- まえがき
- T 学級・学年建設の設計図
- 1 学級目標は短く、奥深く
- 2 朝自習&朝の会の進め方
- 3 時間割表の中にこだわりのコマを作る
- 4 学級組織はこう作る
- 5 企画・提案はいつでも出せる
- 6 「総合的な学習の時間」活動計画をどうするか
- 7 月刊学級雑誌を発行する
- 8 教室に常備する本
- 9 学年経営はこうする
- U 「総合的な学習の時間」5つのレッスン
- 1 誰にでもいますぐできる「ありとあらゆる型」追究法
- 2 結果が楽しみな「いたずら型」追究法
- 3 どこまでも広がる「いもづる型」追究法
- 4 慎重な学習態度を育てる「くらべ型」追究法
- 5 毎日書けばできる「見たこと作文型」追究法
- V 授業づくり奮戦記
- 1 謎解きの面白さを(「やまなし」)
- 2 論争の面白さを(ディベート)
- 3 発見の面白さを(伝記教材)
- 4 わけがわかる面白さを(「系図」からドラマが見える)
- 5 自主計画の面白さを(国会周辺グループ見学の計画の仕方)
- 6 政治の学習を面白くする工夫(選挙・人権)
- 7 意味がわかる面白さを(「速さ」「単位」「数」)
- 8 解く面白さを(算数のいじわる問題)
- W 子ども理解とその対応術
- 1 強制されることを嫌がるNくん
- 2 女子グループの傾向と対応
- 3 「今年の六年生は…」は言ってはいけない
- 4 ほめるのは態度でなく能力
- 5 あるがままを受け入れる
- X 保護者とともに
- 1 子どもたちの声を届ける
- 2 子育てをともに考える
- 3 進路をともに考える
- 4 保護者との共同
- Y 卒業の日を迎えるまでに
- 1 感動的な「よびかけ」にする二つの策
- 2 子ども中心の温かい雰囲気がする式場設営の工夫
- 3 『卒業のしおり』に一人ひとりの言葉を載せる
- 4 無駄な時間を生まない練習計画
- 5 保護者への案内は入念に
- 6 反省は六年生が先頭になって
- 7 保護者とともに開く「祝う会」
- 8 学級として卒業の日をどう迎えるか
- Z 仕事術
- 1 実践アイデアの発想の仕方
- 2 情報管理の仕方
- 3 実務処理の仕方
- あとがき
まえがき
教師の仕事がますます面白くなる状況が生まれています。「特色ある学校づくり」「時間割の弾力的編成」「創意工夫が期待される『総合的な学習の時間』」など、学校・学級の裁量事項が大幅に認められるようになったからです。子どもたちと一緒に学習し、生活するおかげでいろいろな創造性を発揮することができますから、教師の仕事はもともと楽しいものでした。それがもっと楽しくできそうなのですから二一世紀に希望がもてます。
今度はあれをしてみよう、明日はこれをしてみようと、あちらこちらの学級からアイデアがわき起こるというのはすばらしいことだと思います。「いま、こんなことをしているよ」「あの本は授業につかえるねえ」などと一杯飲みながらの実践談義がさらに盛り上がるかもしれません。
この本は、六年生担任の仕事を語りながら、仕事の愉しみをお伝えする目的で書きました。それが達成できたかはわかりませんが、読んでくださるあなたに何かしらお役に立つことができれば、とても幸せです。
Tでは、学級・学年の建設をどのように進めるか、その目標や方針の立て方をまとめてみました。朝の会、時間割、係、日常生活の運営、購入物品の考え方など必要なことが具体的に書いてあります。
Uでは、子どもたちの追究力をさらに高めるためのレッスン=五つの追究法を紹介しています。「自ら課題を見付ける」「探求活動に主体的、創造的に取り組む」など、「総合的な学習の時間」のねらいを達成するには、追究法のレッスンがどうしても必要だという提案です。実際に一人ひとりの子どもに語りかけるように書きましたので、本書の三分の一近くを占める分量になりました。
Vでは、六年生が喜ぶ授業や活動について、国語・社会・算数の授業を例に挙げて説明しました。授業ですぐに使える情報を盛り込むように努めました。
Wでは、思春期を迎えた六年生をどのようにとらえ、対応にはどのような配慮が求められるかを書きました。教師に反抗的な子、女子の小グループ化問題など、ふだんよく出会う事柄を取り上げて考えてみました。
Xは、保護者とともに進める教育の課題についてです。懇談会、進路、中学受験、保護者と共同した教育などについて私たちがどのような努力をしたらよいのかを提案してみました。
Yは、卒業の日を迎えるまでにどのような取り組みをしたか、その実践の記録です。卒業式の会場設営、よびかけの作り方、無駄な時間を生まない練習の工夫、保護者と共催の祝う会の開き方、学級のイベントなど、一通りのことを取り上げてあります。
Zは、仕事術そのものについて書きました。アイデアの発想、情報の管理、実務処理、それぞれの仕方について私の経験を書きました。
本書は、明治図書第一編集部長樋口雅子さんの勧めによって生まれることになりました。このような機会を与えてくださったこと、ありがたく思っております。また、プロットの段階からいろいろとアドバイスをいただくことができ、とても助かりました。心よりお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
本書をまとめるにあたり、かわさき教育サークル「あいたくて」の野田芳朗さん、芳賀和彦さん、森田 隆さん、伊藤みち子さんにはたいへんお世話になりました。感謝の気持ちでいっぱいです。どうもありがとう!
目的意識を持つのは,かなり高度な事と思われます。追求法の中でも,特にいたずら追究というのが,子どもの興味・関心を持って取り組めそうだと思いました。ありがとうございました。