16 ワーク うっかり人の物をこわしてしまった 【指導と解説】
- 17 ワーク かした物をよごされた 【指導と解説】
- 18 ワーク 仲間に入れてほしい 【指導と解説】
- 19 ワーク みんなで遊んでいるとちゅうでやめたくなった 【指導と解説】
- 20 ワーク 何かしているときに,友だちにさそわれた 【指導と解説】
- 21 ワーク 友だちとしたい遊びがちがう 【指導と解説】
- 22 ワーク しかられている人がいる 【指導と解説】
- コラム 誰かが叱られている!
- 23 ワーク いやなことを言われた 【指導と解説】
- コラム 苦手な子も参加できる工夫を
- 24 ワーク ふざけていたのに,ついついやりすぎてしまった 【指導と解説】
- コラム 夢中になると周りが見えなくなる
- 25 ワーク してはいけないことにさそわれた 【指導と解説】
- 友だち関係に役立つルール集:博士のワンポイントアドバイス
推薦のことば
平成19年から全国一斉に小学校,中学校を中心に特別支援教育がスタートしました。特別支援教育では,まず通常の学級の中で担任が一人ひとりの教育ニーズをしっかり捉え,そのニーズに合った指導をしっかり実践していくことが要求されています。さらに「どこでつまずいているのか」の観点が持てるセンシティビティの高い教師が求められています。
発達障害の児童・生徒は,一見わがまま,自分勝手,人の言うことを聞かない集団を乱す子,泣き出したら止まらない子,何でも一番でないと気がすまないなどなど保育所,幼稚園時代からトラブルメーカーと呼ばれ,小学校に入る頃には母親が孤立していくケースが多く見られます。ここ30年の研究から発達障害の原因は「父母の子育て」ではなく未成熟な脳の働きを含めた大脳機能の障害が関係していることがわかってきました。今まで加害者扱いされてきた母親にとっては,ほっとする瞬間ではありますが,これからどうすればいいのかという難題が残ってしまいました。
神戸YMCAのサポートクラスでは,1994年よりLDを中心とした発達障害の児童・生徒に対する特別プログラムを毎週行ってきました。100年の歴史のあるYMCAが元来得意としている子どもたちとリーダーと一緒に行う野外活動,その中には集団でルール,規律を守りながら行うサマーキャンプ,土曜日の集団プログラム,絵画教室,体操教室,プールなどがソーシャルスキルの基礎を学ぶ場所となりました。
神戸YMCAのサポートクラスは,特別支援教育士,特別支援教育士スーパーバイザーの資格を持つ先生方が中心で運営されており,専門性の高い子どものニーズに寄り添った指導が可能な場所となっています。
今回の発達障害のある生徒へのソーシャルスキルのワークブックは,20年の経験から蓄積してきたソーシャルスキルのノウハウを一冊の本にしたものです。自分の気持ちをことばにするというコミュニケーションが苦手な子どもたちにとって,目に見える実体験のロールプレイング,グループでの意見交換で「どんな気持ち?」をことばで表し,「どうすればいい?」を見通しのある具体的な形で理解していきます。見通しを立てることが苦手な彼らにとってこのワークブックは,「自立していくためのサバイバルガイド」です。
発達障害の子どもたちは,「一を言って十を悟る」はありません。すべて手取り足取り具体的に教えます。神戸YMCAで生まれたこのノウハウが,これからの特別支援教育現場のバイブルとなることを期待します。
一般財団法人 特別支援教育士資格認定協会理事長
大阪医科大学LDセンター顧問 /竹田 契一
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- 明治図書
- これまでにあまりない内容で、興味深かった。実際に使ってみたい。2021/9/540代・中学校教諭
- とても分かりやすく参考になった。2019/8/1740代・中学校教員