- はじめに
- 第1章 新しい算数科学習指導と学習指導案づくり
- 1 新学習指導要領が目指すもの
- 2 算数科学習指導略案集の特徴及び意図
- 第2章 第1学年 新しい算数科学習指導略案22
- 1 かずとすうじ
- 5までの数の読み方
- 5までの数の合成や分解
- 2 かずあそび 〜おおいのはどれ〜
- 絵グラフによる数の表現と大小比較
- 3 なんばんめ
- 10までの数の順序的意味(前後・左右・上下)
- 順序数と集合数
- 4 いくつといくつ
- 10の補数と合成や分解
- 0の概念と意味
- 5 いろいろなかたち
- 箱や缶の特徴や機能を生かした形作り
- 6 ふえたりへったり
- 数の増減
- 7 たしざん(1)
- 合併の場面の理解
- 合併の場面の加法の式
- 増加の場面の理解
- 8 ひきざん(1)
- ブロック操作による減法(求残)
- 求残の式
- ブロック操作による減法(求差)
- 9 20までのかず
- 20までの数の数え方
- 20までの数の系列と数直線
- 10 おおきさくらべ(1)(2)
- 長さの任意単位による測定
- かさの直接比較・間接比較による測定
- 広さの直接比較・間接比較による測定
- 11 3つのかずのけいさん
- 三つの数の計算(+,+)の場面の理解,計算
- 12 たしざん(2)
- 繰り上がりのある(1位数)+(1位数)の加法の計算
- 繰り上がりのある(1位数)+(1位数)の加法の計算の説明
- 加数分解と被加数分解の計算の仕方の比較
- 13 かたちづくり
- 色板並べによる図形の構成
- 14 ひきざん(2)
- 操作による繰り下がりのある減法の計算
- 減加法による繰り下がりのある計算
- 減数が5以下の繰り下がりのある減法の計算
- 15 たすのかなひくのかな
- 加減の演算決定
- 16 0のたしざんとひきざん
- 0を含む加法の計算
- 17 ものとひとのかず
- ある数量をほかの数量に対応させて解く問題
- 18 大きいかず
- 2位数の表し方(一の位,十の位)
- (何十)+(何),(何十何)−(何)の計算
- 100を超える数の系列
- 19 100までのかずのけいさん
- 繰り上がりや繰り下がりのない(何十)±(何十)の計算
- 20 おなじかずずつ
- 具体物をまとめて数える
- 21 おおいほうすくないほう
- 求大の問題
- 22 とけい
- 何時何分の読み方
- 何時何分の作り方
- 第3章 第2学年 新しい算数科学習指導略案16
- 1 ひょう・グラフと時計
- 好きな遊び調べ
- 表やグラフの読み方とかき方
- 時刻と時間の違い
- 2 たし算とひき算
- (2位数)+(1位数),(2位数)+(何十)の暗算
- (2位数)−(1位数)の暗算
- 3 長さ
- 任意単位による,長さ比べの場面を使った動機付け
- 長さの単位「センチメートル」とそれを用いた測定
- 4 たし算とひき算のひっ算(1)
- 繰り上がりのない加法の筆算
- 繰り上がりのある加法の筆算
- 繰り下がりのある減法の筆算
- 5 1000までの数
- 100を超える数の数え方
- 100を超える数の表し方
- 3位数の不等号を用いた大小判断
- 10を単位とする簡単な加法及び減法
- 6 かさ
- 1リットル(L)ますを使った測定とかさの単位
- mLの必要性とかさの単位の相互関係
- 7 たし算とひき算のひっ算(2)
- 十の位が繰り上がる筆算
- 百の位が繰り下がる筆算
- 百の位への繰り上がりや,百の位からの繰り下がりがない加法や減法の筆算
- 8 計算のじゅんじょ
- 加法の結合法則と( )の用い方
- 9 かけ算(1)
- 基準量の幾つ分という見方の理解
- 倍の意味
- 5の段の九九の構成
- 基準量が後に示された適用問題
- 10 かけ算(2)
- アレイ図を使った6〜9,1の段の課題設定
- 6の段の九九の構成と唱え方
- 乗法と加法,減法の複合問題
- 11 三角形と四角形
- 三角形や四角形の意味
- 三角形や四角形の弁別や構成
- 直角の意味
- 長方形の意味や性質
- 直角三角形の意味や性質
- 12 九九のきまり
- 乗法九九の答えの並び方(乗数と積の関係)
- 13 100pをこえる長さ
- mとpの単位の関係
- 14 10000までの数
- 1000を超える数の表し方
- 100を単位とした数の構成や分解
- 15 はこの形
- 箱の形の構成要素
- 16 分数
- 半分の大きさ
- 指導者・執筆者一覧
はじめに
平成23年度より「思考力・表現力・活用力の育成」を目指した新学習指導要領が全面実施となりました。算数科の時間数は,平成11年の学習指導要領では1年114時間,2年155時間,3年から6年が各150時間に対して,平成20年の学習指導要領では1年136時間,2年から6年まで175時間と,総計で869時間から1011時間と大幅に増加しました。それにともなって,内容もスパイラルな教育課程の観点から増えました。例えば,上学年から下学年への移動をはじめ,中学校からの教材「合同」「拡大・縮小」「文字の式」「起こりうる場合」「度数分布」などが降りてきました。この内容を端的に表すのが教科書が以前よりも分厚くなったことです。したがって,ゆっくりとまたじっくりと落ち着いて考える算数の授業の構築は容易なことではありません。
中学校からの移行教材や上学年から下学年の内容の移動は単に移動しただけと考えてはいけません。算数科の内容の系統性からいって位置付けが異なってくるからです。
例えば,第2学年において「1/2,1/4などの簡単な分数」は初めてといってもよい扱いですし,小数のかけ算・わり算は従来は5年で扱われていた内容ですが,今回は4年と5年に分割されました。また,スパイラルな教育課程によって学年間のゆるやかな重複も見られます。
これらの内容を学習指導要領の趣旨に沿って実のあるものとするには確かな教材研究が必要です。
一方,小学校の現場では教師の世代交代が始まっています。新しい内容を初めて教えるという教師も少なくありません。20代,30代の若手教師にも具体的に分かる形で,新学習指導要領が目指す「算数的活動を通した思考力・表現力・活用力」の育成のための教材研究の手引き書が必要だと考えます。本書は,教材研究の具体的なものとして学習指導略案集を提案することとなりました。
本書は,長年にわたって研究実績のある北九州市の算数研究会にお願いし,作成していただきました。実際に数回,北九州市を訪問して,本書のコンセプトを協議して進めました。1年間以上も審議されて分かりやすい内容になりました。
それぞれの内容の略案については図版を入れてできるだけビジュアルになるように心がけました。また,単元の冒頭には,「育てたい数学的な思考力・表現力,活用力」の項目を設定しました。これらは北九州市の算数研究会が特にこだわってきた事柄です。前川公一先生をはじめとして多くの先生方にご尽力をいただきました。厚くお礼を申し上げます。また,明治図書の木山麻衣子氏にも企画当初から支援いただきました。ありがとうございました。
ぜひとも本書を活用されて算数の数理が好きな子どもを育ててほしいと願っております。
平成23年8月 愛知教育大学 /志水 廣
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- 明治図書