- はじめに
- T章 学習指導の名人とは
- §1 名人の心構えとは
- 1 教師としての自覚
- 2 子どもへの愛情
- §2 名人の授業とは
- 1 導入の工夫
- 2 発問の工夫
- 3 学び合いの工夫
- 4 まとめの工夫
- §3 名人の教材研究とは
- 1 授業内容の理解
- 2 教材・教具の準備
- 3 ワークシートの準備
- §4 名人の評価とは
- 1 評価の理解
- 2 支援の工夫
- U章 若手教師のための学習指導の基本10箇条
- §1 学級のルールづくりの基本と手立て
- 1 最初の出会い
- 2 子どもたちとの距離
- 3 基本的な習慣から
- 4 優先順位をつける
- 5 具体的な指導を
- 6 一貫性をもつこと
- 7 子どもたちからのルールづくり
- §2 教材研究の基本と手立て
- 1 教材研究の基本
- 2 教材研究の手立て
- 3 教材研究チェックリスト
- §3 授業づくりの基本と手立て
- 1 授業づくりとは何か
- 2 授業づくりの基本と手立て
- §4 授業の進め方の基本と手立て
- 1 授業のねらいは明確ですか?
- 2 授業の流れ全体をイメージしていますか? 〜見通しを持つ〜
- 3 活動させる準備はできていますか?
- 4 個に応じた指導・援助の具体的な方法がありますか?
- 5 話合いをコーディネートできますか?
- 6 今日の授業の終わりは,明日の授業の始まり
- §5 効果的な板書の基本と手立て
- 1 課題を明確にする板書
- 2 思考を深め,整理をするための板書
- 3 学習内容をまとめ確認する板書
- 4 板書するときの注意点
- §6 ノート指導の基本と手立て
- 1 ノート指導の意義と機能
- 2 ノート指導の実際
- 3 子どもにノートをつくる喜びを
- §7 個に応じた指導の基本と手立て
- 1 「個に応じた指導」の目的
- 2 「個に応じた指導」の基本
- 3 個に応じた指導の手立て
- 4 個に応じた指導の手立ての視点
- §8 授業での評価と支援の基本と手立て
- 1 評価の基本的な考え方
- 2 指導と評価と支援の一体化
- 3 評価と支援の進め方
- §9 TT,少人数指導の基本と手立て
- 1 TTによる指導とは
- 2 TTによる指導の準備
- 3 TTによる指導の実際
- 4 少人数指導とは
- 5 少人数指導の準備
- 6 少人数指導の実際
- §10 授業力の高め方の基本と手立て
- 1 授業力を高める3つの要素
- 2 授業力を高める具体的方策
- V章 若手教師の学習指導・教科等の特質に応じた指導のポイント
- §1 国語科ではどんな指導が望まれるか
- 1 国語科の授業のねらいは何か
- 2 国語科の授業づくりのポイント
- 3 国語科の授業の進め方
- 4 国語科の授業における評価
- 5 国語科の授業を上達させる道
- §2 社会科ではどんな指導が望まれるか
- 1 社会科の授業のねらいは何か
- 2 社会科の授業づくりのポイント
- 3 社会科の授業における評価
- §3 算数科ではどんな指導が望まれるか
- 1 算数科の授業のねらいは何か
- 2 算数科の授業づくりのポイント
- 3 算数科の授業の進め方
- 4 算数科の授業を上達させる道
- §4 理科ではどんな指導が望まれるか
- 1 理科の授業のねらいは何か
- 2 理科の授業づくりのポイント
- 3 理科の授業における評価
- 4 理科の授業を上達させる道
- §5 体育科ではどんな指導が望まれるか
- 1 体育科の授業のねらいは何か
- 2 体育科の授業づくりのポイント
- 3 体育科の授業の進め方
- 4 体育科の授業における評価
- 5 体育科の授業を上達させる道
- §6 道徳ではどんな指導が望まれるか
- 1 道徳の授業,はじめの一歩
- 2 道徳資料の活用
- 3 子どもの本音を引き出す発問づくり
- 4 道徳授業の効果的な板書
- 5 道徳の授業を盛り上げるアイデア
- §7 学級活動ではどんな指導が望まれるか
- 1 学級活動の授業のねらいは何か
- 2 学級活動の授業づくりのポイント
- 3 学級活動の授業の進め方
- 4 学級活動の授業における評価
- 5 学級活動の授業を上達させる道
- §8 総合的な学習ではどんな指導が望まれるか
- 1 総合的な学習の特質
- 2 総合的な学習のねらい
- 3 総合的な学習の授業づくりのポイント
- 4 総合的な学習における評価
- 5 総合的な学習の授業を上達させるポイント
- W章 若手教師学習指導の点検の仕方・生かし方
- §1 学習指導のチェックリスト
- §2 チェックリストの生かし方
- 1 学級の中できちんと授業ができるためのルールがありますか?
- 2 教材研究が行き届いた授業計画が立てられていますか?
- 3 子どもを引き込む導入ができましたか?
- 4 子どもに解決の見通しをもたせられましたか?
- 5 子どもが十分に自力解決できていましたか?
- 6 自力解決の場面で一人一人に応じた支援ができましたか?
- 7 学び合いの場面を取り入れることができましたか?
- 8 効果的なまとめをすることができましたか?
- 9 計画通りに授業ができましたか?
- 10 子どもにねらい通りの力が身に付けられましたか?
まえがき
以前,新規採用の教師たちに,採用された直後,こんな質問をしたことがあります。
「先生たちは,なんで教師になろうと思ったのですか?」
どの教師たちも元気よく,生き生きとこう答えてくれた。
「子どもたちが大好きだからです。」
「教師になるのは,小さい頃からの夢でした。」
「教育実習に行って,教師の仕事の素晴らしさを感じたからです」
しかし実際に教壇に立つと,教師の仕事の忙しさ,子どもや保護者への対応の難しさの壁に直面します。中には,この壁を乗り越えられずに,志し半ばで教職を辞する教師もいます。では,この壁を乗り越えるにはどうしたらいいのでしようか。
答えは,毎日しっかりとした授業をすることです。教師にとって授業が全てです。授業で子どもを育て,授業で子どもと関わり,そして,授業で教師自身も育っていくことを自覚している教師だけが,教師として成長することができるのです。
しかし,授業を上達させていくには,ただ毎日授業をしているだけでは不十分です。授業について具体的に,順を追って学んでいく必要があります。授業の名人と呼ばれる教師たちがいます。にこやかな表情で子どもに向かい,ねらいに沿ってスムーズに授業が流れていき,子どもは楽しげに教師の話を聞きながらも,ときには真剣な表情で課題に集中したり,自分の意見を発表したりし,最後には,どの子にも確かな力を育てていけるような授業ができる名人教師,若手教師には憧れの的でしょう。こんな名人教師の授業に近付くためのステップを紹介してみました。
意図的,計画的,継続的に努力を積み重ねていけば,必ず授業は上達していきます。授業がうまくいかない,子どもが集中しない,子どもに力がつかないと嘆く前に,まずはこの本に書いてあるポイントを参考に,自分の授業を振り返ってみることが大切です。不十分なことを,具体的に一つ一つ克服していくことで授業は上達していきます。この本が自信をつけていくための参考になれば幸いです。
最後になりましたが,ご多用のところ豊かな教職経験に基づく玉稿を賜りました諸先生方に心からお礼を申し上げます。また,企画,編集の全てにわたって温かくお世話いただいた明治図書教育編集部の安藤征宏氏に特に名を記して感謝の意を表します。
2005年10月 編者 /山岸 寛也
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- 明治図書
- 授業に対する基本的な考えを身につけるには参考となる図書である。2020/8/3060代・小学校教員