- はじめに
- 第1章 小学校国語 領域のポイント24
- 第1節 話すこと・聞くこと
- 1 【話すこと】聞き手を意識する
- 2 【話すこと】わかりやすい話し方をする
- 3 【話すこと】話す経験を積む
- 4 【聞くこと】聞くことの基本を指導する
- 5 【聞くこと】考えを広げたり深めたりする聞き方を目指す
- 6 【聞くこと】よい聞き方を褒めて広げる
- 7 【話し合うこと】話し合うことの目的を伝え,よさを共有する
- 8 【話し合うこと】話し合うことに慣れる
- 9 【話し合うこと】様々な話し合い方法を経験する
- 第2節 書くこと
- 1 まずは書くことに慣れることが大事
- 2 楽しく書く工夫を取り入れる
- 3 「読むこと」の学習で学んだ書きぶりを生かして書く
- 4 様々な条件と形式で書く
- 5 書いたものを様々な方法で活用する
- 6 ねらいを絞り,無理のない範囲で添削する
- 第3節 読むこと
- 1 【物語文】まずは基本設定を押さえる
- 2 【物語文】物語の概要を捉える
- 3 【物語文】物語の主題を捉える
- 4 【説明文】文章構成を捉える
- 5 【説明文】読解技能を身に付ける
- 6 【説明文】「書く」学習につなげる
- 7 【詩】題名とリズムに着目する
- 8 【詩】作者が用いている表現技法に着目する
- 9 【詩】創作活動や音読発表などにつなげる
- 第2章 小学校国語 授業づくりのポイント24
- 第4節 言語活動・単元づくり
- 1 単元のねらいに沿った言語活動を設定する
- 2 言語活動充実のための手立てをうつ
- 3 様々な言語活動を経験する
- 第5節 授業の導入
- 1 「読むこと」の学習では,初発の感想を活用する
- 2 学習の見通しをもつ
- 3 導入の活動で学習のエンジンをかける
- 第6節 発問
- 1 子どもの「?」を発問に生かす
- 2 子どもの思考をゆさぶる発問をする
- 3 付けたい形成学力を絞り,それに沿った発問をする
- 第7節 説明と指示・机間指導・発表
- 1 説明と指示のレベルを高める
- 2 机間指導を行い,授業のねらいの達成に向かう
- 3 子どもの発表につながりをもたせる
- 第8節 板書
- 1 最低限必要なことをわかりやすく書く
- 2 子どもの意見を板書し,子どもが板書に参加する
- 3 子どもの思考を深めるために,構造的に板書する
- 第9節 ノート指導
- 1 ノートをとる目的とは
- 2 ノートに自分の意見を書く
- 3 ノート技能の向上を図り,思考を深めるためのツールにする
- 第10節 ICT活用
- 1 ICTは情報収集に便利
- 2 発表・表現場面でICTを有効活用する
- 3 ICTを活用して交流の選択肢を増やす
- 第11節 まとめ・振り返り・評価
- 1 授業の最後にその時間の学びを振り返る
- 2 評価の根拠を継続的に積み重ねる
- 3 学習評価を子どもの成長と教師の指導改善に生かす
- 第3章 小学校国語 活動のポイント15
- 第12節 音読指導
- 1 音読指導の基本
- 2 物語文の音読指導
- 3 説明文の音読指導
- 第13節 漢字指導
- 1 自分のペースで漢字学習に取り組む
- 2 漢字活用能力を鍛える
- 3 楽しく漢字に触れる
- 第14節 語彙指導
- 1 語彙の量を増やす
- 2 語彙の質を高める
- 3 理解語彙から使用語彙へ
- 第15節 用語指導
- 1 学習用語の定義を教える
- 2 物語文の主な学習用語
- 3 説明文の主な学習用語
- 第16節 読書活動
- 1 楽しい読書活動を行う
- 2 本を身近に感じる教室環境にする
- 3 「読むこと」の学習材をきっかけに読書の世界を広げる
- おわりに
はじめに
「国語の授業の仕方がわかりません」
「国語の授業に苦手意識を感じています」
「国語の授業になると子どもがつまらなそうにしています」
「国語の授業力をつけるにはどうすればよいでしょうか」
こうした相談を、先生方から受けることが多くあります。その気持ち、とてもよくわかります。私自身も、国語の授業に苦手意識を感じていた一人だったからです。
私が苦手意識を感じていた理由は、算数や理科に比べて、国語は何をどのように教えたらよいのかが今一つピンと来なかったからです。
算数は、例えば「三角形の面積」を求める際、教えなければいけないことがはっきりしています。「底辺×高さ÷2」という公式です。そしてその公式と考え方は教科書に目立つように載っています。答えもはっきりしており、合っているのか間違っているのかがすぐにわかります。
しかし国語は、例えば物語文で「人物の気持ち」を読み取る際、どのように、そしてどこまで読み取ればよいのか、教科書を読んでもどうもはっきりしません。大まかな学習の流れや手立ては載っているものの、算数の公式のように答えまでの道筋は一つではありません。答えも一つに限らず、幅広くなります。
今となっては、そういうところが国語の授業の魅力であり、面白さであると感じていますが、当時は「どうやって教えたらいいのかなあ…」と困ったものです。教えている私がそのような状態で自信をもてないまま授業を行っていたので、子どももつまらなそうにしており、ますます落ち込みました。私のイメージや主観だけでサラッと流して終わってしまったことも多々あり、反省だらけでした。
「このままではまずい」と思い、その後、校内で先輩の授業を見せてもらったり、教育書や教育雑誌を読んだり、校外の国語セミナーや研究授業に参加したりしました。多くの方々から学びを受けながら、「こうすればよいかもしれない」「これを取り入れてみよう」と自分なりに試行錯誤を繰り返して、今に至ります。
本書は、私のように、国語の授業づくりについて悩んでいる先生方に向けて書きました。決して「これが完成形」というものではなく、「現段階(2022年現在)での」私の考えをまとめたものです。
多くの人にとって使いやすい内容になるように、「領域」「授業」「活動」ごとにポイントを分け、全63項目と幅広くまとめる形にしました。どこからでも読める内容になっておりますので、今悩んでいるところから読んでいただければと思います。
本書が先生方の「授業の引き出し」を増やし、国語授業づくりの一助となれば、望外の喜びです。
/浅野 英樹
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- 明治図書