- はじめに
- 授業参観日の新しいアイデア
- T 総合的な学習を視野に入れた授業参観日のネタ
- 1 「環境教育」に視点をあてた授業参観日のミニネタ
- 参観日にケナフを植えよう(高学年/環境)
- エネルギー資源について考えよう(高学年/環境)
- エネルギー資源と電気―『宇宙から見た夜の地球』の写真を使って(高学年/環境)
- 参観日でEMを取り上げる(高学年/環境)
- 2 「福祉教育」に視点をあてた授業参観日のミニネタ
- だれのため? 何のため?(低学年/福祉)
- 目の不自由な人だって何でもできる―体の不自由な人を正しく理解しよう(中学年/福祉)
- ぼくもわたしもアイメイト(中学年/福祉)
- 親子で車椅子体験(中高学年/福祉)
- 点字50音をマスターしよう(中高学年/福祉)
- 3 「健康教育」に視点をあてた授業参観日のミニネタ
- きょうは給食参観日―親子で食事について考えよう(低学年/健康)
- 虫歯を防ぐ唾液のすばらしさを知ろう(高学年/健康)
- 薬物乱用防止の授業(高学年/健康)
- 4 「情報教育」に視点をあてた授業参観日のミニネタ
- パソコンを使って迷路をつくろう(低学年/情報)
- プリクラシールをつくろう(低中学年/情報)
- 親子で4コマ絵本づくり(中学年/情報)
- パソコンで植物の名前さがし(全学年/情報)
- 5 「国際理解教育」に視点をあてた授業参観日のミニネタ
- 自己紹介で楽しく(中高学年/国際理解)
- 親子で英語ゲーム!(中高学年/国際理解)
- カップめんで世界を見る(高学年/国際理解)
- U すぐにできる授業参観日のネタ
- 1 すぐにできる授業参観日の教科ネタ
- 音当てクイズで片仮名の学習(低学年/国語)
- 数え方はなーに!(中高学年/国語)
- 国語辞典を楽しく使おう(中高学年/国語)
- はてな発見能力をきたえる授業―道路標識をつかって(低中学年/生活・社会)
- 仮想家族旅行を計画しよう(中高学年/社会)
- 地図帳に親しもう!(中高学年/社会)
- 長さを比べるには基準がいる!(低学年/算数)
- どんどん発表できる算数の授業(3学年/算数)
- 釘はどうなるの?―保護者に「あれ?」と思わせる(中学年/理科)
- 家庭にあるいろいろな液体は何性!(6学年/理科)
- 季節ごとの詩画集をつくろう(中高学年/図工)
- 親子で熱中! 平面キューブ(全学年/図工)
- 親子で一体感! リズム遊び(全学年/音楽)
- 参観日に楽しいドッジボールを(全学年/体育)
- 親子で楽しめるタオル体操(全学年/体育)
- 2 すぐにできる授業参観日の道徳ネタ
- 盲導犬を知ろう!(中高学年/道徳)
- となりの人と手をつないで―『トットちゃんとトットちゃんたち』を使って(高学年/道徳)
- 親子で楽しむ学級PTAのアイデアとヒント
- みんなの顔でつくる季節の掲示(低学年)
- 学校に泊まって思い出づくり(中高学年)
- わくわくドキドキ! 夜の町 親子オリエンテーリング(高学年)
- ヘチマ化粧水をつくろう!(全学年)
- 親子でつくる手づくりのTシャツ(全学年)
- 地元の講師をお呼びして(全学年)
- 資料をもとに保護者と考える学級PTA(全学年)
- 心にゆとりをもって参観日を乗り切るヒント(全学年)
- おわりに
はじめに
参観日……。
新任当時,先輩の教師からこんなことを言われた。
「参観日の授業は普段どおりでいいという考えもあるが,親が見ている前で失敗は許されない。普段の授業で失敗しても,次の時間にその埋め合わせはできる。しかし,参観授業で失敗すれば埋め合わせはできない」
「普段はうまくいくのですが,この時間だけ失敗したのですと,一人ひとりに言い訳するわけにもいかず,ましてや親の信頼は薄れる」
「だからこそ,普段以上に教材研究をする必要があるのだ」……と。
このひと言が,その後の参観授業に対する姿勢の礎になっている。そのため参観日が近づくにつれ,「何の教科をしよう」「どんなネタでしよう」「今度の懇談会ではどんなことを言われるのだろう」と気になり,心を休めることなく当日を迎えることが多かった。
今にして思えば,日々の学級経営や授業の不安をそのまま参観日に暴露してしまうことを恐れていたのかもしれない。
私たちのサークルは以前に『楽しい授業参観のアイデア36例』と『続楽しい授業参観のアイデア26例』を出版することができ,いずれも再版され好評をはくしている。
わがサークルのメンバー構成の特徴は,年代の幅が広いことと勤務地が広範囲であることが挙げられる。そのため,数多くの実践例やアイデアが集まるようになった。
新学習指導要領が示され,中でも「総合的な学習の時間」スタートへのカウントダウンが始まりつつある今,これまでの参観授業をもう一度見直し,新たな気持ちで臨むことが大切である。
自ら学び,自ら考える「生きる力」の育成は,こうした数々のアイデアとネタにより取り組まれた授業から成り立つのであり,その結果,子どもたちの生き生きとした学習態度となって表れてくるのである。
そのためにもわれわれ教師は,研修を深め,新たなネタ探しの旅に出発しなければならない。
教材・授業開発研究所代表の有田和正先生は,
「これからの教師は,上履きではなく,下履きがすり減るようにならなければならない」と言われた。
アイデアやネタは机に向かっていただけで湧いてくるものではない。
子どもたちに意欲と感動を与える授業は,教師のこうした地道な努力と研修の中から生まれてくるのである。
参観授業を嫌がるのではなく,人に見られることを「喜び」と感じる,そんな教師を目指していきたい。
2000年4月 /サークルやまびこ
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- 明治図書