- まえがき
- 1章 学力が確かに向上する授業の進め方の基本は何か
- 1 身に付けさせる学力を明確にする
- 2 教育課程に即し年間指導計画にそって授業を進める
- 3 授業力・学習力・支援力の一体的な発揮を重視した授業を進める
- 2章 学力が確かに向上する授業をどのように進めるか
- 1 授業観・学習観を転換して授業を進める
- 2 指導の段階化を工夫して授業を進める
- 3 個に応じた指導を工夫して授業を進める
- 4 子どもの学習力が向上するように授業を進める
- 3章 知っておきたい学力が確かに向上する授業の進め方の方法
- §1 導入段階の授業の進め方
- 1 導入段階の授業の進め方の基礎・基本
- 2 導入段階の進め方のおすすめの方法
- 3 導入段階の授業の進め方の配慮点
- §2 展開段階の授業の進め方
- 1 展開段階の授業の進め方の基礎・基本
- 2 展開段階の進め方のおすすめの方法
- 3 展開段階の授業の進め方の留意点
- §3 終末段階の授業の進め方
- 1 終末段階の授業の進め方の基礎・基本
- 2 終末段階の進め方のおすすめの方法
- 3 終末段階の授業の進め方の配慮点
- §4 一斉指導の授業の進め方
- 1 一斉指導の授業の進め方の基礎・基本
- 2 一斉指導の授業の進め方のおすすめの方法
- 3 一斉指導の授業の進め方の配慮点
- §5 グループ別学習の授業の進め方
- 1 グループ別学習の授業の進め方の基礎・基本
- 2 グループ別学習の授業の進め方のおすすめの方法
- 3 グループ別学習の授業の進め方の配慮点
- §6 個別学習の授業の進め方
- 1 個別学習の必要性
- 2 個別学習を進めるポイント
- 3 課題別学習の実践例
- §7 協力的指導の授業の進め方
- 1 成功の鍵は「共有化」
- 2 総合的な学習での協力的指導の実践
- 3 教科学習で協力的指導を進める配慮点
- §8 発展的な学習の授業の進め方
- 1 発展的な学習の授業の進め方の基礎・基本
- 2 発展的な学習の授業の進め方のおすすめの方法
- 3 発展的な学習の授業の進め方の配慮点
- §9 補充的な学習の授業の進め方
- 1 補充的な学習の授業の進め方の基礎・基本
- 2 補充的な学習の授業の進め方のおすすめの方法
- 3 補充的な学習の授業の進め方の配慮点
- §10 少人数指導の授業の進め方
- 1 少人数指導の授業の進め方の基礎・基本
- 2 少人数指導の授業の進め方のおすすめの方法
- 3 少人数指導の授業の進め方の配慮点
- §11 習熟度別学習の授業の進め方
- 1 習熟度別学習の授業の進め方の基礎・基本
- 2 習熟度別学習の授業の進め方のおすすめの方法
- 3 習熟度別学習の授業の進め方の配慮点
- §12 課題選択学習の授業の進め方
- 1 課題選択学習の基礎・基本
- 2 課題選択学習のおすすめの方法
- 3 課題選択学習の配慮点
- §13 道徳の時間の授業の進め方
- 1 道徳の時間の授業の進め方に関する基礎・基本
- 2 道徳授業の進め方のおすすめの方法
- 3 道徳授業の進め方の配慮
- §14 学級活動の授業の進め方
- 1 学級活動の授業の進め方の基礎・基本
- 2 子どもが楽しみにするような時間にしていこう
- 3 導入段階の授業の進め方の配慮点
- §15 総合的な学習の時間の授業の進め方
- 1 総合的な学習の時間の授業の進め方の基礎・基本
- 2 授業作りおすすめの方法
- 3 授業を進めるときの配慮点
- §16 発表・報告活動の授業の進め方
- 1 発表・報告活動の基礎・基本
- 2 発表・報告活動のおすすめの方法
- 3 発表・報告活動の授業の進め方の配慮点
- §17 ものづくり・生産活動の授業の進め方
- 1 ものづくり・生産活動の授業の基礎・基本
- 2 ものづくり・生産活動のおすすめの方法
- 3 ものづくり・生産活動の授業の配慮点
- §18 外国語会話の授業の進め方
- 1 外国語会話の授業の基礎・基本
- 2 子どもが楽しむ外国語会話の授業のおすすめの方法
- 3 外国語会話の授業の実際
- §19 校外学習の授業の進め方
- 1 校外学習の授業の基礎・基本
- 2 校外学習の授業のおすすめの方法
- 3 校外学習の授業の実際例
- §20 ペーパーテストの授業の進め方
- 1 ペーパーテストの授業の進め方の基礎・基本
- 2 ペーパーテストの進め方のおすすめの方法
- 3 ペーパーテストの授業の進め方の配慮点
- 4章 これだけはやめたい授業の進め方のタブー
- 1 ねらいや内容がはっきりしない授業
- 2 教師中心の説明一辺倒の授業
- 3 教科書教材のみの授業
- 4 与えて・させて・急がせる授業
- 5 師問・師答の授業
- 6 子どもの好き勝手にさせる授業
- 7 時間になっても終わらない授業
- 8 まとめのない授業
- 9 評価のない授業・ほめない授業
- 10 手を挙げる子どもだけを指して進める授業
まえがき
――学力保障時代の授業力――
今,学校・教師に求められていることは,次の3つのことである。それは,教育改革,学校改革の到達点と考えられるからである。
○ 基礎学力を確実に定着させる。
具体的には,学習意欲を高める(関心・意欲・態度),考えることができるようにする(思考・判断),分かるようにする(知識・理解),できるようにする(表現・処理または技能),学習したことが活用できるようにする(適用・応用,発展・創造)である。
○ 生徒指導(生活指導)・道徳教育を徹底する。
具体的には,基本的な生活習慣を確実に定着させる。誠実さ,礼儀,倫理観,感謝の心,思いやりの心,自然や生命を大切にする心,勤勉さなど豊かな人間性を育成する。
○ 充実した人生を送る基盤としての心身の健康の保持・増進やスポーツをしむ習慣や能力を身に付ける。
具体的には,心身の健康保持・増進に必要な知識や習慣を身に付ける,スーツを楽しむ習慣や意欲,技能を身に付けるなどである。
これらのこと,つまり上記の基礎学力等を子どもたちに保障するためには,教師の授業力と評価力が必要である。どのように立派な教育理念を持っていても,どのように優れた教育内容と教育活動を用意しても,それを実現する「技能」としての授業力と評価力を教師自身が身に付けていなければ,基礎学力等を保障する教育活動,授業は展開できないのである。
教師には,子どもや保護者から「子どもを確実に高めることのできる技能」を持ち,かつ発揮することが求められているのである。
そこで,私たちは,学力保障が強く求められる時代の教師に特に必要な「技能」(授業力や評価力)には,どのようなものがあるかを洗い出し,整理し,分かりやすく10巻にまとめてみた。その際,比喩的に言えば,次のようなことを念頭に置いて編集した。
○ 魚料理の食べ方を学習させる。――――すぐ使える。
○ 魚の料理の仕方を学習させる。――――使い方が分かる。
○ 魚の取り方を学習させる。――――――入手することができるようにする。
○ 魚の育て方を学習させる。――――――開発できるようにする。
つまり,すぐ役立つ知識・技能から,自分で創造・開発できるようになるヒントまでを整理し,まとめるよう努力したつもりである。それも,このようにしたらどうかという仮定や想定としての意見ではなく,実際に実践したこと,体験を基に生み出した知恵,よりよいものを生み出していくための考え方や方法などを具体的に紹介するようにした。
若い先生方,教育に情熱を持ち,さらにステップアップしようと努力している先生方の目に留まり,先生方の授業の充実,研修の手掛かりとして役立つことができれば幸いである。
本書を構想し,書き進める過程で大勢の方々にお世話になりました。特に,ご多用の中から本書のためにご執筆いただいた先生方に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
また,本書の企画の段階からお世話いただいた明治図書編集部の安藤征宏氏に対して,特に名を記して感謝の意を表します。
2003年6月 編者 /小島 宏 /寺崎 千秋
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- 明治図書