- まえがき
- 1章 学芸会・音楽会演出の基礎・基本と工夫のポイント
- §1 学校行事演出の基礎・基本とは何か
- 1 「5種類の体験」の意義の理解
- 2 行事参加への期待感を高める
- 3 伝統のよさと新鮮さの調和
- 4 学校,家庭,地域社会との連携
- 5 適切な評価活動の工夫
- §2 学芸会・音楽会演出で求められる工夫
- 1 学芸会演出でこれだけは知っておきたい工夫のポイント
- 2 音楽会演出でこれだけは知っておきたい工夫のポイント
- 2章 学芸会・音楽会演出のアイデア・カタログ
- §1 子どものアイデアを生かした学芸会演出のアイデア・カタログ
- 1 感動をつくる学芸会の運営方法――子どもが企画・運営する学芸会
- 2 子どもの発想を尊重した劇づくり
- 3 学級が燃えるミュージカルづくりのいろいろ――子どもも教師も一体となっての全校ミュージカルづくり
- 4 みんなで創り上げるミュージカル
- 5 全員参加の学芸会――〜みんなで歌おう〜
- 6 地域を巻き込んだ学芸会――〜地域の人と創り上げる松末いきいき文化祭〜
- 7 児童会を生かした学芸会の運営――各委員会の特色を出した取り組みをする
- 8 子どもの創意を生かした会場設営――会場の雰囲気づくりのアイデア
- 9 バラエティに富んだ次第の工夫――ほっと一息コーナー,楽しい進行の演出
- 10 学習の発展として展開する学習発表会――「総合的な学習」の成果をワークショップ形式で発表する
- 11 学習の発展として展開する学習発表会――学校全体をテーマパークにした学習発表
- 12 子どもが喜ぶ教師の出し物――〜楽しく歌おう〜
- 13 児童会が取り組む学芸会――PR傑作集
- 14 前年度の学芸会ビデオを生かした学芸会
- 15クラブ活動の成果も発表する学芸会
- §2 子どもが夢中になる音楽会演出のアイデア・カタログ
- 1 楽しさ,美しさを追求した合奏づくり――感じる・伝える・響きあう音との出会い
- 2 子どものアイデアを生かした合奏・合唱――手作り楽器を取り入れた
- 3 子どもとつくるオペレッタ――〜みんなで台本作りをしよう〜
- 4 子どもとつくるオペレッタ――〜みんなで楽しく演出しよう〜
- 5 地域を巻き込んだ音楽会
- 6 地域の人を招待しての音楽会
- 7 子どもの創意を生かした会場設営――会場の雰囲気づくりのアイデア
- 8 全員表現を取り入れた次第の工夫――〜手話の歌を全校で歌おう〜
- 9 プロを巻き込んだ音楽会――地域のボランティアを活用して
- 10 授業時間を生かした音楽会
- 11 子どもが喜ぶ教師の出し物
- 12 児童会が取り組む音楽会――PR傑作集
- 13 複数学年で合奏する音楽会
- 14 他校と合同開催する音楽鑑賞会
- 15 子どもが参加する音楽鑑賞会
まえがき
21世紀の教育がスタートしました。これからの社会は,これまで以上に変化が激しくなるものと予想されています。これからは,真に豊かな心をもちたくましく生きる力をはぐくむ教育の推進に一層努めなければなりません。新学習指導要領はそうした考え方から改善されました。その改善は次の4つのねらいをもって行われました。
1 豊かな人間性や社会性,国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること
2 自ら学び,自ら考える力を育成すること
3 ゆとりのある教育活動を展開する中で,基礎・基本の確実な定着を図り,個性を生かす教育を充実すること
4 各学校が創意工夫を生かし特色ある教育,特色ある学校づくりを進めること
こうしたねらいを実現するため,従来から積み上げられてきた教育のシステムを継承し発展させる必要性が確認され,各教科,道徳,特別活動という学習指導要領の基本構造は変わりませんでした。そして,学校行事の内容構成そのものも引き継がれ,さらに新たな課題が加わるなど一層充実し強化する方向で改善が図られました。特に,近年の子供たちは自然体験や社会体験が不足し,人間関係も希薄になってきていることから,心の教育の重要性が叫ばれています。しかし,こと学校行事への子供の参加意欲はきわめて高く,子供の目は輝き,全力を出し切って予想以上の成果をあげたりもします。そうしたことから,望ましい集団活動を通して豊かな人間性や社会性の育成を図ること,学校の創意工夫を生かした特色ある学校づくりを推進することなどが強調されましたが,学校教育における学校行事の機能・役割への期待が一層大きなものとなっていると考えられます。
したがって,各学校が学習指導要領の趣旨を踏まえて教育課程を編成する場合,これまで果たしてきた学校行事の教育的意義や成果を再確認した上で,新しい時代に対応する内容を取り上げ,しかも,その指導において,子供たちにとって魅力的な体験の場となるよう一層工夫することが必要です。つまり,教師の協働体制を確立しアイディア豊かな演出の下に行事を効果的に展開し,子供が感動し自らの生き方へ動機づけを図るようにするため十分な価値ある体験としての学校行事の創造に努めることが大切です。なお,そうした各学校の取組のために本双書は大いに参考になると思います。
最後に,新たな時代のスタートにふさわしい企画,そして編集等において多大なるご支援をいただいた明治図書編集部安藤征宏氏に対しここに記して心から感謝の意を表します。
平成13年2月 編 者
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- 明治図書