- まえがき
- 第1章 マサ先生の中2英語「達人」指導法
- 1 中学2年の指導がその後の英語力を決める
- 2 中学2年で学ぶこととその留意点
- (1) 時制の概念1・過去形
- ◆暗記を支援する「思考させる指導」
- ◆規則変化動詞と不規則変化動詞
- (2) 時制の概念2・未来形
- ◆語順(位置)の問題
- ◆be going toとwill
- (3) 不定詞
- (4) 動名詞
- ◆生徒がもつと思われる疑問に先回りして指導する方法〜「進行形」との違いを説明する〜
- ◆表現を定着させる練習方法
- (5) 受動態
- (6) 比較級・最上級
- (7) つなぎ言葉(接続詞)
- ☆生徒を中心とした効果的指導法「パターンプラクティス」
- 第2章 プロ教師直伝! 中2英語 「達人」レッスンプラン
- ■Lesson 1 不規則変化動詞・1
- Lesson 1−A (英語が得意なクラスの場合)
- Lesson 1−B (忘れた生徒が多い場合)
- ■Lesson 2 不規則変化動詞・2
- ■Lesson 3 不規則変化動詞・3
- ■Lesson 4 不規則変化動詞・4
- ■Lesson 5 不規則変化動詞・5
- ■Lesson 6 不規則変化動詞練習・応用編
- ■Lesson 7 未来形「明日は晴れるかな?」
- ■Lesson 8 willとbe going to
- ■Lesson 9 「私の夢は宇宙飛行士になることです。」という表現の学習
- ■Lesson 10 「私は宇宙飛行士になりたい!」という表現の学習
- ■Lesson 11 「私は宇宙飛行士になるために勉強する。」という表現の学習
- ■Lesson 12 「私は宇宙飛行士になるための本を買った。」という表現の学習
- ■Lesson 13 「私は野球をするのが大好きだ。」という表現の学習
- ■Lesson 14 動名詞の“ing”と進行形の“ing”の違い
- ■Lesson 15 「『されている』,『された』」という表現・1
- ■Lesson 16 「『されている』,『された』」という表現・2
- ■Lesson 17 「『されている』,『された』」という表現・3
- ■Lesson 18 「〜される,〜された」とは言わない受動態
- ■Lesson 19 受動態応用形
- ■Lesson 20 受動態さまざま
- ■Lesson 21 受動態完結編
- ■Lesson 22 二つのもの・人の様子を比べる表現
- ■Lesson 23 一般動詞の文での比較級表現
- ■Lesson 24 応用練習(英語で考える基本練習)
- ■Lesson 25 三つ以上のものの中で「一番」を表す表現
- ■Lesson 26 「同じ」状況,「同じ」状態を表す表現
- ■Lesson 27 whenを使った接続文
- あとがき
まえがき
日本の教育は,大きな曲がり角にきています。教育の詰め込み主義が子どもをダメにすると言われた1970年代から80年代。その反省に立って進められたゆとり教育路線が,その完成を待つ間に失敗だと批判の嵐にさらされ,2002年から本格的に始まったゆとり教育改革は,大きな失敗としてすぐに方針変更を余儀なくされました。そして,また学力偏重主義とも言える教育内容に大きくシフトを切って,2012年に中学校では新しい学習指導要領が完全実施されることとなりました。学習時間からすれば,80年代に戻ったと言ってもよいくらいです。
この20年以上もの教育行政の試行錯誤は,日本の教育をある意味で大きく荒廃させました。子どもたちの学ぶ姿勢や学ぶ動機を大きく後退させたと言ってよいと思います。中学校の先生ならずとも多くの方が,小学校で身に付く学力に大きな不安を持つようになりました。ゆとり教育という名のもとに基礎学力を蔑ろにし,思考力が重要だと言って基本知識の習得を蔑ろにした結果,子どもたちの学力形成は不完全になり,子どもたちの学ぶ形は崩壊してしまったのです。
この反省の上に,新しい学習指導要領がスタートすることになったわけですが,子どもたちの学びの形が崩壊した今,新しい学びの形を私たち教師は,提案していかなければならないと思います。
この度,浅井氏が,中学2年生の英語に関して,従来の中学校の英語指導とは大きく違う教授法を提案していますが,まさに日本の英語教育の新しい学びの形の提案を浅井氏は行っているのです。
子どもたちにとって,英語を学ぶということは,どういうことなのか。浅井氏は,この本の中で子どもたちに明確にメッセージを送っています。この本の中で繰り広げられる英語の授業プランを,ぜひ,実践してみてください。子どもたちは,授業を通して,自然と英語を学ぶ意味を理解するはずです。
語学は,学問である前に,コミュニケーションツールなのだと,浅井氏は定義し,中学校の英語の授業を組み立てます。授業自体が,コミュニケーションとはどういうものなのか,そういうメッセージになっています。
教師という存在は,子どもたちの学ぶ興味を引き出す,ある種エンターテイメント性を要求される職業です。ぜひ,浅井氏(マサ先生)のパフォーマンスに耳を澄ませてください。きっと皆さんにとって,新しい英語教授法が,そこにはあると思います。この本の中から数多くのヒントを受け取っていただければ,幸いです。
それでは,マサ先生の英語の授業の始まりです!
2012年4月 /中土井 鉄信
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- 明治図書