- はじめに
- 第1章 「気づき」から始める支援
- 1.気になる子どもたちの行動
- 2.“困った子ども”から“困っている子ども”への見方の転換
- 3.気になる行動はなぜ起こるのか?
- 4.行動を具体的に記録する
- 5.行動の3分割で行動の意味を知る
- 6.環境を整えることで正しい行動を促す(きっかけづくり)
- 7.ほめて伸ばす(成功体験)
- 8.指導の計画をつくる
- 9.個別のかかわりをすべての子どもへと広げる
- 10.子どもたちがともに学びともに育つために
- 第2章 「気づき」のための基礎知識
- 1.視覚について
- 2.聴覚について
- 3.運動・動作面について(粗大運動・微細運動)
- 4.理解力や見通しについて
- 5.言葉について(かん黙,吃音)
- 6.自閉症・発達障がいについて
- 7.障がいとは(ICFの考え方)
- 第3章 「気づき」から始める支援の実際
- 1.登園
- 2.遊び
- 3.制作
- 4.行事
- 5.引き継ぎ
- 第4章 支援を広げる
- 1.個に応じた指導を可能にする集団づくり
- 2.ユニバーサルデザイン保育・教育
- 3.ともに学びともに育つために
- おわりに
はじめに
保育所や幼稚園を巡回させていただいていると,多くの困っている子どもたちの存在に気づかされます。先生や保育士の指示に従わず,勝手な振る舞いをしている子ども,絵本の読み聞かせに耳をふさぎ,うずくまっている子ども,教室になかなか入れない子どもなど,数え上げればきりがありません。
これらは「ボク(ワタシ)は困っているんだ!」という,子どもの内なる声です。このサインにどう答えるかがポイントです。
このとき,「子どもの努力が足りない」「子どもが言うことを聞かないのは親のしつけがなっていないから」など,誰かを責めるという罠にはまっていないでしょうか? また,「私のせいでクラスがうまくまとまらない」「私は子どもに嫌われている」など,自分を責めていませんか?
誰かを責めても何も得るものはありません。保育がうまくいかなくても,それは誰のせいでもありません。そのようなときにこそ冷静に子どもの様子を観察し,記録を取り,その記録を基に科学的に支援の方法を考えるべきです。安易に「○○障がいは落ち着きがないから」とラベリングすることや,「偉い人が言っているから」といった根拠のない支援方法で大切な幼児期をむだにしてはいけません。
ただ,「科学的に」と言っても,決して難しいものではありません。誰もがわかりやすく,簡単に支援できることこそが「科学」なのです。誰も責めない科学的な視点で子どもを支援していきましょう。
本書では,幼稚園や保育所の指導者が備えておきたい知識や支援方法を具体的に紹介しています。本書を基に「困った子」から「困っている子」へ視点を変え,科学的な根拠に基づいた支援を考えていただく一助となれば幸いです。
平成24年9月 編著者 /伊丹 昌一
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- 明治図書