- 本書の特長と使い方 /新牧 賢三郎
- 【単元ごとまとめくん】
- 1 天気と気温の変化[基礎]
- 2 天気と気温の変化[発展]
- 3 植物の発芽と成長[基礎]
- 4 植物の発芽と成長[発展]
- 5 生命のたんじょう 1[基礎]
- 6 生命のたんじょう 1[発展]
- 7 花から実へ[基礎]
- 8 花から実へ[発展]
- 9 台風と天気の変化[基礎]
- 10 台風と気温の変化[発展]
- 11 流れる水のはたらき[基礎]
- 12 流れる水のはたらき[発展]
- 13 生命のたんじょう 2[基礎]
- 14 生命のたんじょう 2[発展]
- 15 おもりのはたらき[基礎]
- 16 おもりのはたらき[発展]
- 17 もののとけかた[基礎]
- 18 もののとけかた[発展]
- 19 電流がうみだす力[基礎]
- 20 電流がうみだす力[発展]
- 【ちょっとおもしろいまとめくん】
- 21 1学期のまとめ 1[基礎]
- 22 1学期のまとめ 2[基礎]
- 23 1学期のまとめ 1[発展]
- 24 1学期のまとめ 2[発展]
- 25 2学期のまとめ 1[基礎]
- 26 2学期のまとめ 2[基礎]
- 27 2学期のまとめ 1[発展]
- 28 2学期のまとめ 2[発展]
- 29 3学期のまとめ 1[基礎]
- 30 3学期のまとめ 2[基礎]
- 31 3学期のまとめ 1[発展]
- 32 3学期のまとめ 2[発展]
- 33 前期のまとめ 1[基礎]
- 34 前期のまとめ 2[基礎]
- 35 前期のまとめ 1[発展]
- 36 前期のまとめ 2[発展]
- 37 後期のまとめ 1[基礎]
- 38 後期のまとめ 2[基礎]
- 39 後期のまとめ 1[発展]
- 40 後期のまとめ 2[発展]
- 41 5年で使う実験器具 1[基礎]
- 42 5年で使う実験器具 2[基礎]
- 43 5年で使う実験器具[発展]
本書の特長と使い方
/新牧 賢三郎(TOSS向山・小森型理科研究会)
今回の新学習指導要領の良いところは,子どもの学力を保証することをはっきりと示したことです。新学習指導要領の総則に,「基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ」という文があります。子どもたちに「知らせる」のではありません。「習得させ」なくてはいけないのです。しかも「確実に」習得させるのです。ここに,文部科学省の意図が読み取れます。学力を高めることは国家の戦略です。だから,学校現場で実現しなければなりません。
もう一つ,新学習指導要領の良いところがあります。それは,理科の授業時数を増やしたことです。小学校高学年では週3時間に復活しました。以前,3時間あったものが総合的な学習が入ってきたので減らされました。それが今回の改訂で復活したのです。思わず「増やした」と書きましたが,以前の授業時数に復活したのです。とにかく喜ばしいことです。
この増えた授業時数を有効に使って確実に習得させなくてはなりません。その一つの方法が本書を使うことなのです。
「あれほど熱心に実験をしていたのに,いざテストをしてみると子どもたちの点数が上がらない。」
このような経験を先生はしたことがありませんか。実験や観察のときは,子どもたちは実に熱心に活動しています。試行錯誤を繰り返し,課題を解決していきます。
そして,評価のテストを期待を込めて行います。すると,あっさりと教師の期待を裏切り,子どもたちの点数はさほど上がらないのです。
これは,“知識の押さえ”が足りなかったのです。子どもたちの責任ではありません。“知識の押さえ”をしっかりしなかった教師の責任です。“知識の押さえ”さえしっかり行えば,きっと子どもたちは平均点が80点も90点も採ることでしょう。
理科にも学習用語があります。一つの単元に新しく出てくる学習用語はそれほど多くはありません。しかし,教科書を見ただけでは,子どもはどれが新しい学習用語なのかは分かりません。
そこで,教師の出番となります。教師が「この言葉は大切ですからしっかり覚えましょう」と指導しなくてはいけません。ノートにもその言葉を書かせます。ときには言葉の意味も書かせます。
本書は,“知識の押さえ”を確実に行うために作られました。向山・小森型理科研究会が総力を挙げて作ったまとめのスキルです。ぜひ正しく使い,子どもたちに基礎知識の定着を図ってください。
望ましい使い方は,実験や観察をしてから本書を使うことです。実験や観察をしないで,あるいは,実験や観察の代わりとして本書を使うことは,あまりお勧めできません。
新学習指導要領に「指導計画の作成と内容の取扱い」が書かれています。いわば「配慮事項」です。この配慮事項一つ一つが理科を指導していく上での課題なのです。
例えば,項目「1」に,「観察,実験や自然体験,科学的な体験を充実させること」とあります。ですから,教科書にある観察・実験は当然行わなければなりません。もちろん「子どもが」行うのです。学校行事に時間を取られ,理科の授業が潰れるという学校があるそうです。そうすると,子どもに観察・実験を行わせず,教師が一人で行い,それを40名近くの子どもに見させ,「こうなったでしょ。よく覚えておくように」で,授業を終わらせてしまうというのです。
これは断じて「習得させる」理科の授業ではありません。最低でも教科書にある観察・実験は子どもたちに行わせます。なおかつ,新学習指導要領は教科書以外の自然体験,科学的な体験も奨励しています。
行事の時間を精選するために,遠足を校外学習に替えている学校もあります。ところが名前だけ替えて内容は遠足と変わらない場合があります。「看板に偽りあり」です。不正表示です。せっかく,丸一日,学校の外へ行けるのだから,その学年にあった自然体験や科学的な体験をさせましょう。
このような体験をさせてから本書を使ってください。
本書は,基礎と発展問題とからできています。発展問題には一味違ったおもしろ問題も用意しました。子どもたちから「もっとやりたい。」という声がきっとあがることでしょう。
【使い方】
1.単元の最後に「基礎」編のまとめを印刷し,配布します。
2.答えの欄を折り込ませ,まとめを行わせます。
3.答えが分からないときは,教科書やノートを見せます。それでも分からないときは,折り込ませた答えを写させます。写すことも勉強であることを子どもたちに伝えます。
4.問題が全部終わったら,折り込んだ答えを広げさせ,子ども自身で答え合わせを行わせます。
5.まだ時間があるようなら「発展」編も同様に行わせます。
6.ここがポイントなのですが,できるだけ同じまとめを2回行わせます。最初に印刷するとき,子どもたちの人数の2倍印刷しておけばよいのです。2回目を行うと確実に定着します。
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- 明治図書
- 回答を別解にしてもう少し字を大きくしてほしい。2018/4/14しもさん