- 発刊によせて /飯口 進
- 子どもの内発的な力を伸ばす児童文化手法 /瀬川 榮志
- 40周年おめでとうございます /古宇田 亮順
- 第1章 なぜ児童文化手法が必要か
- 1.児童文化とは
- 2.児童文化手法とは
- 3.学校での児童文化活動
- 4.これからの教育と児童文化
- 5.総合的学習へのアプローチ
- 6.児童文化手法と児童文化活動
- 7.児童文化手法をより生かすには
- 8.なぜ今児童文化なのか
- 第2章 総合的学習と児童文化
- 1.総合的学習の時間における演劇的表現活動
- 2.環境教育と児童文化 ―“ゴ・ミーゴ”山のゴミ拾いから劇作り
- 1 はじめに
- 2 生きる力とは
- 3 環境教育としての取り組み
- 4 情報発信としての劇の創作
- 5 その後
- 3.国際理解教育と児童文化
- 1 国際理解教育と児童文化手法
- 2 学習のねらい
- 3 実践のポイント
- 4 学習活動の展開
- 5 まとめ
- 4.人間関係つくりと児童文化 ―知っている歌から劇を作ろう
- 1 劇の作り方
- 2 劇作りの例
- 5.子どもと創る音楽劇(ミュージカル)
- 1 ねがい
- 2 学習の流れ
- 6.子どもと創るビデオドラマ
- 1 劇活動の意義
- 2 学習の流れ
- 7.教科との関連・統合を図る総合的学習 ―豊かな表現力と創造性を育む劇活動
- 1 先ずは実践を
- 2 だれでも手軽に取り組めるように
- 3 劇活動の良さ
- 8.地域との連携と児童文化 ―なぜ,地域の児童文化団体との触れ合い授業を行うのか
- 第3章 総合的学習につながる児童文化手法
- カタカナあそび
- 1年・国語・ことばあそび
- 「ことばであそぼう」
- 2年・国語・ことば遊び
- 朗読劇をしよう「ガオーッ」
- 4年・国語・朗読劇
- 朗読発表会をしよう「ある夜の物語」
- 5年・国語・朗読・朗読劇
- 世界の中の日本「日本と深く結びつく国々と人々のくらし」
- 6年・社会・ゲーム・動作化
- どんなけいさんになるのかな
- 1年・算数・パネルシアター
- かけ算九九のひょう
- 2年・算数・劇ごっこ
- 土地のつくり
- 6年・理科・パネルシアター
- 学習発表会
- 1・2年・生活・げきあそび
- いえでもがんばるぞ
- 1・2年・生活・パネルシアター
- 模倣の運動「まねっこ遊び」
- 1年・体育・ダンス・身体表現
- 表現運動〜イメージダンス〜
- 4年・体育・ダンス
- 表現運動「火山」
- 5年・体育・表現
- 「雪渡り」(お話の絵)
- 3年・図画工作・素話
- ダンスパーティーをしよう
- 3年・特活・ダンス
- 「もっともっとなかよくなろう」
- 3年・特活・ゲーム
- 「みんなでジェスチャー遊びを楽しもう」
- 4年・特活・劇あそび
- 即興劇をしよう
- 6年・特活・劇活動
- 第4章 総合的学習に役立つ児童文化手法と活動
- ザル人形
- 即興劇
- 状況を設定した即興劇(低学年)
- 状況を設定した即興劇(中・高学年)
- ゲーム 笑顔で作るさわやか学級
- クイズカルタ
- 穴あき図書館
- 語り聞かせ
- 語り聞かせ・お話づくりのためのマニュアルQ&A
- 〔話材・保健指導等のお話例〕バイキンがとんできました
- 〔話材・読書指導等のお話例〕アゲハチョウ
- ダンス リズムにのって
- 「さんぽ」
- 組体操「楽しかった移動教室」
- パネルシアター
- あれあれ なんだろう
- 手を洗おう
- キャンプファイヤー
- 学芸会運営の工夫
- 編集・執筆関係者一覧
発刊によせて
東京都小学校児童文化研究会会長 /飯口 進
東京都小学校児童文化研究会は今年で創立40周年を迎えました。これを記念して明治図書より『児童文化手法で総合的学習を創る』のタイトルで出版させていただきました。誠に喜ばしく光栄に思います。
本会は昭和35年の創立以来,一貫して児童文化手法・活動の研究を進めてまいりました。子どもの心に躍動をもたらし,瑞々しい感性や豊かな表現力を育てることが児童文化研究の目的でありますが,それらを育成するための教師の支援の在り方を児童文化手法・活動と呼んでいます。児童文化手法・活動には学校劇,人形劇,影絵,腹話術,絵本,童話,紙芝居,ゲーム,ダンス,舞踊,童謡,パネルシアター,エプロンシアターなど多様にありますが,本会においては,特に学校劇,童話,ゲーム,ダンス,パネルシアターに絞り,実践と研究を深めてまいりました。これらの手法・活動を日々の授業や校外活動に用い,子どもの学習への支援活動としてまいりました。その結果は言うまでもなく,子どもたちの学習への興味や意欲を駆り立て,意欲的な学習,活動態度を育成し,豊かな心の醸成に大変重要な役割を果たすものと確信するに至っております。そこで,今までの本会での実践や研究の中からいくつかの事例をもとにまとめ著してみました。一人でも多くの方に活用していただき,児童文化手法・活動を共有していただけたら幸いに思います。
また,これらの事例は総合的学習の展開にとって大変有効であることから,改めて総合的学習の視点でまとめることにしました。言うまでもなく総合的学習の時間は,「自ら学び自ら考える力など生きる力を育む」ための時間であり,子ども一人一人の主体的な姿を育成していくことにあります。子どもの側に立ってみると,学習における自由性や活動性,主体性,自己実現性,共に学ぶ楽しさや充実感を保障されることにあります。学習の場面場面に応じて子どもが児童文化手法を表現形態として用い,また教師とそれを共有したとき,まさに子どもの側に立った学習が展開されるものと思います。生き生きとした学習がなされ,自ら学び自ら考え,生きる力を育むことに直結していくものと考えます。ご活用願えれば幸いです。
更に,本会においては,「いつでも,どこでも,だれとでも児童文化」との合い言葉で実践・研究を進めてまいりました。つまり,児童文化手法は単に一つの手法に長けた専門家のものではなく又,時間や場面を限定したものでもなく,人を限定したものではないということです。気楽に楽しく,笑顔の浮かぶ児童文化の活用を求めております。その意味からも,今回の出版に際しては,理論や理屈をできるだけ避け,読者の皆様にとって気楽に楽しく,笑顔が浮かぶようにイラストを多く用いました。
最後になりましたが,この本を出版するに当たり,瀬川榮志先生,古宇田亮順先生,明治図書の江部満様には大変お世話になりました。厚く感謝申し上げます。
-
- 明治図書