- はじめに
- 本書の構成と使い方
- 第1章 鑑賞授業をアクティブにする授業づくりのポイント
- アクティブに鑑賞するとは
- 小学校音楽科におけるアクティブ・ラーニング
- きこえる? 聞く? 聴く?
- 音楽を聴くのはスキーで滑るのと似ています
- スキルはきちんとしたロジックを踏まえたものです
- でも! 忘れないようにしましょう
- 鑑賞の基礎知識
- 「長調」「短調」って何?
- 「音色」ってどう説明する?
- 「拍」「リズム」「拍子」の違いは?
- 「フレーズ」って何?
- 「音の重なり」って何?
- 第2章 アクティブ・ラーニングでつくる鑑賞授業プラン50
- 低学年
- 1 名曲 おどる こねこ
- 様子を思い浮かべて動きながら聴く
- 2 名曲 熊蜂の飛行(熊蜂は飛ぶ)
- 鍵盤ハーモニカで羽音を体験する
- 3 名曲 組曲「動物の謝肉祭」第5曲「ぞう」
- 手がかりから題名をつける
- 4 名曲 おもちゃの兵隊の行進
- 様子をイメージして歩き方を工夫する
- 5 名曲 ラデツキー行進曲
- 強弱を感じて歩いたり手拍子をして聴く
- 6 名曲 そりすべり
- タイトルを考えたり動いたりして聴く
- 7 日本 あんたがたどこさ
- 特徴を発見し,遊び方を工夫して聴く
- 8 日本 おちゃらか ほい
- 拍の流れにのり,いろいろな速度を楽しむ
- 9 世界 こいぬのビンゴ
- アルファベットを聴き分けて遊ぶ
- 10 世界 Head, Shoulders, Knees and Toes
- 英単語の意味を理解して聴く
- 11 世界 ロンドン橋の替え歌
- 聞き取った英単語を活用して遊ぶ
- 12 世界 サンバレレ
- サンバのリズムではじける楽しさを味わう
- 13 アニメなど さんぽ
- 曲の気分を感じ取り,その気分を楽器で表す
- 14 アニメなど ドレミの歌
- 音の高さをボディサインで表して聴く
- 15 アニメなど ひょっこりひょうたん島
- 歌詞とフレーズに合った動作を考えて動く
- 中学年
- 16 名曲 ピーターとおおかみ
- 体育科や図工科等と関連させて聴く
- 17 名曲 トランペット吹きの休日
- トランペットに注目して聴く
- 18 名曲 ホルン協奏曲 第2番 第3楽章
- ホルンに注目し2拍子を感じて聴く
- 19 名曲 クラリネットポルカ
- 繰り返す旋律に注目し,音色を味わって聴く
- 20 名曲 フルートとハープのための協奏曲 第2楽章
- それぞれの楽器を聴き取って味わう
- 21 名曲 卵の殻をつけたひなどりのバレエ
- お気に入りを紹介する
- 22 名曲 白鳥
- 楽器の音色と曲想を聴き取り,音楽とバレエを味わう
- 23 名曲 剣の舞
- 世界中で人気のある小曲を学年に応じて聴く
- 24 日本 十五夜さんのもちつき
- 面白い音の出し方をみつけて紹介する
- 25 日本 汽車ごっこ
- 筝について知り,触れてみたい気持ちを育てる
- 26 日本 アイヌの人々の歌と踊り
- アイヌの人々の豊かな文化を味わう
- 27 日本 てぃんさぐぬ花
- 表現活動を取り入れ,沖縄の歌を味わう
- 28 世界 アリラン
- 拍子とリズムを感じて聴く
- 29 世界 茶色の小びん
- 体を動かしながらジャズを聴く
- 30 世界 You Are My Sunshine
- 歌いながら楽しく聴く
- 31 世界 マンボNo.5
- 一緒に歌ったりステップしたりして楽しむ
- 32 アニメなど ミラクル銀河防衛隊のテーマ
- 曲の特徴を言語化し,動いたり歌詞の一部を唱和したりして聴く
- 33 アニメなど ハグしちゃお
- 動いたり音楽表現したりして形式に気付いて聴く
- 高学年
- 34 名曲 ハンガリー舞曲第5番またはチャールダーシュ
- 曲想の変化を踏まえて聴く
- 35 名曲 威風堂々
- 体を動かしながら曲想の変化を感じて聴く
- 36 名曲 ワルキューレの騎行
- キャラクターを表す要素に気付いて聴く
- 37 名曲 水族館
- 情景をイメージしながら聴く
- 38 名曲 市民のためのファンファーレ
- 特徴を聴き取り,音楽をつくる
- 39 名曲 テイク・ファイブ
- 5拍子を感じて聴く
- 40 日本 津軽じょんがら節
- 気に入った演奏者の表現を紹介する
- 41 日本 待ちぼうけ
- 比較聴取とラップづくりをして日本歌曲を味わう
- 42 日本 われは海の子 箱根八里
- 歌詞を味わい,ポップで紹介する
- 43 世界 サーフィンUSA
- バックコーラス体験をし,よさを紹介する
- 44 世界 スウィート・リトル・シックスティーン ジョニー・B・グッド
- ヒット曲の作者に送るつもりで感想を手紙形式で書く
- 45 世界 Imagine
- 歌詞と曲想から平和を考える
- 46 アニメなど OLA!!
- 歌詞と曲想から特徴を明らかにして聴く
- 47 アニメなど 友達なのに
- 楽器の音色を聴き取るチャレンジをする
- 48 アニメなど カントリー・ロード
- 原曲とアニメのシーンを比較聴取する
- 49 アニメなど 私のお気に入り
- 原曲とジャズ・アレンジを比較聴取する
- 50 アニメなど 真田丸のテーマ曲
- 時代や人物をイメージして聴く
- 付録 おもしろ楽器クイズ&音楽○×クイズ
はじめに
『音楽授業でアクティブ・ラーニング!子ども熱中の鑑賞タイム』を開いてくださいましてありがとうございます。
いきなり質問ですが,みなさんは子ども時代にはなかった「仕事」「道具」「コミュニケーションのための仕組み」などを,いくつ思いつかれますか?けっこうあることでしょう。今後,更に社会は大きく変化していきます。予測困難な時代ともいわれます。そのような中,子どもたちが未来の担い手としての資質・能力を高め,個性豊かに社会で生きるため,「主体的・対話的で深い学び」である「アクティブ・ラーニング」を各教科等で実現することが求められています。本書では,小学校音楽科において「アクティブ・ラーニング」を推進するため,鑑賞の授業プラン50例を提案しました。
音楽の楽しさを漠然と感じるだけでなく,授業を通してもっと興味をもってほしい。それが粘り強い「主体的な学び」を支えます。音楽と共に体を動かしたり作者のねらいを知ったりする活動で,お友達や先生とアイディアを分かち合ってほしい。その「対話的な学び」は自分一人の見方を大きく変えることでしょう。さらに音楽の聴き方・感じ方は本来とても自由なもの。既習事項や体験した活動をもとに,新しいことに気付いたり,演奏のしかたの工夫に生かしたり,音楽によるゲームや遊び,音楽の活用法を考え出したりしてほしい。それが「深い学び」というものでしょう。
どんなに社会が変化しても,音楽が生活を明るく豊かにすることは揺るぎありません。音楽が子どもたちの一生の友達となるよう心から願い,本書をお届けします。
最後に,本書の作成に当たり若い感性で多大なる協力をしてくださった明星大学教育学部音楽コースの学生の皆さん,魅力的な企画・構成をしてくださった明治図書の木村悠さん,広川淳志さんに御礼申し上げます。
2016年12月 /阪井 恵・酒井 美恵子
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- 明治図書
- 鑑賞の時間に力を入れているため、とても役立った。2023/7/230代・小学校教員
- ウイルス感染が心配されるこの時期、「息」を使わない音楽の授業を考えたとき、即「鑑賞の授業の工夫」が頭によぎりました。これまで以上に「鑑賞」を充実させるには、ということで探していたとき、この本に出会いました。第1章では、改めて鑑賞の基礎知識が確認できました。第2章では、各曲わかりやすくポイントが書かれており、ワークシートはすぐ使えそうです。ただ、アクティブラーニングに特化しているので、今はまだ使えないものがありますが、ウイルス感染症が落ち着いた頃、是非実践したいものばかりです。2020/5/3トトロ
- 学校でも家庭でも、ちょっとした隙間の時間に読む事ができてよい。2017/2/12MAS