- はじめに
- 第1章 社会科を楽しく学ぶ仕掛けづくり
- ○仕掛けづくりをこう考えよう
- 1 授業にもウォーミングアップを
- 2 教材×○○○で楽しく学ぶ
- 3 ネタの開発・資料の工夫
- 4 発問・学習問題,学習形態の工夫
- 第2章 学年・単元別 楽しく学ぶための仕掛け術
- 【3・4年】
- ○3・4年生の社会科授業を教える際のポイント「地域学習をなんとかしよう!」
- 1 自分たちの住む地域の地理 「地図記号を体で覚えよう」
- 2 地域の人々の生産や販売 「商店街をつくろう」
- 3 地域の人々の生産や販売 「ふるさとパックを作ろう」
- 4 水・電気・ガスについて 「水はどうやってきれいになるの?」
- 5 廃棄物の処理について 「ごみのしょりをVTR・4コママンガで」
- 6 地域における災害・事故 「学校が火事になったら」
- 7 地域における災害・事故 「消火栓はどこに作る?」
- 8 地域の人々の昔の暮らし 「古いもの博物館・パンフレットを作ろう」
- 9 地域の人々の昔の暮らし 「ビフォー・アフター○○○」
- 10 47都道府県の名称・位置 「都道府県チャレンジ」
- 11 47都道府県の名称・位置 「都道府県カルタ」
- 12 県内の主な都市 「○○○滞在記」
- 13 県全体の産業 「究極の○○県弁当を作ろう」
- 【5年】
- ○5年生の社会科授業を教える際のポイント「ICTの活用と学習問題の工夫を」
- 1 主な国の名称と位置 「日本はどこにありますか?」
- 2 世界の主な大陸と海洋 「フラッシュでおぼえよう!」
- 3 我が国の位置と領土 「日本の一番南の都道府県は?」
- 4 特色のある自然のもとでの人々の生活 「この家は沖縄?雪国?」
- 5 特色のある自然のもとでの人々の生活 「引っ越し物語」
- 6 我が国の農業 「コメができるまですごろく」
- 7 我が国の農業 「広島でりんごを作っている?」
- 8 我が国の水産業 「すしネタはどこから?」
- 9 我が国の食料環境について 「日本の自給率はどれぐらい?」
- 10 我が国の工業 「工場はどこにつくる?」
- 11 放送・新聞と国民生活とのかかわり 「このCMはどこがポイント?」
- 12 放送・新聞と国民生活とのかかわり 「ニュース番組ができるまですごろく」
- 13 情報社会と国民生活とのかかわり 「まちがった情報でどうなる?」
- 【6年】
- ○6年生の社会科授業を教える際のポイント「ドラマティック,ミニエクササイズ」
- 1 歴史の導入 「地球の歴史を1年に例えると」
- 2 狩猟・採集の時代 「縄文人はグルメだった」
- 3 農耕生活のはじまり 「縄文→弥生 くらしの変化ランキング」
- 4 古墳時代 「古墳の大きさは?」
- 5 大仏の造営 「大仏のパーツを作ろう」
- 6 大仏の造営 「大仏で世の中はよくなった?」
- 7 貴族の生活 「貴族の暮らしはいい暮らしだった?」
- 8 源平の戦い 「壇ノ浦の戦いを見よう」
- 9 元寇 「元がもう一度攻めてきたら」
- 10 戦国時代 「戦国武将にヒーローインタビュー」
- 11 信長・秀吉・家康の天下統一 「3人の武将で一番優れているのは?」
- 12 江戸幕府のしくみ 「大名行列クイズ」
- 13 江戸時代の身分制度 「本当はこわいずいずいずっころばし」
- 14 江戸時代の文化 「一人選んでまとめよう」
- 15 黒船来航から明治維新 「鎖国をしない方がよかったのか?」
- 16 日清・日露戦争 「二つの戦争は日本にとってよかったのか?」
- 17 第二次世界大戦 「焼き場に立つ少年」
- 18 民主的国家としての再出発 「オリンピックの写真から」
- 19 日本の政治 「国会へ行こう!」
- 20 日本の政治 「もし,税金がなかったら」
- 21 基本的人権の尊重 「もし,基本的人権の○○○がなかったら」
- 22 平和主義・国際貢献 「第二次大戦以降戦争をしていない国は?」
- 23 平和主義・国際貢献 「日本の地雷撤去の活動」
- 24 世界の国々 「世界の国々クイズ大会」
- 第3章「楽しい」を「さらに深く学ぶ」につなげていくために
- 1 『新しく知る』ことが社会科の最大のおもしろさ
- 2 資料の読み取らせ方
- 3 ノートの鉄則「バン・カイ・ギ」
- 4 自分の考えの書き方
- 5 知識もきちんと定着させる
- おわりに
はじめに
「社会科の授業を楽しくしたい!」
あなたは,そういう願いをもって,この本を手に取ってくださったのではないでしょうか?
おめでとうございます。あなたは運がいい。この本は今までの社会科の本と違います。かしこまった正装のような授業ではなく,普段着のTシャツのような授業が詰め込まれています。いっしょに楽しい社会科の授業を考えていきましょう!
■社会科は人気がない教科?
ちなみに,あなたは小学校時代に社会科が好きでしたか?嫌いでしたか?この「好きか,嫌いか」について興味深いデータがあります。
児童の各教科の「好き・嫌い」について,全国で行われた「義務教育に関する意識調査」(文部科学省:2005年6月)では,「好き」と答えた割合(複数回答)が,体育科が80.8%で1位,社会科は47.0%で最下位。2006年にベネッセが実施した「第4回学習基本調査報告書・国内調査?小学生版」でも,好きな教科の第1位は体育科で84.9%,社会科は48.0%で,ここでも堂々の最下位でした。社会科は嫌われているのです。
『いやいや,これは9年前のデータなので,最近は違うでしょう…。』
はい,若干変化がありました。
学研が行った小学生の実態調査(2013年3月調査)の結果「小学生白書Web版」では,「好きな教科」で社会科は7位(4.9%),「嫌いな教科」では5位(6.9%)でした。(ちなみに,1位はどちらも算数。)
調査を行った機関が違うことと,標本数や対象が違うので,単純に社会科好きが増えたとは言えないでしょう。いずれにしても,これらの調査の結果から言えることは「社会科は人気がない。」ということになるでしょうね。
■その要因は?
調査結果の概要では理由については触れられていませんでしたが,以前担任した子どもたちからは「何を調べたらいいかわからない。」「おもしろくない。」「むずかしい言葉が多い。」といった声が多く聞かれました。この言葉はおそらく一般的なものでしょう。この本を読んでいる皆さんはどうですか?子ども時代の社会科は暗記教科のイメージが強かったのではないですか?しかも,言葉が難しい,漢字が多い…。ああ,無味乾燥…。
また,社会科の指導が苦手だと感じている教師も私の周りには多いです。「楽しくやりたいが,どう指導したらいいのかわからない。」ということが要因のようです。確かに,6年生では学習内容に対して配当時間が短かったりして,教える先生もあせって「覚えさせよう」というところに落ちていきます。聞いた話ですが,ひどい場合には「読み物社会科」,つまり,教科書の本文を読んでおしまいにする,という授業をやってしまう場合もあるそうです。結果,どうなるかというと,授業中に鑑真の肖像画に髪の毛やひげを描いたりする子どもが続出するのです。つまらないうえに内容はわからない…。社会科の人気がなくなるのも当然です。
あとは,その逆。社会科の王道をやりすぎる先生。「自動車工場ではどんな工夫をしているのだろう。」学習問題を提示して,調べて,まとめて…。確かに王道です。でも,知的にはおもしろいのですが,これについてこられるのはクラスの3分の2ぐらい。ひどい場合は半分ぐらいです。ああ,これでは,やっぱり,社会科の人気は上がらない…。
■今こそ社会科を楽しくする仕掛けを
そこで本書では,子どもが楽しく学べる社会科授業を紹介することにしました。ここに書いてあることは,私がこれまでの教師生活の中で試行錯誤しながら取り組んできた実践の中で効果があったものです。苦手な先生でも大丈夫!軽〜い感じの「ライトな社会科」です。きっと子どもが笑顔で社会科を学んでいきます。そして,教えている先生も笑顔になれます!
やってみようと思います!
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