- はじめに
- 1章 総論編
- 1 未来を「そうぞう」する子ども
- Column
- みんなで「未来そうぞう」しよう!(佐久間 敦史)
- 「そうぞう」とはなにか,たとえば…。(金光 靖樹)
- 「何ができるようになるか」を実質化し,その先に挑戦するカリキュラム開発(佐藤 真)
- 「深い学び」に資する教材の開発(木原 俊行)
- 2章 「未来そうぞう科」編
- 1 未来を「そうぞう」する子どもを育成するためのカリキュラム開発
- 事例1 第1学年 にこにこカーニバルをひらこう
- 事例2 第2学年 学校クリーン大さくせん
- 事例3 第3学年 「平野EXPO」〜平野の町の未来予想図〜
- 事例4 第4学年 レッツ・チャレンジ すきなこと!
- 事例5 第5学年 めざせ,便利なおそうじロボット!
- 事例6 第6学年 もしも未来が見えたなら〜ありがとう附属平野小学校〜
- Column
- 「未来そうぞう」を支える3つのキーワード(BYOD・クラウド・反転授業)(豊田 充崇)
- 「自問自答」としての思考(鹿毛 雅治)
- 3章 各教科・領域における「未来そうぞう」編
- 1 各教科・領域における「未来そうぞう」へのアプローチ
- 2 国語科 「主体的な表現者」を育むための文学の授業改善
- 〜「読みの瞬発力」を高める短文教材の開発〜
- 事例1 第3学年 物語の世界へとびこもう
- 事例2 第5学年 物語あるある よくあるアイテムのひみつ〜鏡に隠されたやくわり??〜
- 事例3 第6学年 物語マイスターになろう パート3〜6年間の表現の工夫を使って〜
- 3 社会科 価値判断・意思決定力を育成する社会科教育
- 事例1 第3学年 今にのこる昔とくらしのうつりかわり
- 事例2 第6学年 わたしたちの日本国憲法を見直そう
- 4 算数科 生きる算数の授業づくり
- 事例1 第2学年 かけ算(2)
- 事例2 第4学年 折れ線グラフ
- 事例3 第6学年 条件を整理して論理的に考えよう
- 5 理科 豊かな自然観に基づき,未来を創造する子どもを育てる理科教育
- 事例1 第5学年 ロボットラボ〜めざせ!ゴミを吸引できるおそうじロボット〜
- 6 音楽科 音楽的思考力を育成する音楽科の授業デザイン
- 〜創造的音楽活動を実現する日本伝統音楽の授業〜
- 事例1 第3学年 リズムパターンを意識して《まめがら》を歌おう
- 事例2 第4学年 速度の変化を意識して《平野だんじり囃子》を演奏しよう
- 7 図画工作科 未来そうぞうの素地としての造形活動
- 事例1 第2学年 ようこそ!「ひかり」と「かげ」のくにへ
- 事例2 第4学年 新種のくらげ,買い取ります!
- 8 家庭科 今ある生活を見つめ直すことから,よりよい未来を創りだそうとする子どもの育成
- 事例1 第5学年 究極のエコみそしるを作ろう!
- 9 体育科 主体的に運動に親しみ,自分の将来にわたる健康をそうぞうする子どもの育成
- 事例1 第1学年 おさんぽ GO!
- 事例2 第4学年 かんたんアルティメット
- 10 道徳科 問題解決的な道徳科の授業づくり
- 〜「未来そうぞう科」を核に据えた道徳授業の在り方〜
- 事例1 第1学年 大きなかぶをそだてよう
- 事例2 第2学年 学校わくわく大さくせん
- 11 外国語活動 英語を使って,主体的に楽しくコミュニケーションをとることができる子どもの育成
- 事例1 第3学年 日本の文化をオーストラリアの友だちに伝えよう!
- おわりに
- 執筆者紹介・研究同人
はじめに
新学習指導要領(平成29年3月)が公示されました。そこには,子どもたちが未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成することが掲げられています。
本校が平成28年度より4年間の文部科学省研究開発学校の指定を受け,現在進めている新教科「未来そうぞう」科及び各教科・領域における「未来そうぞう」は,新しい学習指導要領のさらに10年先の教育内容や教育課程の在り方を追究しており,学校全体のカリキュラム・マネジメントを全教職員が一丸となって行っているところです。
開校118年目となる歴史の中で,半世紀近くにおいて「ひとりで考え ひとと考え 最後までやりぬく子」を教育目標にして,主体性・協調性・創造性の育成を目指した教育実践を行って参りました。これを基礎に,将来の社会を生きる子どもたちが,明るい未来を「想像」し,未来を「創造」するための主体的実践力・協働的実践力・創造的実践力をどのように培うのかを問うものです。そこで,従来の「総合的な学習の時間」「生活科」「特別活動」の時間におけるそれぞれの取り組みを複合し,発達段階に応じて,「自分自身」「社会」「環境」の視点から探究することができる総合的なカリキュラムの開発に着手し,2年目を迎えたところです。当初,キャリア教育やESD(持続可能な開発のための教育)など国際的・現代的な課題に対し,自分自身や周囲,社会全体の視点から考え,どう働きかけていくかを軸に,系統性を意識した学習内容を展開してきました。それは,未来そうぞう科モジュールや未来ノートなどの実践に表れてきています。今年度になってからは,自分自身の成長・将来の姿,多様な他者との関わり,具体的に姿が見えない社会に個や集団がどのように関わるのかなどを,どのような年間を見通した内容のまとまりで構成するのか,また学習者の変容をどのように見取るのかなど評価の在り方に焦点を当てて追究してきています。
本書は,従来の要項集や研究報告書に変えて,広く一般に成果を発表し,多くの方々に関心を持っていただく目的から研究開発指定校としての1.5年次の研究成果を図書としてまとめたものです。紙幅や体裁の都合により,研究の背景や仮説,実践や評価の詳細について十分お伝えすることができない点も多々あろうかと思われます。是非,全国各地から訪問参観していただき,ご忌憚のないご意見・ご教示を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。
2018年1月 大阪教育大学附属平野小学校 学校長 /峯 明秀
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- 明治図書