- はじめに
- T 保護者の心配ごと一覧
- 一 ここが心配、子どもの生活面
- ――子どもは親が思うより、しっかりしていた!――
- 1 学校は楽しいところか
- 2 友だちができるか
- (1)友だちと仲良くやっていけるか/ (2)同じ幼稚園や保育園出身のお友だちがいないが大丈夫か/ (3)引っ越してきたばかりで、お友だちがいない/ (4)意地悪をされないか、しないか/ (5)幼稚園・保育園でケンカした友だちとうまくやっていけるか/ (6)放課後に遊ぶ友だちを作れるか
- 3 どんな先生か
- (1)細かくめんどうを見てもらえるか/ (2)先生にわからないことを聞けるか/ (3)男の先生だったら
- 4 集団行動がとれるか
- 5 時間を守れるか
- (1)時間内にできるかどうか/ (2)時刻を守れるか
- 6 給食を食べられるか
- (1)食が細い/ (2)好き嫌いが多い/ (3)食べるのが遅い/ (4)アレルギーがある
- 7 トイレは大丈夫か
- (1)和式であること/ (2)休み時間だけで、すますことができるのか
- 8 服装と靴はどんな物がいいか
- 9 持ち物はどんな物?
- 10 忘れ物をしないか
- 11 登校、下校
- (1)集合時刻が早い/ (2)距離が長い/ (3)荷物が重い
- 二 ここが心配、子どもの学習面
- ――親が心配するほど、子どもたちは気にしていない!――
- 1 どこまで準備しておいたらいいのか、読み書き算
- (1)ひらがなはどこまで/ (2)音読が大切/ (3)算数はどこまで/ (4)楽器を何もしてこなかった/ (5)絵を描かない/ (6)水泳ができない
- 2 学習についていかれるか
- (1)ちゃんと座っていられるか/ (2)ちゃんと話を聞けるか/ (3)ちゃんと理解しているか
- 3 学習用具
- (1)鉛筆の濃さはどのくらい/ (2)学習机は必要か
- 4 教え方がわからない
- 5 左利きは直した方がいいのか
- 6 習い事をしている子との能力差はどのくらい
- 三 心配の種はつきぬもの、あれこれ
- ――何とかなるものなんだ!――
- 1 上の子、下の子の違い
- 2 早生まれだけど、大丈夫?
- 3 兄弟に障害児がいる
- 4 ハーフ
- 5 保育園卒、幼稚園卒
- 6 保護者が家にいる場合、共働きの場合
- 7 学童へ行く
- 8 他学年との人間関係が心配
- (1)上級生に何か言われたら/ (2)登校班通学/ (3)ハーフの子
- 9 いじめがないか
- 10 不登校になったら
- 11 習い事をさせた方がいいのか
- 12 転勤族
- U 保護者の願いに寄り添う教師の腕
- 1 担任しだい?
- (1)大事にしてほしい/ (2)子どもを理解してほしい/ (3)誉めて育ててほしい/ (4)叱るときは叱ってほしい/ (5)楽しく、わかりやすい授業をしてほしい/ (6)連絡がほしい
- 2 いろんな人と接する機会を設けてほしい
- (1)担任だけでなく/ (2)クラスだけでなく、学年、他学年との交流をしてほしい
- 3 「お知らせ」はこまめにほしい
- V 子育ては親育て
- 学級通信を舞台に店本音の往復点
- おわりに
はじめに
「小学校に入るまでに、どこまでできていたらいいの?」
初めてのお子さんを小学校にあげる保護者が、一度は思う疑問です。
まるでファッション雑誌のように、今では、子ども向け幼児雑誌の中にその特集が組まれます。熱心な保護者ほどそれを読み、読めば読むほど焦りを募らせます。
小学校入学準備。いったいどこまでできていたらいいのでしょうか?
結論。そんなものは決まっていません。
本書を書くにあたって、これからお子さんを小学校にあげる保護者や数年前にお子さんを小学校にあげた保護者に、アンケートに協力していただきました。その中に、こうありました。
「結局、園での生活や家庭での生活態度、基本的なしつけがきちんとできていれば、大丈夫だと思った。」
同感です。
ただし、そうは言っても、心配になるのが親心です。自分のことだったら、何とかしよう、何とかなる、と思えるものの、自分の子どものこととなると勝手が違います。
根底には、どこかで「つまずかせたくない。」との思いがあります。
どの子も、「小学校入学」というスタート地点に立っていることに変わりはありません。
教室は、失敗するところであり、たくさんの失敗を重ねる中で成長していくところです。
じっくり、焦らず、長い目で、子どもたちを育てていきたいと思います。
小学校1年生は特別の時期です。
教師の一挙手一投足が教育になります。
本書は、入学してくる1年生とその保護者の不安を少しでも取り除きたいと願っている先生に向けて書いたものです。地域によって多少の違いはあるでしょうし、まして一人一人のお子さんによって、できることは大きく違います。
店めやす点となれば幸いです。
「幼稚園では引っ込み思案で、お友だち作りが苦手で、1年生になってから新しい環境に慣れるのに時間がかかるだろうな、もしかしたら『学校に行きたくない』と言い出すかもしれないな、と覚悟していたのですが、まさかこんなに毎日笑顔で学校に行くなんて、嬉しい誤算でした。」(保護者より)
こうなることを願っています。
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- 明治図書