- はじめに
- 1章 教師として「身に付けておくべき」話し方の基本
- ○ 全ての「元」になる、教師の「話し方」
- 1 聞きづらい話し方チェック
- 2 プロの話し方も、さまざま
- 3 自分の話し方の特徴(クセ・欠点)を知る
- 4 正しい「言葉づかい」とは
- 5 指導に適切な声の大きさは?
- 6 「話し方」と表裏一体である「聞き方」
- 7 発声練習をしよう
- 8 緩急・強弱でメリハリをつける
- 9 話し方の基本トレーニング
- 2章 「生徒指導・学級指導」での話し方
- ○ 「生徒指導・学級指導」で話すときに大切なこと
- 1 何度言っても、子どもが言うことを聞かないのはなぜか?
- 2 「叱る」「怒鳴る」「話す」「語る」の大きな違い
- 3 口調は変えられるのか?
- 4 使わない方がいいNGフレーズ
- 5 低学年の子どもには、どこまでやさしい言葉づかいで話した方がいいのか
- 6 「繰り返し」は何度まで?
- 7 クラス全体に話すときは、どこを向いて話したらいい?
- 8 さわがしい子に話しかけるのか、静かな子に話しかけるのか?
- 9 子どもたちが、伝達事項をきちんと理解していないと感じたら?
- 10 学校・学年集会で、子どもが話を聞いていないと感じたら
- 11 劇や音楽コンクールの練習で、一体感を増す話し方とは
- 12 話のネタを見つけるには
- 3章 「授業」での話し方
- ○ 「授業」で話すときに大切なこと
- 1 子どもたちが「退屈する」話し方
- 2 どうしても説明が長くなってしまう場合は……
- 3 「板書」と「話」の適当なタイミングは?
- 4 「説明」を分かりやすくするコツ
- 5 授業の「強弱」を意識させる話し方
- 6 聞いていない子がいても、すぐに叱らない
- 7 プリントを配るときの話す「タイミング」
- 8 教師の話す力は、子どもの「聞く力」も育てる
- 9 「間」の取り方
- 4章 「保護者」への話し方
- ○ 「保護者へ話す」ときに大切なこと
- 1 保護者は、どこに注目して先生の話を聞いているか
- 2 専門用語の使いどころ
- 3 保護者に「うまく伝わっていないな」と感じたら
- 4 自分が「あがっている」と感じたときは
- 5 保護者に安心感を与える話し方
- 6 個人面談での話し方・聞き方
- 【「やってはならない話し方」チェック表】
- おわりに
はじめに
僕は話し方の下手な教師でした。
そう言うと、講演などに参加してくださる方は、
「えーっ。」
と言って、なかなか信じてくれませんが、本当です。
そのために、大学の専攻科の試験や大手の塾の採用試験などに、ことごとく失敗しました。落ちた理由で
「話し方に、覇気がない。」
とも言われました。若いのに、話し方が暗いというのです。それは、僕のコンプレックスでもありました。
子どもたちからも、若い頃は、
「多賀先生は、暗い。」
と、よく言われました。
授業も会話もぼそぼそと話すので、聞き取りにくく、保護者も子どもたちも苦労しただろうと思います。
この話し方で、子どもたちを聞く子どもにするのだという意識で初めはやっていました。
しかし、国語の授業の中で子どもたちに話し方を指導していくために、さまざまなてだてを学び、自らも練習していく中で、話し方も変わってきたように思います。
今の僕は、大勢の子どもたちや保護者、先生方の前で、マイクなしで語れます。
話し方とは、ただ単に発声発音の技術のことだけではありません。もっと幅広い技術が含まれます。
また、相手の状況に応じて、適切な話し方と話題の選び方があるのです。
そういうことをていねいにケースごとにまとめたのが、この本です。
話し方は変えられます。
今、何百という人たちを前にして、語ることのできる僕が、その証明です。
この本では、話し方のTPOを伝えるとともに、そのことが教師としてのレベルを上げて、学級づくりに大きく影響していくということも述べています。
話し方というものをもう一度見直し、自分の個性を活かした話し方を、ぜひ身に付けてください。
学級の教育のレベルが、ぐんとアップすること、間違いありません。
/多賀 一郎
-
- 明治図書