- 出版に寄せて
- はじめに
- Ⅰ さあ,始めよう! 教育コーチング
- 「生きる力!」それはコーチングにあった
- なぜ,コーチングが必要とされているのか?
- コーチングの3つの基本の考え
- 学校に,コーチングが必要なのか
- コーチングをすると,何が変わる
- 失敗は成功の母
- ■COLUMN1■ 読書の薦め
- ■COLUMN2■ 叶うは口に十と書く
- コーチングの条件
- コーチングとティーチングの違い
- コーチングのプロセス
- ■COLUMN3■ 笑顔が一番!
- Ⅱ 教師の自己イメージを高めよう
- スタートは,個性を知る
- 自分自身を理解しよう
- 個性を探る
- 自己を磨く(セルフコーチング)
- 人はもともと向上心がある
- 生徒をひきつける魅力
- ビジョンを創り上げる
- ■COLUMN4■ 学ぶの語源は,真似るである
- ■COLUMN5■ マイナス思考も必要
- 賢者の教え
- 点の幸せ・線の幸せ
- まず行動する
- 自己の強みと弱みを知る
- ライフバランスのチェック
- ■COLUMN6■ 靴をそろえる
- Ⅲ 生徒をコーチし,意欲的に変えよう
- 社会変化に対応できる生徒を育てる
- コーチングが有効な場面
- できて当たり前?
- 生徒の長所を30個書き出そう
- 向上心が増すには,まずラポールが大切
- 愛ある言葉を使う
- 表情を読み取る
- 座る位置で,雰囲気が変わる
- 相手に合わせる(ペーシング)
- 話を聴くことの効果
- 承認する
- 1日100回褒める
- ■COLUMN7■ 褒め言葉
- ■COLUMN8■ 時間をお金に換算したら?
- 人生の主人公になる(MustからWantへ)
- モチベーションの与え方
- プレッシャーをかけずにやる気を引き出す
- ご褒美方式はほどほどに
- 相手に気持ちを伝える(メラビアンの法則)
- ショートコーチング
- 目標を分割する(エレファント技法)
- 「ティーチング」の基本
- 3つの聞き方
- 生徒の話は,否定しないで最後まで聴く
- 比較は注意が必要
- 沈黙する
- 話し上手
- 伝える技術
- は行五段活用
- イメージ化(アソシエイトとデソシエイト)
- 褒めるとは,長所を素直に伝えること
- 褒めることの苦手な理由
- 「怒る」と「叱る」の違い
- 4W1H
- WhyよりWhatが効果的
- リソースを引き出す
- 失敗したときの対処
- リーダー養成のためのコーチング
- 不登校生徒には
- おうむ返しで気持ちをつかむ
- 劣等感を取り去る
- 友だちづくりのポイント
- 3つのメッセージ
- 拡大質問と特定質問
- 肯定型質問と否定型質問
- 未来型質問と過去型質問
- 短所を長所に変える(リフレーミング)
- 教えることより見守る
- 立ち直りの意欲
- ■COLUMN9■ 会話の内容の大半は1分12秒で終わっている
- Ⅳ 職員同士が,仲良くなろう
- ストレスの一つは,職員室の人間関係
- 自己の価値観を知る
- 上司が部下にするコーチングの構造
- 仕事の優先順位をつける
- ■COLUMN10■ 今がグッドタイミング
- Ⅴ 保護者との関係も良くなります
- コーチングというカードをもつ
- 欲求の5段階
- 生徒の文化
- 受験は誰のため
- 心を無にする
- 人間力を高める
- おわりに
出版に寄せて
皆さんは,これまでの人生で「あの出会いがなかったら,今の自分はない」と言えるような出会いはありますか? きっと誰もがそういった人生の転機になるような経験をされているのではないでしょうか。
そして,もし自分がそういう出会いの縁になれたら,どんなに素晴らしいか考えたことはありませんか?
例えば,自分の教え子が大きくなって街でバッタリ出会ったときに「先生のお陰で今があります」「先生に会えて本当によかった」「人生の恩人です」などと言ってもらえたら,教師としての成就感を感じます。
教師は,出会う生徒の人生を大きく変えてしまう可能性があります。責任のある仕事であるとともに,自分の成長が数多くの人に多くの影響を与える職業です。反面,悩みも多い職業でもあります。
「生徒と信頼関係をつくるのが難しい」
「保護者とどう対応したらよいのかがわからない」
「同僚とギクシャクしている」
「生徒の将来の可能性を伸ばしてあげる方法がわからない」
例えば,学級の中に突然,不登校になってしまった生徒がいるとしましょう。考えられるすべての原因を探ってもよくわからない。本人に聞いても,「A君がいじめるから」と言うものの,いじめの実態は感じられない。挙句の果てには,本人のせいにしたり,保護者の子育てのせいにしてしまい,解決を放棄してしまうケースもあります。
本書は,そんな教師の悩みに対して神谷先生がコーチングを使って解決していったときのエッセンスを,一つ一つが読みきりの形でまとめたものです。
本書の使い方として,次のようなことが考えられます。
1 自分の抱える問題やテーマに照らし合わせて,必要であると感じる部分をそのつど活用する。
2 まずは,一通り読んでみて,納得のいく部分から活用する。
3 会議やディスカッションの材料として活用する。
同じように思える問題でも,それをつくっている原因が違うことがあります。原因が違えば解決策も変わります。
本書を読み進めていき,皆さんが抱える問題を探すとき,本書に書かれた解決策が必ずしも当てはまるとは限りません。すなわち,すべて納得のいくものであるとは限らないということです。
そこで「ここの部分は納得いかない」と読むよりも,「ここの部分は使えるぞ」,という気持ちで読んでいただくことをお勧めします。そのほうが吸収力が高まり,スキルをより活用できるようになるからです。
最後に教師と生徒との間に創られる「素晴らしい出会い」のきっかけに,本書を役立てていただけることを願って結びの言葉とさせていただきます。
コーチングアカデミー理事長 /佐藤 広康
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- 明治図書