- まえがき
- T章 指導要録の意義と改訂の趣旨
- §1 指導要録の性格と役割
- 1 指導要録の法令上の位置づけ
- 2 指導要録の役割
- 3 指導要録の作成と活用
- §2 学習指導要領の趣旨を生かした評価の在り方
- 1 新学習指導要領のねらいと評価の在り方
- 2 目標に準拠した評価と個人内評価
- 3 校内体制の整備と生徒や保護者への説明
- §3 指導要録の改訂の概要
- 1 指導要録の性格
- 2 指導要録の構成
- 3 学籍に関する記録
- 4 指導に関する記録
- U章 指導要録の解説と記入例
- §1 全般的な記入上の注意
- 1 記入の文字と訂正方法
- 2 記入の時期と記入欄
- 3 指導要録の編成
- §2 学籍の記録(様式1)
- 1 学校名・所在地・課程名・学科名の欄
- 2 年度・学年・校長氏名印・ホームルーム担任者氏名印の欄
- 3 生徒の欄
- 4 保護者の欄
- 5 入学前の経歴の欄
- 6 入学・編入学の欄
- 7 転入学の欄
- 8 転学・退学の欄
- 9 留学等の欄
- 10 卒業の欄
- 11 進学先・就職先等の欄
- §3 指導に関する記録
- T 「各教科・科目等の学習の記録」の記入
- 1 構成と解説
- 2 評定の欄
- 3 修得単位数の欄
- 4 修得単位数の計の欄
- 5 備考の欄
- 6 小計の欄
- 7 留学の欄
- 8 合計の欄
- 9 生徒氏名・整理番号の欄
- 10 記入例
- U 各教科・科目の「評価の観点」の解説と記入の手順
- 1 国 語
- 2 地理歴史
- 3 公 民
- 4 数 学
- 5 理 科
- 6 保健体育
- 7 芸 術
- (1) 芸術の評価についての総論
- (2) 音楽
- (3) 美術
- (4) 工芸
- (5) 書道
- 8 外国語
- 9 家 庭
- 10 情 報
- 11 農 業
- 12 工 業
- 13 商 業
- 14 水 産
- 15 家 庭
- 16 看 護
- 17 情 報
- 18 福 祉
- 19 理 数
- 20 体 育
- 21 音 楽
- 22 美 術
- 23 英 語
- 24 学校設定教科
- V 「総合的な学習の時間の記録」の解説と記入の手順
- 1 解説
- 2 記入の手順
- W 「特別活動の記録」の解説と記入の手順
- 1 解説
- 2 記入の手順
- 3 その他
- X 「総合所見及び指導上参考となる諸事項」の解説と記入の手順
- 1 解説
- 2 記入の手順
- 3 その他
- Y 「出欠の記録」の解説と記入の手順
- 1 解説
- 2 記入の手順
- V章 指導要録取扱い上の留意点
- 1 進学の場合
- 2 転学の場合
- 3 転入学の場合
- 4 編入学の場合
- 5 転籍の場合
- 6 退学の場合
- 7 留学の場合
- 8 休学の場合
- 9 原学年留置の場合
- 10 学校統合・学校新設等の場合
- 11 保存期間
- 12 その他
- W章 指導要録に関する一問一答
- 問1 定時制課程の場合、特に留意すべき事項は何か
- 問2 通信制課程の場合、特に留意すべき事項は何か
- 問3 単位制課程の場合、特に留意すべき事項は何か
- 問4 総合学科の場合、特に留意すべき事項は何か
- 問5 総合的な学習の時間の評価について、特に留意すべき事項は何か
- 問6 学習の習熟度に応じた学級編成をした場合の評定方法はどうなるか
- 問7 学校外における学修等の扱いについて,特に留意すべき事項は何か
- 問8 中高一貫教育校において、特に留意すべき事項は何か
- 付 録
- 文部科学省「通知」全文
- 高等学校生徒指導要録に記載する事項等(別紙第3)
- 各教科の評価の観点及びその趣旨(別紙第1)
- 高等学校指導要録(参考様式)
まえがき
文部科学省は,教育課程審議会答申(「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について」平成12年12月)を受けて,平成13年4月27日付で,各都道府県教育委員会等に対し,児童生徒指導要録の改訂を通知した。
今回の改訂は,自ら学び,自ら考える力の育成や基礎・基本の徹底等の学習指導要領が目指す学力の定着を,評価の側面から徹底しようとしたものである。特に基礎・基本の徹底については,学習指導要領で示す内容が教育課程の最低基準を示すものとして再確認され,その確実な習得が求められている。
改善の特徴は,第一に,評定について,従来からとられてきた目標に準拠した評価の方法が今回も継続されたが,評定の表示方法については,中学校までのものと一貫性が図られたことである。目標に準拠した評価を行うに当たっては,評価規準の設定とその工夫・改善を進め,評価の客観性,信頼性の確保に努める必要がある。
第二は,総合的な学習の時間の記録の欄が新設され,「学習活動」「評価」の項目が設けられたことである。各学校においては,評価の観点を工夫するなどして,この時間のねらいを生かした評価の具体的な方法について検討する必要がある。
第三は,「指導上参考となる諸事項」の欄が「総合所見及び参考となる諸事項」としてまとめられたことである。所見欄を活用して,生徒の特性や伸長の様子などを記録し,個人内評価を生かす必要がある。
このように,今回の指導要録の改訂は,指導要録の基本的な性格を維持しながら,目標に準拠した評価や個人内評価を重視した内容となっており,学習指導要領のねらいを生かすと共に,時代の要請に応えたものとなっている。
本書は,学習指導要領のねらいや評価の在り方の改善を踏まえ,次の点に留意して編集を行った。(1)指導要録の基本的性格や改訂のポイント等について解説すると同時に,各学校において具体的に活用できるものとなるよう心がけた。(2)指導要録の構成に沿って,丁寧な解説を行うとともに,できるだけ実際の記入に役立つ情報を提供した。(3)評価及び評定については,各教科等ごとに評価や評定の具体的な方法,手順等を示した。(4)進学,転学,転入学等の場合,指導要録をどのように取扱えばよいか,実際に役立つ記述を工夫した。(5)指導要録に関する疑問点を一問一答としてとりまとめた。
学習の評価は,指導の改善に生かされ,結果として生徒の学力の向上に結びつくものでなければならない。また,評価の在り方は,各学校が自己点検・自己評価を進め,説明責任を果たす上でも重要な課題になっている。本書が,多くの先生方に活用され,高校生の豊かな学力の形成につながるものとなれば幸いである。
平成13年12月 編者 /工藤 文三
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- 明治図書