- はじめに /瀬川 榮志
- 「学び方技能が育つ『総合的な学習』ワーク」の特長
- 「学び方技能が育つ『総合的な学習』ワーク」の使い方
- 「総合的な学習」における5・6年生の主な活動
- ▼「学び方技能が育つ『総合的な学習』ワーク」
- 1 課題をさがそう
- ○総合的な学習では,こんなことをします
- ○真由ちゃんの総合学習日記
- ★課題をさがそう
- ・イメージマップをかいてみよう
- ・不思議だな,調べてみたいなと思うことをさがしてみよう
- ・課題をさがそう
- ○課題を決めよう
- ○学習計画を立てよう
- ○活動カード
- ○ふりかえりカード
- 2 情報を集めよう
- ○情報を集めよう
- ○調べ学習の心得トラの巻
- ★情報の集め方
- ・電話をかけよう
- ・手紙を出して,資料を送ってもらおう
- ・電子メールを送ってみよう
- ・ファックスを送ろう
- ・インタビューをしよう
- ・アンケートをしよう!
- ・本で調べよう
- ・インターネットで調べよう
- ・インターネット・アドレス集
- 3 まとめたことを発表しよう
- ○こんな発表のしかたがあるよ
- ★発表のしかた
- ・新聞で発表しよう
- ・ポスターセッションをしよう
- ・パワーポイントで発表しよう
- ○発表会をしよう
- ○友だちの発表を聞こう
- ○まとめをしよう
- ○保存にはこんな方法があるよ
- 4調べたことをもとに話し合ってみよう
- ○グループで話し合おう
- ○パネルディスカッションをしよう
- ○教室ディベートをしよう
- 5こんなことにチャレンジしてみよう
- ○世界の国々を調べよう
- ○バリアフリーにチャレンジ
- ○ぼくら地球防えい隊
- ○心の健康チェック
はじめに
総合的な学習の質を高め充実させる学習ワーク
――理論と実践を統一―― 中京女子大学名誉教授 /瀬川 榮志
自ら価値ある課題を発見し,自力で学び方を学び,主体的に思考し判断して,問題をよりよく解決する資質や能力を育て,自己の生き方を考えるようにする――ことが総合的な学習の目標です。このねらいを集約すると,「学ぶことや人間らしく生きることへの主体的・創造的な行動力」を獲得することであるともいえます。この理念や目標を具現化するためには「生きる力」を育む自己実現の学習過程を工夫する必要があります。
「学び方技能が育つ『総合的な学習』ワーク」は,(1)課題発見→(2)情報収集→(3)情報発信→(4)調べた事項の検証・話し合い→(5)次の課題への挑戦……というプロセスを踏んでいます。つまり「子供が創る主体的な総合的学習」が展開されることを根底に据えているのです。しかも,この基本的な考え方をおさえ,総合的な学習で最も重要な「生きる力」に連動する「情報発信力」と「伝え合う力」が獲得されるように具体化されています。
このことについては,「『総合的な学習』における5・6年の主な活動」に提示されています。すなわち,(1)問題意識・課題決定・学習計画 (2)検索・収集 (3)分析・再構成 (4)発表・話し合い・発信 (5)情報保存 の五能力について,学習者が自力で課題解決していくように段階的なステップがシステム化されています。しかも,その過程で双方向的な「伝え合う力」も駆使されるように配慮しています。
この学習ワークは,単に学習活動を羅列した内容でなく,総合的な学習の理念や理論,内容・方法について一貫した考えで構成しているのです。
以上が,この学習ワークの最大の特徴ですが,もう一つユニークな発想が仕組まれています。それは「課題をさがす」過程で,総合的な学習を始める前に「真由ちゃん」という児童が登場しているということです。「ふれる」「つかむ」「しらべる」「まとめる」という学習の流れを「真由ちゃんの総合学習日記」という読み物でまとめているという,すばらしいアイデアです。「子供が創る総合的な学習」は,最終的に到達すべき学習法です。しかも,学習者が主体的・創造的に課題解決していく過程で,他教科で学んだ知識・技能が生きて働きます。また,全力投球でチャレンジしワークすることを通して,向上心を持って人間として「生きる力」が育っていくのです。
本学習ワーク作成に当たっては,明治図書出版企画開発室代表の江部満様に,特段のご配慮をいただきました。心からお礼を申し上げます。
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- 明治図書