- はじめに
- 1章 主体的・対話的で深い学びを実現する!社会科授業デザイン
- 1 社会科での主体的・対話的で深い学びの実現
- 2 本書の読み方
- 2章 主体的・対話的で深い学びを実現する!社会科授業づくりの教科書 板書&展開プラン
- 1[日本の国土]
- 1 日本は世界のどこにある?
- (学習課題No.01〜02・2時間構成)
- 2 日本の国土の特徴は?
- (学習課題No.03・1時間構成)
- 3 日本の地形を調べよう(学習シート)
- (学習課題No.04・1時間構成)
- 4 日本はどこからどこまでか?
- (学習課題No.05・1時間構成)
- 5 高地と低地の暮らしを比べよう
- (学習課題No.06・1時間構成)
- 6 低地の暮らしの秘密を調べよう
- (学習課題No.07・1時間構成)
- 7 高地の暮らしの秘密を調べよう
- (学習課題No.08〜09・2時間構成)
- 8 日本の気候の特色を調べよう
- (学習課題No.10〜11・2時間構成)
- 9 風や山は気候と関係があるのか?
- (学習課題No.12・1時間構成)
- 10 暖かい地方と寒い地方の暮らし
- (学習課題No.13・1時間構成)
- 11 南北でできる砂糖
- (学習課題No.14・1時間構成)
- 12 日本の国土についてまとめよう!
- (学習課題No.15・1時間構成)
- 2[日本の食料生産]
- 1 私たちの食べ物
- (学習課題No.16〜17・2時間構成)
- 2 食料の産地を調べよう(学習シート)
- (学習課題No.18・1時間構成)
- 3[稲作農家の工夫や努力]
- 1 お米はどこから来ているのか?
- (学習課題No.19・1時間構成)
- 2 毎日,お米を食べられるのはどうしてか?
- (学習課題No.20・1時間構成)
- 3 1ヘクタール当たりのお米の生産量が増えたのはどうしてか?
- (学習課題No.21・1時間構成)
- 4 どうしてお米にはいろいろな品種があるのか?
- (学習課題No.22・1時間構成)
- 5 水田はどうして規則正しくまっすぐなのか?
- (学習課題No.23・1時間構成)
- 6 稲作にはどんな機械がつかわれているのか?
- (学習課題No.24・1時間構成)
- 7 農薬や化学肥料はつかいすぎてはいけないのか?
- (学習課題No.25・1時間構成)
- 8 米づくりにはどんな課題があるのか?
- (学習課題No.26・1時間構成)
- 9 日本の農業生産についてまとめよう!
- (学習課題No.27・1時間構成)
- 4[水産業の工夫や努力]
- 1 日本はたくさんの魚を食べている?!
- (学習課題No.28・1時間構成)
- 2 どうやって魚を獲っているのか?
- (学習課題No.29・1時間構成)
- 3 獲った魚はどうなるのか?
- (学習課題No.30・1時間構成)
- 4 焼津漁港が他の漁港と違うのはどうしてか?
- (学習課題No.31・1時間構成)
- 5 なぜ,養殖業だけが増えているのか?
- (学習課題No.32・1時間構成)
- 6 育てた魚をどうして放すのか?
- (学習課題No.33・1時間構成)
- 5[これからの食料生産]
- 1 食料自給率38%で大丈夫なのか?
- (学習課題No.34・1時間構成)
- 2 輸入品が増えるとどんな影響があるのか?
- (学習課題No.35・1時間構成)
- 3 これからの食料生産の課題は?
- (学習課題No.36・1時間構成)
- 4 日本の食料生産についてまとめよう!
- (学習課題No.37・1時間構成)
- 6[日本の工業生産]
- 1 暮らしの中にある工業製品は?
- (学習課題No.38〜39・2時間構成)
- 2 工業生産地が集中しているのはなぜか?
- (学習課題No.40・1時間構成)
- 3 工業生産額が急激に伸びたのはなぜか?
- (学習課題No.41・1時間構成)
- 7[自動車工業の工夫や努力]
- 1 豊田市ではどれくらいの自動車をつくっているのか?
- (学習課題No.42・1時間構成)
- 2 自動車はどのようにつくられているのか?
- (学習課題No.43・1時間構成)
- 3 自動車づくりにはどんな工夫があるのか?
- (学習課題No.44・1時間構成)
- 4 3万個の部品はどこでつくられているのか?
- (学習課題No.45・1時間構成)
- 5 どうして納車まで1カ月以上もかかるのか?
- (学習課題No.46・1時間構成)
- 6 自動車はどのようにして運ばれるのか?
- (学習課題No.47・1時間構成)
- 7 自動車大国である日本の課題は?
- (学習課題No.48・1時間構成)
- 8 日本の自動車工業についてまとめよう!
- (学習課題No.49・1時間構成)
- 8[日本の工業を支えるもの]
- 1 大工場を支える中小工場の秘密は?
- (学習課題No.50〜51・1〜2時間構成)
- 2 伝統工業って何だろう?
- (学習課題No.52・1時間構成)
- 3 工業製品はどのように運ばれるのか?
- (学習課題No.53・1時間構成)
- 4 工業製品の材料はどこから?
- (学習課題No.54・1時間構成)
- 5 工業製品はどこへ?
- (学習課題No.55・1時間構成)
- 6 これからの日本の工業
- (学習課題No.56・1時間構成)
- 7 日本の工業生産についてまとめよう!
- (学習課題No.57・1時間構成)
- 9[情報産業の工夫や努力]
- 1 私たちをとりまく情報はどこから?
- (学習課題No.58・1時間構成)
- 2 震災のとき,メディアはどう動いたか?
- (学習課題No.59・1時間構成)
- 3 ニュース番組はどのようにつくられているのだろうか?
- (学習課題No.60・1時間構成)
- 4 情報を集めて新聞を発行しよう
- (学習課題No.61・1時間構成)
- 10[情報ネットワークと国民生活の向上]
- 1 情報はどのように活用されているのだろうか?
- (学習課題No.62・1時間構成)
- 2 生活の中にあるネットワークとは?
- (学習課題No.63・1時間構成)
- 3 電子カルテって何だろう?
- (学習課題No.64・1時間構成)
- 4 病院と病院をつなぐネットワーク
- (学習課題No.65・1時間構成)
- 11[情報化社会を生きる]
- 1 情報化した社会って何だろう?
- (学習課題No.66・1時間構成)
- 2 情報化社会ではどんなことに気を付ければよいか?
- (学習課題No.67〜68・2時間構成)
- 3 情報活用宣言を発信しよう
- (学習課題No.69〜70・2時間構成)
- 12[森林を守る人々]
- 1 日本の自然にはどんな特徴があるのか?
- (学習課題No.71・1時間構成)
- 2 国土の3分の2の森林をどのように管理しているのか?
- (学習課題No.72・1時間構成)
- 3 どうして人工林がたくさんあるのか?
- (学習課題No.73・1時間構成)
- 4 天然林とはどんなところか?
- (学習課題No.74・1時間構成)
- 5 森林を守っていくためにどんなことが行われているか?
- (学習課題No.75・1時間構成)
- 6 日本の森林産業についてまとめよう!
- (学習課題No.76・1時間構成)
- 13[生活環境を守る人々]
- 1 公害から環境を守るとは?
- (学習課題No.77・1時間構成)
- 2 全国でどのような公害が起こったのか?
- (学習課題No.78・1時間構成)
- 3 四日市ぜんそくはどのように改善されたのか?
- (学習課題No.79〜80・2時間構成)
- 4 環境をもっとよくしていくためには
- (学習課題No.81・1時間構成)
- 5 日本の公害問題についてまとめよう!
- (学習課題No.82・1時間構成)
- 14[自然災害とともに生きる]
- 1 自然災害にはどのようなものがあるか?
- (学習課題No.83・1時間構成)
- 2 自然災害をどのように防ぐのか?
- (学習課題No.84・1時間構成)
- 3 防潮堤があれば平気なのだろうか?
- (学習課題No.85・1時間構成)
- 4 日本での自然災害についてまとめよう!
- (学習課題No.86・1時間構成)
- おわりに
はじめに
この春,刊行した『主体的・対話的で深い学びを実現する! 板書&展開例でよくわかる 社会科授業づくりの教科書』(シリーズ6年)に続き,(シリーズ5年)を刊行することができたことを嬉しく思う。
2017年3月に「新学習指導要領」が公示された。社会科では,3・4年生の学習内容が3年と4年に明確に分けられ,6年生では政治単元から始まるなどの配置換えが行われている。
さて,本書にかかわる5年生については,2−(1)「我が国の国土の様子と国民生活」では,これまでの「我が国の位置と領土」という表記から,「領土の範囲」と明示され,「竹島や北方領土,尖閣諸島が我が国の固有の領土であること」に触れることになっており,昨今の領土問題を意識する内容になっている。この点については,本書でも授業展開の中で触れるようにまとめている。2−(2)「我が国の農業や水産業における食料生産」では,特に「輸送方法や販売方法の工夫」が明示された。2−(3)「我が国の工業生産」では,「工業製品の改良」「製造の行程」「工場相互の協力関係」「優れた技術」が明示され,特に「貿易や運輸」が独立して示されている。本書でも,授業展開の中で「食料品の輸送や工業製品の運輸」などは重点的に取り上げている。また,今回の改訂における重点ともいえる「選択・判断する力」が(2),(3)で示され,様々な課題をどう乗り越えるべきか自分の考えを表現することが求められており,その点についても授業展開の「創り出す」場で位置付けている。
また,特に大きく変わったのは,2−(4)「我が国の産業と情報との関わり」であり,これまでは情報ネットワークの公共利用を中心とした内容であったが,新学習指導要領では,産業(販売,運輸,観光,医療,福祉)における情報活用の仕組みを学ぶ内容に変更されている。本書では,「医療」や「販売」を題材とした授業展開を紹介している。
さて,何かと話題の「アクティブ・ラーニング」であるが,新学習指導要領においては「主体的・対話的で深い学び」というねらいが定められ,授業におけるアクティブ・ラーニングの視点が明確になっている。「主体的な学び」は,見通しをもち,自らを振り返りながら次につなげていくこと。「対話的な学び」は,協働だけではなく,先生や地域の人との対話,先哲の考えを通じ,自分の考えを広げていくこと。そして,その上で教科における概念や考え方を活用した「見方・考え方」を働かせ問題を解決していくことが「深い学び」と読み取ることができる。「教科の見方・考え方を働かせた資質・能力の育成」について,新学習指導要領では,目標に(1)知識及び技能,(2)思考力,判断力,表現力等,(3)学びに向かう力,人間性等という形でわかりやすく明示されている。
本書では,手に取ってくれた先生たちがこの「主体的・対話的で深い学び」をわかりやすく理解できるような内容構成にしたいと考え,あえて1時間の授業,1時間の問題解決を重視した。そして,その中に,「主体的な学び」を生み出す場面,「対話的な学び」を生み出す場面,「深い学び」を生み出す場面を位置付けている。「このようなパターン通りにはうまくいかない」とお叱りを受けるかもしれない。それはごもっともである。しかし,私はこれから教師になろうとする若い先生や,社会科の授業がどうしてもうまくいなかいと悩んでおられる先生,アクティブ・ラーニングの視点で授業がしたいと考えている先生たちが,手に取ってすぐに実践できるように執筆をさせてもらった。
主体的・対話的で深い学びが横糸とするならば,縦糸となる社会科における資質・能力は,5年生では以下のように整理されている。ここに簡潔にまとめる。
(1) 国土の地理的環境の特色や産業の現状,社会の情報化と産業の関わりについて,国民生活との関連を踏まえて理解。各種の基礎的資料を通して,情報を適切に調べまとめる技能。
(2) 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考える力,社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断する力,考えたことや選択・判断したことを説明したり,それらを基に議論したりする力。
(3) 社会的事象について,主体的に学習の問題を解決しようとする態度や,よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度。多角的な思考や理解を通して,我が国の国土に対する愛情,我が国の産業の発展を願い我が国の将来を担う国民としての自覚。
5年生社会科では日本の地理的環境や産業との国民の関連が中心となり,教師もまた深い知識が必要となる。そのため,各項目では深い教材化ができるように学習内容を詳細に記したつもりである。授業づくりの手引きとしても活用していただければと考えている。本書をもとに授業を実践することで,子供たちの「アクティブ・ラーニング」を生み出す姿を見ることができると信じている。読者である先生たち自身が,本書をもとに実践し,うまくいったところ,うまくいかなかったところを加除修正しながら,自身の「見方・考え方」を広げていただければ,それは願ってもないことである。
/朝倉 一民
早く、本書を教えて欲しかったです。
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