通常の学級で行う特別支援教育1
<小学校>ユニバーサルデザインの授業づくり・学級づくり

通常の学級で行う特別支援教育1<小学校>ユニバーサルデザインの授業づくり・学級づくり

好評9刷

すべての子どもの「個のニーズ」に応じた学級・授業づくり

通常の学級で特別支援教育の推進が求められるようになった現在、子どもたちが個の違いを認め合い互いに尊重し合う学級風土をつくること、一人ひとりの学び方の違いに対応できる授業をつくること、が不可欠である。つまずきのある子もない子もよりよく学ぶための実践書。


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ISBN:
978-4-18-073429-0
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
9刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 120頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年11月22日

もくじ

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まえがき
第1章 通常の学級で特別支援教育をどう進めるか
1 特別支援教育の動向
2 取り組みが求められる背景
(1) 発達障がいの子どもたちの支援
(2) 学習や行動,クラス適応に困難がある子どもたちの支援
(3) 教育ニーズの多様化への対応
3 ユニバーサルデザインの学級・授業づくり
(1) 教室環境と学習環境の整備
(2) 見通しが持てる授業
(3) 学習と行動のルールの明示
(4) 個の違いに対応できる授業づくりと学級集団づくり
4 ユニバーサルデザインの学級・授業づくりを進めるにあたって
(1) 教師間の共通理解と学校全体での取り組みの必要性
(2) 授業づくりの次のステップ
第2章 特別支援教育の観点に立った授業づくりのポイント
1 学びの支援ニーズがある子どもたち
2 ユニバーサルな視点での授業づくり
3 授業づくりの12のポイント
Point 1 教室が整理整頓されている
Point 2 生活の見通しをもたせる
Point 3 子どもたちに正しい姿勢を意識づける
Point 4 教員はていねいな言葉を使う
Point 5 「話すルール」を確立する
Point 6 授業の始めと終わりをはっきりさせる
Point 7 指示の出し方を具体的にする
Point 8 指示・説明と子どもの活動を分ける
Point 9 発表する時には,発表する子にクラス全体が注目するようにする
Point10 視覚的な手がかりを示す
Point11 わかりやすいワークシートを用意する
Point12 子どもの個人差を考慮し,基礎と発展を明確にする
第3章 特別支援教育の観点に立った授業づくりの実際
◆授業を進めるにあたって
1 1年算数 「ひきざん」
2 1年体育 「ならびっこキックベースボール」
3 2年国語 「えんそくのようすを文にしよう」
4 4年国語 「報告文を書こう〜生活をみつめて〜」
5 4年算数 「1けたでわるわり算」
6 5年国語 「物語を作ろう」
7 5年算数 「垂直と平行/平行四辺形の作図」
8 6年図工 「不思議な絵」
第4章 すべての教育活動のベースとなる学級集団づくり
1 特別支援教育の視点を取り入れた集団づくりの視点12
2 違いを認め合える学級づくりの実際 〜支援の必要なAを中心にした学級集団づくり〜
3 <低学年>特別活動の授業
「いま,どんな きもち?〜「きもちことば」をかんがえよう〜」
4 <中学年>特別活動の授業
「いろいろな気もち〜自分の気もちを知ろう〜」
5 <高学年>特別活動の授業
「いろいろな気もち〜うれしい気もちの感じ方のちがいを知ろう〜」
第5章 授業づくり,学級づくりに学校全体で取り組むために
1 校長の役割
2 学校全体で取り組むためのポイント

まえがき

 改正学校教育法や新学習指導要領が施行され,幼稚園を含む学校教育のあらゆる場で特別支援教育の推進が求められるようになった現在,学校・園の通常の学級で特別支援教育をどう進めていくかが大きな課題となっている。とりわけ,学級の子どもたちが個の違いを認め合い,たがいに尊重し合う学級風土をつくることと,子ども一人ひとりの学び方の違いに対応できる授業をつくることは,通常の学級で特別支援教育を進めるために不可欠な土台であり,さらには,こうした学級・授業づくりが学級のすべての子どもたちに役立つことだという認識が,教育関係者や発達障がい支援に関わる人たちの間でいま急速に広まっている。通常の学級における特別支援教育の実践はいま,学習や行動,クラス適応につまずきのある子どもたちのための学級・授業のバリアフリー化というだけでなく,すべての子どもたちの「個のニーズ」に対応できる学級・授業のユニバーサルデザイン化の段階に入ったと言えるだろう。

 こうした動向のもとに企画された「通常の学級で行う特別支援教育シリーズ」の第1冊目である本書は,「小学校の授業づくりと学級づくり」をテーマとしている。小学校の通常の学級の授業づくりについては,これまでにもかなり多くの書籍が出版されているが,本書の特色は,大阪府高槻市立五領小学校という1つの小学校が学校全体で取り組んだ授業づくりの実践を紹介している点にあり,授業実践の内容も,国語科や算数科だけでなく,図工や体育の授業,学級集団づくりと深く関係する特別活動の授業など多岐にわたっている。

 五領小学校は,平成17年度より3年間にわたる文部科学省の「特別支援教育開発学校」の委嘱を受け,委嘱終了後も「特別支援教育の視点での授業づくり」,「人権・同和教育の視点に基づく子ども集団づくり」,「小・中学校交流の『いきいきスクール』」,「『生きる力』の育成のための小・中9年間を見通した教育課程の実施」など,多くの課題と視点を統合した教育研究に全校的に取り組んでいる学校である。筆者は,平成18年度より五領小学校を定期的に訪れ,主に「授業づくり」と「子ども集団づくり」について,先生方と共に研究協議を重ねてきた。本書は,過去4年間にわたる五領小学校の先生方との共同研究の成果をまとめたものであるが,小学校の通常の学級で特別支援教育の実践に取り組んでおられる先生方にとって,本書の内容が少しでも参考になれば幸いである。

 なお,「通常の学級で行う特別支援教育シリーズ」では,今後,校内支援チームによる学習支援の取り組みや関係機関の連携による取り組みについても紹介していく予定である。


   2011年2月   編著者 /花熊 曉

著者紹介

花熊 曉(はなくま さとる)著書を検索»

1975年3月大阪教育大学養護学校教員養成課程卒業。1984年3月大阪教育大学大学院教育学研究科修士課程修了。愛媛大学教育学部教授,日本LD学会副会長,言語聴覚士,特別支援教育士スーパーバイザー


1975年3月 大阪教育大学養護学校教員養成課程卒業

1984年3月 大阪教育大学大学院教育学研究科修士課程修了

現在 愛媛大学教育学部教授,日本LD学会副会長,言語聴覚士,特別支援教育士スーパーバイザー(LD・ADHD等)

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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