- はじめに
- 第1章 わたしたちの考える総合的学習
- 1 一人一課題の総合的学習
- 2 総合的学習が学校をかえる
- 3 日課表改善の視点と内容
- 4 地域とともに
- 第2章 総合的学習のプラン
- 第1学年 生活科の実践 ゴー・ゴー・ゴー!
- ねらい/ 子どもたちのすがた/ 支援者のねがい/ 育てたい力/ 学習方法 支援/ 活動計画/ 活動の実際
- 第2学年 生活科の実践 レッツゴー! どれみ隊
- 第3学年 総合的学習の実践 チャレンジ
- 第4学年 総合的学習の実践 物部川探検隊
- 第5学年 総合的学習の実践 自分と人と
- 第6学年 総合的学習の実践 自分らしく
- ◆かわる学校行事・特別活動
- 第3章 かわる学校行事・特別活動
- 社会見学や修学旅行の工夫
- レッツゴー広島 修学旅行
- 異学年を意図的につくる
- 校区をピカピカに(福祉委員会) 委員会活動
- 宿泊学習in室戸(10月) 宿泊学習
- 発想を形に
- ◆こどもエコクラブ
- 第4章 こどもエコクラブ
- ◆かわる教科・領域の学習
- 第5章 かわる教科・領域の学習
- 第3学年 社会科 むかしを調べる
- 第6学年 理科 土地のつくり
- 第6学年 道徳 遊園地ができる環境を大切に
- 第6章 本当に子どもがかわったの
- 1 自分で課題を見つけられるか
- 2 「自ら学ぶ,自ら考える」ことができるか
- 3 主体的に判断し行動できるか
- 4 よりよく問題を解決できるか
- 5 自らを律しつつ他人と協調することができるか
- 6 思いやる心や感動する心をもてるか
- 研究・実践スタッフ
はじめに
四国山地を下ってきた物部川が広々とした香長平野に流れ込む辺り,緑豊かな田園を一望する高台に楠目小学校は位置している。南国の明るい光,豊かな自然……特色ある農業,産業,歴史,文化,生活……これらを築き,守り,発展させてきた地域の人々……225人の子どもたちは,地域や地域の人々とのたくさんの出会いをし,かかわりを深めながら,生き生きと学習や活動を繰り広げている。私たちが求めてきた「人や環境を大切にする子ども」「主体的にものごとに取り組む子ども」の姿が見られるようになってきたことをうれしく思っているこのごろである。
本校の研究は,平成6年度からの理科,生活科の研究を土台に,平成8・9年度高知県「環境教育推進校」,平成9・10年度文部省「豊かな心を育む教育実践研究協力校」,平成11・12年度高知県「総合的な学習研究指定校」として取り組んできたものである。
平成8年7月,中央教育審議会の第1次答申で「ゆとりの中で生きる力を育んでいくことが大切である」という提言がなされたが,これは,理科,生活科,環境教育の研究過程で私たちが今後の課題としていたまさにそのことだった。特に,同答申で「生きる力」について,
○ いかに社会が変化しようと,自分で課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力
○ 自らを律しつつ,他人とともに協調し,他人を思いやる心や感動する心など,豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力
が重要な要素だとあげられており,本校の教育にはっきりとした方向性を示してくれた。
答申以後,本校では,この「生きる力」を求めて,研究主題を「豊かな心をもち,主体的に生きる子どもをめざして 〜自ら考え,適切に判断し,実践できる子どもに〜」とし,研究を進めてきた。私たちが研究の柱とした3つの内容,「一人一人が輝く総合的学習『かんきょう』」「基礎基本が身に付く教科,領域等の学習」「子どもが創る学校生活」は学校教育全般にかかわるものであり,本校の研究実践は,結局,教育改革そのものとなった。
「子どもたちの豊かな心や主体性の育ちを何よりも大切にしよう。子どもたちなりの学習や活動の過程を大切にし,ともに楽しみながら支援しよう。」この共通認識に立って,教育活動を根本から見直し,授業やこれまでの取り組みを改善していく営みは教職員の意識改革そのものであり,日々,試行錯誤の連続だった。総合的学習「かんきょう」,教科,領域等の学習,学校生活全体の中で子どもたちの興味・関心に基づく様々な学習や活動を次々と試行しながら積み上げてきた。この研究を通して,私たちが求めてきた子どもたちの姿が見られるようになったことをたいへんうれしく思っている。
平成13年2月
鳴門教育大学助教授 /香西 武
高知県土佐山田町立楠目小学校長 /時久 恵子
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- 明治図書