- まえがき
- 1章 学習を確かにする教材づくりの基本は何か
- §1 教材とは――その広い意味と狭い意味
- §2 学習の場と教材
- §3 基本を踏まえた教材づくり
- §4 教材開発の視点
- 2章 教材づくりはどのように進めるか
- §1 教材づくりの流れ――教材研究と教材づくり
- §2 目的の理解と解釈――情報・資料の収集と活用
- §3 児童理解――子どもの調査と研究
- §4 教材の試作・試用と修正・作成
- §5 活用と記録
- §6 評価・改善
- §7 教材開発のアイデアを生む――創造的な教育活動の実践
- 3章 知っておきたい教材づくりの方法
- §1 ワークシートの作り方と活用の仕方
- 1 ワークシートづくりの基礎・基本
- 2 ワークシートづくりのおすすめの方法
- 3 ワークシートの活用の仕方
- §2 学習計画表の作り方と活用の仕方
- 1 学習計画表づくりの基礎・基本
- 2 学習計画表づくりのおすすめの方法
- 3 学習計画表の活用の仕方
- §3 計算ドリルの作り方と活用の仕方
- 1 計算ドリルを使った評価技法の特徴
- 2 計算ドリルの実践例
- §4 漢字ドリルの作り方と活用の仕方
- 1 漢字ドリルを学習に役立てる
- 2 漢字ドリルの使い方の実践例
- §5 観察・実験カードの作り方と活用の仕方
- 1 観察・実験カードづくりの基礎・基本
- 2 観察・実験カードのおすすめの方法
- 3 観察・実験カードの活用の仕方
- §6 見学のしおりの作り方と活用の仕方
- 1 見学のしおりづくりの基礎・基本
- 2 見学のしおりづくりのおすすめの方法
- 3 見学のしおりの活用の仕方
- §7 遠足のしおりの作り方と活用の仕方
- 1 遠足のしおりづくりの基礎・基本
- 2 遠足のしおりづくりのおすすめの方法
- 3 遠足のしおりの活用の仕方
- §8 小動物を飼育する工夫と観察のさせ方
- 1 小動物の飼育に関する基礎・基本
- 2 おすすめの小動物
- 3 世話や観察のさせ方
- §9 植物を栽培する工夫と観察のさせ方
- 1 植物の栽培に関する基礎・基本
- 2 植物と観察のおすすめの活動
- 3 困ったこと,疑問が出てきた時
- 4 花が終わり収穫がすんだ後に
- §10 自己評価カードの作り方と活用の仕方
- 1 自己評価カードづくりの基礎・基本
- 2 自己評価カードづくりのおすすめの方法
- 3 自己評価カードの活用の仕方
- §11 身近な材料を利用した実験道具の作り方と活用の仕方
- 1 身近な材料を利用した実験道具の作り方の基礎・基本
- 2 身近な材料を利用した実験道具の例
- 3 手づくりした実験道具の活用について
- 4 手づくりする際の安全性への配慮
- §12 縄跳び・水泳の進級カードの作り方と活用の仕方
- 1 縄跳び・水泳進級カード作成の基礎・基本
- 2 縄跳び・水泳進級カードづくりの方法
- 3 縄跳びカードや水泳進級カードの活用の仕方
- §13 学習クイズ・パズルの作り方と活用の仕方
- 1 学習クイズ・パズルづくりの基礎・基本
- 2 学習クイズ・パズルづくりのおすすめの方法
- 3 学習クイズ・パズルの活用の仕方
- §14 分数のわり算を分からせる教材の作り方と活用の仕方
- 1 分数のわり算を分からせる教材づくりの基礎・基本
- 2 分数のわり算を分からせる教材づくりのおすすめの方法
- 3 分数のわり算を分からせる教材の活用の仕方
- §15 OHPを使う教材の作り方と使い方
- 1 OHPを使う教材づくりの基礎・基本
- 2 OHPを使う教材づくりのおすすめの方法
- 3 OHPを使う教材の活用の仕方
- §16 ビデオを使う教材の作り方と使い方
- 1 ビデオを使う教材づくりの基礎・基本
- 2 ビデオを使う教材づくりのおすすめの方法
- 3 ビデオを使う教材の活用の仕方
- §17 デジカメを使う教材の作り方と使い方
- 1 デジカメを使う教材づくりの基礎・基本
- 2 デジカメを使う教材づくりのおすすめの方法と活用の仕方
- §18 習熟度別学習の教材の作り方と使い方
- 1 習熟度別学習の教材づくりの基礎・基本
- 2 習熟度別学習の教材づくりのおすすめの方法
- 3 習熟度別学習の教材の活用の仕方
- §19 メッセージカードの作り方と活用の仕方
- 1 メッセージカードの役割
- 2 メッセージカードの種類と実践例
- §20 道徳の学習ノートの作り方と使い方
- 1 道徳の学習ノートづくりの基礎・基本
- 2 道徳の学習ノートづくりのおすすめの方法
- 3 道徳の学習ノートの活用の仕方
- 4章 これだけは止めたい教材づくりのタブー
- §1 内容に間違いがある教材
- §2 そっくりいただき――盗作・盗用
- §3 試行もしないで作成即実用
- §4 新鮮味がないワンパターン
まえがき
――学力保障時代の授業力――
今,学校・教師に求められていることは,次の3つのことである。それは,教育改革,学校改革の到達点と考えられるからである。
○ 基礎学力を確実に定着させる。
具体的には学力意欲を高める(関心・意欲・態度),考えることができるようにする(思考・判断),分かるようにする(知識・理解),できるようにする(表現・処理または技能),学習したことが活用できるようにする(適用・応用,発展・創造)である。
○ 生徒指導(生活指導)・道徳教育を徹底する。
具体的には,基本的な生活習慣を確実に定着させる。誠実さ,礼儀,論理観,感謝の心,思いやりの心,自然や生命を大切にする心,勤勉さなど豊かな人間性を育成する。
○ 充実した人生を送る基盤としての心身の健康の保持・増進やスポーツを楽しむ習慣や意欲,技能を身に付けるなどである。
これらのこと,つまり上記の基礎学力等を子どもたちに保障するためには,教師の授業力と評価力が必要である。どのように立派な教育理念を持っていても,どのように優れた教育内容と教育活動を用意しても,それを実現する「技能」としての授業力と評価力を教師自身が身に付けていなければ,基礎学力等を保障する教育活動,授業は展開できないのである。
教師には,子どもや保護者から「子どもを確実に高めることのできる技能」を持ち,かつ発揮することが求められているのである。
そこで,私たちは,学力保障が強く求められる時代の教師に特に必要な「技能」(授業力や評価力)には,どのようなものがあるかを洗い出し,整理し,分かりやすく10巻にまとめてみた。その際,比喩的に言えば,次のようなことを念頭に置いて編集した。
○ 魚料理の食べ方を学習させる。――すぐ使える。
○ 魚の料理の仕方を学習させる。――使い方が分かる。
○ 魚の取り方を学習させる。――入手することができるようにする。
○ 魚の育て方を学習させる。――開発できるようにする。
つまり,すぐ役立つ知識・技能から,自分で創造・開発できるようになるヒントまでを整理し,まとめるよう努力したつもりである。それも,このようにしたらどうかという仮定や想定としての意見ではなく,実際に実践したこと,体験を基に生み出した知恵,よりよいものを生み出していくための考え方や方法などを具体的に紹介するようにした。
若い先生方,教育に情熱を持ち,さらにステップアップしようと努力している先生方の目に留まり,先生方の授業の充実,研修の手掛かりとして役立つことができれば幸いである。
本書を構想し,書き進める過程で大勢の方々にお世話になりました。特に,ご多用の中から本書のためにご執筆いただいた先生方に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
また,本書の企画の段階からお世話いただいた明治図書編集部の安藤征宏氏に対して,特に名を記して感謝の意を表します。
2003年6月 編者 /小島 宏 /寺崎 千秋
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- 明治図書