- はじめに
- T 四月、担当学年が決まったら、すぐにやりたい(チェックリスト付き)
- 1 前学年・前の小学校からの引き継ぎ
- 2 各クラスの生徒の名前を覚える〜名前を覚えるウラ技〜
- 3 一学期分の教材研究を〜授業に型をもたせることで安定する〜
- 4 一年分の学校行事を確認し、分担を決める
- 5 クラス・学年のルールの徹底を目指す
- U 連絡は短く! HRのもち方
- 1 連絡する内容を限定する
- 2 長い話を生徒は聞かない
- 3 貴重品の集め方
- V 休憩時間は、生徒を知る絶好の機会
- 1 休憩時間は、教師の休む時間ではない
- 2 授業開始三分前には教室に入り、環境を整える
- 3 気になる子の机の上をチェックする
- W 全員で準備!! 給食の指導
- 1 給食指導をシステム化する
- 2 他のクラスよりも早く「いただきます」ができる!〜配膳システム〜
- 3 全員の原則! 嫌いな食べ物への対応術〜残し方のシステム〜
- 4 教師が仕切る!!〜おかわりのシステム〜
- 5 食べた後もきれいに!〜片付けシステム〜
- X 中学生が熱中する掃除のさせ方
- 1 掃除指導をシステム化
- 2 わずか七分で終了!!〜教室掃除のシステム〜
- 3 汗だくでも満足!!〜廊下掃除のシステム〜
- 4 隅から隅までピッカピカ〜流し掃除のシステム〜
- 5 教師も掃除することで、生徒のお手本となる
- Y 期限までにそろう提出物の集め方・準備物のそろえ方
- 1 教師が来るまで、出しちゃダメ!!〜集金の集め方〜
- 2 三日前から手を打つ!!〜書類などの集め方〜
- 3 保護者にも協力を!!〜準備物のそろえ方〜
- Z ミスを減らし、テストの採点を早くするウラ技
- 1 パーツで丸つけ
- 2 点数の集計は、一番最後に
- [ いじめへの対応術
- 1 早急に作成!!〜いじめ対応システム〜
- 2 早期発見がカギ!!〜いじめを見抜くアンケート〜
- 3 即日に対応!!〜いじめが起きてしまったら……〜
- \ 特別支援の生徒への対応術
- 1 発達障がいを知ることから、すべてが始まる
- 2 中学生にも有効! セロトニン5
- 3 急増! 二次障がいへの対応術
- ] 保護者への対応術
- 1 笑顔で帰ってもらおう!〜懇談会のもち方〜
- 2 すぐ対応!〜クレームにあわないように〜
- 3 複数で対応するのが基本
- XI 全校集会での心得
- 1 静かにしなさいと言わなくても、静かにさせる方法
- 2 話す内容を限定すること
- 3 生徒とのやりとりを楽しむ
- 4 担任は、どこに立つべきか
- XII 長い会議とは、おさらば!!
- 1 会議資料を配布するのは、いつか
- 2 会議の始まりは、終わりの時間を設定することから始める
- 3 提案者は、文章のポイントのみを説明
- 4 司会者は、時間を守るという気概をもつこと
- おわりに
はじめに
小学校から中学校に異動になり、実感したことがシステムのなさだった。給食のシステム、掃除のシステムがないために、生徒が動きにくかった。そして、教師が生徒を注意するという悪循環が生まれていた。また、係や当番はあるが、その詳細な役割が決まっていないために、生徒がなかなか動かないという現状もあった。例えば、一班が配膳(給食)係であるということは決まっている。しかし、誰がご飯をするか、おかずをするか、汁ものをするかなどは決まっていない。生徒が勝手に決めていた。まず、この段階でもめ事が起こる可能性がある。「僕は、おかずがしたい。だから、おかずがいい」と言いはる子もいるだろう。この時点で給食の準備が、二分は遅くなる。私のクラスでは、配膳係一人ひとりの役割が決まっている。そうすることで、七分で給食準備完了という驚異の数字を平均的に出すことができている。
小学校に勤務していたときに、教えていただいた方法が、中学校でも利用できないかと思い、実践してきた。結果は、一目瞭然だった。隣のクラスは、まだ給食の準備をしている最中に、「いただきます」ができたのだ。これが、一年間続いた。小学校教師だったから身に付けられた方法を、ぜひ中学校の先生方にも活用していただきたいと思い、この本を書いた。
中学校の先生だけでなく、小学校の先生にも、参考になる方法を集めた。ぜひ、多くの先生に読んでいただけたらと思う。
二〇一二年六月 /福井 慎
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- 明治図書