- まえがき
- 第1章 マサ先生の中3英語「達人」指導法
- 1 中学3年間の学習がその後の英語力を決める
- (1) 英語学習の目標
- (2) 英語指導の前提と目標
- 2 中学英語学習の目標とその要点
- (1) 〔学習内容〕・・・言語の使用場面
- (2) 〔学習内容〕・・・言語の働き
- (3) 英語指導の条件
- 条件1:授業では英語が使える場面を創造する
- 条件2:学習者の年齢に合致している授業を実施する
- 条件3:教師・指導者をカバーする教材・教具を利用する
- 条件4:訳読中心の指導法に頼らない
- (4) 文法指導の際の注意点
- (5) パターンプラクティスを中心とした表現指導法
- (6) パターンプラクティスによる言語理解と習得
- (7) パターンプラクティスの弊害
- (8) アクティビティ
- (9) アクティビティの種類と利用法
- (10) 語学の4技能を体得する授業の方法
- (11) 生徒の英語学習モチベーションを高めるオプション
- 〔通信メディアの利用〕
- (12) イベント(コンテストなど)の定期的な実施
- 〔語彙力強化のイベント〕
- 〔会話・表現力強化のイベント〕
- 〔発表力養成のイベント〕
- 〔英語の生活体験(実体験)イベント〕
- 第2章 プロ教師直伝! 中3英語「達人」レッスンプラン
- 1 中学3年生指導の実際
- ■Lesson 1 完了形「ちょうど終わりました。」という表現
- ■Lesson 2 完了形の「完了表現」の様々な疑問文
- ■Lesson 3 行動の継続を表す表現
- ■Lesson 4 継続を意味する現在完了と完了進行形
- ■Lesson 5 経験を表す現在完了形
- ■Lesson 6 「公園を走っている少女」という表現
- ■Lesson 7 語順の正しい理解
- ■Lesson 8 文が語句を説明する,後置修飾の用法(関係代名詞目的格)
- ■Lesson 9 文が語句を説明する,後置修飾の用法(関係代名詞主格)
- ■Lesson 10 関係代名詞 who,which
- ■Lesson 11 関係代名詞 whose
- ■Lesson 12 関係代名詞の that
- ■Lesson 13 関係代名詞の what
- ■Lesson 14 疑問詞とto 不定詞を用いた表現
- ■Lesson 15 疑問詞+to 不定詞の文
- ■Lesson 16 間接疑問の表現
- ■Lesson 17 tell 人 to,ask 人 to,want 人 toの表現1
- ■Lesson 18 tell 人 to,ask 人 to,want 人 toの表現2
- ■Lesson 19 tell 人 to,ask 人 to,want 人 toの表現3
- ■Lesson 20 Itと不定詞を使った表現
- あとがき
まえがき
日本の教育は,大きな曲がり角にきています。2002年の教育改革が,失敗し,その反動として学力偏重を許容する風土の形成が日本に出来たことで,新しい学習指導要領ができました。
この20年以上もの教育行政の試行錯誤は,日本の教育をある意味で大きく荒廃させました。子どもたちの学ぶ姿勢や学ぶ動機を大きく後退させたと言ってよいと思います。中学校の先生ならずとも多くの方が,小学校で身に付く学力に大きな不安をもつようになりました。ゆとり教育という名のもとに基礎学力を蔑ろにし,思考力が重要だと言って基本知識の習得を蔑ろにした結果,子どもたちの学力形成は不完全になり,子どもたちの学ぶ形は崩壊してしまったのです。
この反省の上に,今回の学習指導要領がスタートするわけですが,子どもたちの学びの形が崩壊した今,新しい学びの形を私たちは,提案していかなければならないのです。
浅井氏が,中学校英語指導法の到達点としてここに提案する教授法は,従来の中学校の英語指導とは大きく違うものになっています。まさに日本の英語教育の新しい学びの形の提案を浅井氏は行なっているのです。
中学3年生と言えば,高校受験に直面する学年になりますが,受験英語の指導だけになってしまっては,今までのコミュニケーションとしての英語を指導してきたことが台無しになってしまいます。高校受験が英語教育のゴールではありません。コミュニケーションとしての英語は,まだまだ続く課題です。継続的な学びを子どもたちに喚起するような指導法として,浅井氏の提案にぜひ耳を傾けてほしいと思います。
子どもたちにとって,英語を学ぶということは,どういうことなのか。この本の中で繰り広げられる英語の授業プランを,ぜひ,実践してみてください。子どもたちは,授業を通して,自然と英語を学ぶ意味を理解するはずです。
語学は,学問である前に,コミュニケーションツールなのだと浅井氏は,定義し,中学校の英語の授業を組み立てます。授業自体が,コミュニケーションとはどういうものなのか,そういうメッセージになっています。
教師という存在は,子どもたちの学ぶ興味を生み出す,ある種エンターテイメント性を要求される職業です。ぜひ,浅井氏(マサ先生)のパフォーマンスに耳を澄ませてください。きっと皆さんにとって,新しい英語教授法が,そこにはあると思います。この本の中から数多くのヒントを受け取っていただければ,幸いです。
それでは,マサ先生の最終学年の英語の授業の始まりです!
2012年5月 /中土井 鉄信
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- 明治図書