- まえがき
- T 子ども集団を組織するための基礎技術
- [1] 集団を組織するための三原則 /水野 正司
- [2] 黄金の三日間に向けて準備すること /角田 俊幸
- [3] 黄金の三日間のシナリオ /角田 俊幸
- [4] 黄金の三日間の留意点 /角田 俊幸
- [5] 自由立候補じゃんけん制のやり方 /青坂 信司
- [6] 自由立候補じゃんけん制の留意点 /青坂 信司
- [7] 係り活動の組織の仕方(低学年) /山田 正和
- [8] 係り活動の組織の仕方(中学年) /□□□□□
- [9] 係り活動の組織の仕方(高学年) /手森 良貴
- [10] 係り活動の組織の仕方(中学校) /佐々木 尚子
- [11] 当番活動の組織の仕方(低学年) /山田 正和
- [12] 当番活動の組織の仕方(中学年) /□□□□□
- [13] 当番活動の組織の仕方(高学年) /小手森 良貴
- [14] 当番活動の組織の仕方(中学校) /佐々木 尚子
- [15] 給食当番の組織の仕方 /鈴木 亜由美
- [16] 掃除当番の組織の仕方 /鈴木 亜由美
- [17] 日直の仕事と運営の仕方 /山本 真吾
- [18] 座席の決め方 /宍戸 威之
- [19] 学習におけるグループ編成の仕方 /菊田 肯児
- [20] 遊び集団を組織する方法 /菅野 博文
- U 子ども集団を指導するための基礎技術
- [1] 子ども集団を理解するための方法 /水野 正司
- [2] 子ども集団統率の仕方 /水野 正司
- [3] 子どもを褒める三原則 /青木 勝美
- [4] 「褒める」とは、子どもの成長を心から喜ぶこと /吉田 沙智
- [5] 「褒め上手な教師」とは、何から何まで褒める教師ではない /吉田 沙智
- [6] 叱り方三原則 /櫛引 丈志
- [7] 効果的な励まし方 /吉田 真規
- [8] いじめ発見の方法 /松岡 義智
- [9] いじめ解決のための方法 /松岡 義智
- [10] 靴隠しの対応法 /山本 真吾
- [11] 自分勝手な子への指導の仕方 /宍戸 威之
- [12] 一人ぼっちの子への指導法 /宍戸 威之
- [13] 陰日なたのある子への指導の仕方 /藤原 佳澄
- [14] マイナス発言をする子への指導の仕方 /藤原 佳澄
- [15] 約束を守らない子への指導の仕方 /染谷 幸二
- [16] 物を盗む子の指導 /染谷 幸二
- [17] うそをつく子への指導の仕方 /国友 靖夫
- [18] 子どものけんかへの対処の仕方 /大石 貴範
- [19] 忘れ物の指導の仕方 /平田 純也
- [20] 効果的な競争意識の持たせ方 /山本 真吾
- V 集団化を促進する環境づくりのための基礎技術
- [1] 集団化を促進する掲示の仕方 /大木 敏道
- [2] 教室前掲示の有効な活用の仕方 /□□□□□
- [3] 知的刺激のある環境づくりのポイント /山田 正和
- [4] 教室に潤いをもたらす教室環境の工夫 /石川 雅昭
- [5] 集団への所属感を高める教室環境の工夫 /青木 勝美
- [6] 学級の歴史を残す教室環境の工夫 /櫛引 丈志
- [7] 集団化を促す便利グッズ /青木 勝美
- [8] 自治活動のために教室に用意するモノ /田上 大輔
- [9] 保護者とのつながりを深め、子どもの集団力を促進する学級回覧ノート /小林 亜津子
- [10] 学級文庫の設置の仕方 /青木 勝美
- 執筆者一覧
まえがき
この本を手にされたあなたは、学級づくりでお困りではありませんか。
どのようにしたら、学級づくりがうまくいくのだろうか。隣の学級は、きちんとしているのに、何故か私の学級だけが荒れているように感じる。
子どもたちが自分の言うことを聞いてくれない。いじめやけんかも多く毎日がトラブル続き。一度指導しても、すぐに同じようなことをする。
子どもたちの数が多くて、指導しきれない。一人ひとりの子と話すと、とってもいい子なのに、集団になるとやんちゃばかりする。一クラスの子どもたちの人数がもっともっと減れば、きっと楽だろうな。
係り活動や当番活動をどのように組織したらよいのかわからない。組織しても、うまく機能しない。子どもたちは、最初は一生懸命活動するけど、そのうちにさぼってばかりで活動が不活発になってしまう。
私は一生懸命やっているのに何故学級はうまくいかないのだろうか。親からも苦情を言われるし、周りの教師の目も冷たいように感じる。
そんなことを考えたり、感じたりしたことはありませんか。なにもそれはあなただけではありません。多くの教師たちが悩み、乗り越えていく道なのです。
学級づくりがうまくいかない原因ははっきりしています。それはあなたに原因があるからです。正確に言えば、あなたの学級の組織の仕方、活動のさせ方、そして指導法等に問題があるからです。
教師としての自分に責任があるのだと、まず認識することが学級づくり成功への出発点になります。「この学級を良くも悪くもするのは、担任としての私だけだ。私に責任があるのだ」という責任観念が必要なのです。
学級づくりということを集団づくりという観点から考えてみることができます。
学級づくりのポイントというのは、多くは集団づくりのポイントでもあるのです。集団を指導できる力量が身につくと悩みも解消することがあります。
ところで、「現在、学級づくりは危機である。」「現在、学級づくりは転換期にある。」と言うだけでなく、「もはや学級づくりの時代は終わった。」とまで言う人が出てきました。
仮に、「学級づくりは危機である」云々が確かであったとしても、今後とも、集団生活を通して子どもの社会性を育てる場の多くを、学級教育が担っていくことには間違いないでしょう。
さて、それではどのような集団をどのようにつくったらよいのかという問題です。
例えば、習熟度別・能力別で学習しているときには、教師は子どもたちを集団として指導することは必要の無いことでしょうか。
総合的な学習の時間等で学級の枠を超えて学習するとき、子どもの興味関心に基づいて集団を形成するための指導技術・指導方法を教師が持たなくてもいいのでしょうか。
また、いくら学級づくりが危機だからといって、基本的な学級集団づくりの技術・方法を持たなくて、教師は教育実践していけるのでしょうか。
このように考えてみると、特に若い教師にとって、学級集団も含めて、どのような子ども集団をどのように形成していったらよいのか、わかりづらい時代になっていることは確かなことだと思えます。
新しい時代・新しい教育に対応した子ども集団づくりが必要となっています。
どのように新しい時代・新しい教育に対応した子ども集団づくりをしたらよいでしょうか。
その答えを考えるとき、イメージしやすいのが向山洋一氏の実践です。
向山洋一氏の学級づくりの考え方と実践は、時代を先取りしていました。
向山実践を分析し学んでいくことは、新しい時代に対応した具体的な学級づくりの教育技術・方法を考えていくことにつながります。
正しい指導法・効果的な指導法を身につければ誰でも学級集団づくりがうまくいきます。
正しい指導法・効果的な指導法には、基礎編と応用編があります。応用編は、やはりそのときの学級の状況や子どもの実態で、教師自身が切り拓いて行く面があるので難しいのですが、まず基礎編だけでも身につければ、多少の困難は間違いなく乗り越えていくことができます。
この本を読むことで、学級集団づくりの基礎的なことを知ることができます。この本では、学級集団づくりのためのキーワードを取り出し執筆しています。特に若い教師が学級集団づくりで役立つ教育技術を七〇選んで構成しました。
基本的に、「技術のポイント」「実践例」そして「留意点」という三項目で執筆するようにしています。
この本が、若い教師にとって少しでも役立ち、新しい時代・新しい教育に対応できる子ども集団づくりを実践していけることを願っています。
TOSSオホーツク代表 /青坂 信司
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