- まえがき
- 1章 運動会・安全指導演出の基礎・基本と工夫のポイント
- §1 学校行事演出の基礎・基本とは何か
- 1 「5種類の体験」の意義の理解
- 2 行事参加への期待感を高める
- 3 伝統のよさと新鮮さの調和
- 4 学校,家庭,地域社会との連携
- 5 適切な評価活動の工夫
- §2 運動会・安全指導演出でもとめられる工夫
- 1 運動会演出でこれだけは知っておきたい原理・原則
- 2 安全指導演出でこれだけは知っておきたい原理・原則
- 2章 運動会・安全指導演出のアイデア・カタログ
- §1 子どもが燃える運動会演出のアイデア・カタログ
- 1 3色対抗の運動会――3クラスorクラスを3つに分ける〜多色対抗〜
- 2 地域を巻き込んだ運動会――地域の人にも参加してもらう運動会
- 3 子どもの企画を生かした運動会
- 4 子どもを引き立たせる入退場―― 子どもが主役の入退場
- 5 子どもをやる気にする開会式―― 子どものやる気を奮い立たせるアイデア
- 6 感動を呼ぶ閉会式――得点発表,評価の演出
- 7 タイム別徒競走――だれにでも勝てるチャンスを与える徒競走
- 8 地域の特性を生かした障害物走〈中学年〉
- 9 地域の特色を生かした団体演技〈低学年〉
- 10 地域の歴史や風土を表現する踊りの工夫やアイデア〈中学年〉
- 11 体験や感動を生かし,児童が主体的に取り組む団体演技
- 12 子どもの創意を生かした団体競技〈低学年〉――〜何ができるかな〜
- 13 子どもの創意を生かした団体競技〈中学年〉――〜ただ競技の方法を知らされてやるのではなく,自分たちで考え,工夫の余地のある競技〜
- 14 子どもの創意を生かした団体競技〈高学年〉
- 15 子どもが作戦を立てる学級対抗リレー――順番・組み合わせを工夫する
- 16 安全で子どもが燃える騎馬戦―― 子どもが作戦会議を開く
- 17 子どもが燃える応援団
- 18 合同運動会の工夫――異学年合同競技
- 19 子どもが企画する応援団――応援の仕方から,組み立てに至るまでの企画アイデア
- 20 みんなが燃える運動会の会場設営
- 21 子どもが喜ぶ職員演技・競技――先生もやる気のあるところを見せる
- 22 学校に来るのが楽しみになる新入児競技
- §2 子どもが熱心に取り組む安全指導演出のアイデア・カタログ
- 1 避難訓練1(火災・地震)――火災や地震を想定した避難訓練
- 2 避難訓練2(風水害)――風水害を想定した避難訓練
- 3 生活安全意識を育てる安全指導の企画
- 4 交通安全教室1 自転車の乗り方――〜「親子自転車教室」〜
- 5 交通安全教室2 歩行の仕方――〜「危ないとび出し」〜
- 6 交通安全教室――〜このマークはなんでしょう〜
- 7 登下校の安全指導――斉下校の際の安全指導
- 8 起震車体験を組み込んだ安全指導
まえがき
21世紀の教育がスタートしました。これからの社会は、これまで以上に変化が激しくなるものと予想されています。これからは、真に豊かな心をもちたくましく生きる力をはぐくむ教育の推進に一層努めなければなりません。新学習指導要領はそうした考え方から改善されました。その改善は次の4つのねらいをもって行われました。
1 豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること
2 自ら学び、自ら考える力を育成すること
3 ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実すること
4 各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特色ある学校づくりを進めること
こうしたねらいを実現するため、従来から積み上げられてきた教育のシステムを継承し発展させる必要性が確認され、各教科、道徳、特別活動という学習指導要領の基本構造は変わりませんでした。そして、学校行事の内容構成そのものも引き継がれ、さらに新たな課題が加わるなど一層充実し強化する方向で改善が図られました。特に、近年の子供たちは自然体験や社会体験が不足し、人間関係も希薄になってきていることから、心の教育の重要性が叫ばれています。しかし、こと学校行事への子供の参加意欲はきわめて高く、子供の目は輝き、全力を出し切って予想以上の成果をあげたりもします。そうしたことから、望ましい集団活動を通して豊かな人間性や社会性の育成を図ること、学校の創意工夫を生かした特色ある学校づくりを推進することなどが強調されましたが、学校教育における学校行事の機能・役割への期待が一層大きなものとなっていると考えられます。
したがって、各学校が学習指導要領の趣旨を踏まえて教育課程を編成する場合、これまで果たしてきた学校行事の教育的意義や成果を再確認した上で、新しい時代に対応する内容を取り上げ、しかも、その指導において、子供たちにとって魅力的な体験の場となるよう一層工夫することが必要です。つまり、教師の協働体制を確立しアイディア豊かな演出の下に行事を効果的に展開し、子供が感動し自らの生き方へ動機づけを図るようにするため十分な価値ある体験としての学校行事の創造に努めることが大切です。なお、そうした各学校の取組のために本双書は大いに参考になると思います。
最後に、ここに新たな時代のスタートにふさわしい企画、そして編集等において多大なるご支援をいただいた明治図書編集部安藤征宏氏に対しここに記して心から感謝の意を表します。
平成12年2月 編 者
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- 明治図書