21世紀の学びを創り出す
カリキュラムづくりから評価まで

21世紀の学びを創り出すカリキュラムづくりから評価まで

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各教科・道徳・総合の理論をどうつくりあげていけばよいのか、21世紀の学力づくりをにらんで提示し、それに添った実践事例を各教科で詳述。


復刊時予価: 2,563円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-263721-6
ジャンル:
評価・指導要録
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

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刊行に寄せて
はじめに
第T章 各教科・道徳・総合的学習の理論
第1節 総論  21世紀の学びを創り出す
第2節 国語科  表現愛に向かっていく子ども
第3節 社会科  社会に対する「見方・考え方」を深め続ける子ども
第4節 算数科  子どもが算数に感じる学習
第5節 理 科  自然を愛し,科学的な見方・考え方を深めていく子ども
第6節 生活科  豊かな生き方を創造する子ども
第7節 音楽科  新たな音楽の感じ方・楽しみ方をつくり出す
第8節 図画工作科  自ら造形活動をつむぐ子どもを育む
第9節 家庭科  よりよい生活を創り出す子どもを育てる
第10節 体育科  身体と対話する子どもを育てる
第11節 道 徳  よりよい自分づくりに向かう子どもを育てる
第12節 総合的学習  共生・共創をめざして学び続ける子ども
参考・引用文献
第U章 各教科・道徳・総合的学習の事例
第1節 各教科の本質的な実践事例
実践事例1 国語科  「詩を読もう」(3年)
実践事例2 社会科  「私たちの食生活と食料生産」(5年)
実践事例3 算数科  「きまりを見つけて,比で割合を表そう」(6年)
実践事例4 理 科  「ヒトや動物の体」(6年)
実践事例5 生活科  「町たんけんU」(2年)
実践事例6 音楽科  「トガトン音楽を楽しもう!」(3年)
実践事例7 図画工作科  「大地に,立てたり並べたり」(5年)
実践事例8 家庭科  「シンプル生活をめざそう」(5年)
実践事例9 体育科  「なわと音とで創る世界」(5年)
実践事例10 道 徳  「命かがやいて」(6年)
実践事例11 総合的学習  「ちょっといい町 大阪」(4年)
第2節 さまざまな関連を生かした事例
事例1 教科間の関連(音楽科と体育科との関連)
「子どもの中でかかわり合う,音楽科と体育科」
事例2 教科間の関連(生活科との関連を図った国語科学習)
「わたしのそだてている花ややさいをせつめいしよう」(2年)
事例3 総合的学習との関連(社会科と総合的学習との関連)
「総合的学習との関連を生かした中学年の社会科カリキュラム」
事例4 総合的学習との関連(総合的学習と家庭科との関連)
「関連の視点をもった家庭科学習」
事例5 校種間の関連(幼稚園との連携を図った生活科学習)
「わたしたちはもう,おにいさんおねえさん」(1年)
事例6 校種間の関連(中学校との連携を図った総合的学習)
「小・中学校が連携して子どもの学びを支える総合的学習に向けて」
事例7 校種間の関連(数学科との関連を考慮した算数科学習)
「割合を体で感じよう」(5年)
資料
1 特別活動
2 情報教育
参考・引用文献
おわりに

はじめに

 本書は,新しい教育におけるカリキュラムと評価のあり方について,本校の実践をもとに紹介しようとするものである。

 カリキュラムを,めざす子ども像に向かっての,子どもの育ちのための指導計画の総称として見たとき,各教科,道徳,特別活動,総合的な学習のすべては同一の目標へ向かうさまざまな局面であるということになる。そこでは,私たちはそれらを,それぞれ別個のものとしてではなく,互いに影響を与え合い,補完し合い,強め合う統一体としてとらえなければならない。またカリキュラムを,各教科,道徳,特別活動,総合的な学習のそれぞれに固有な指導計画として見たとき,それぞれは互いに異なる固有の目標へむかう独立体である。そして,それぞれの独立体もまた1時間ごとの授業を最小単位として,単元,学期などの単体ごとにさまざまに異なる局面をもってはいるが、それらのすべてがそれぞれ固有の目標への方向性と質を形成する統一体としての特性をもっている。

 カリキュラムのもつ上記のような,ときには互いに矛盾しているようにも思える多元的な要素を、一冊の本の中で語ろうとすることはきわめて困難なことである。しかし,私たちの眼前には日々成長をつづけ,学びをつづけている子どもが存在している。そこで私たちは、そのような子どもの学びの姿を出発点とし,回帰点とすることによって困難さを克服しようと試みた。すなわち,私たちは子どもを個人として見ることができるし,学級単位や,学年単位,あるいは学校単位で見ることもできる。それぞれの見方によって見え方は変わってくるが,どのような見方をしようと私たちの見ている子どもは同じ子どもである,という考え方である。あるいは,子どもこそが学びの主体であるので,研究の基盤も子どもに返したところから出発しようという考え方である。そこで、評価についても同様に考えた。すなわち,教師による教師のための評価ではなく,子どもによる子どものための評価という姿勢で考えようとした。

 私たちは以上のような姿勢で本研究に取り組んできたが,表現の稚拙さにより私たちの考えを充分に伝えきれなかったところも多々あると思われるので,その点については読者諸氏のご賢察をお願いしたい。また,本書の表題を「21世紀の学びを創り出す」としたが,私たちは教育実践・研究を永遠の前進の中にあるものと考えているので,本書を出発点として明日からはまたさらなる改善と進歩のための努力をつづけて行きたく,読者諸賢の忌憚のないご意見を願ってやまない。

 最後になったが,本研究を進めるにあたり大阪教育大学の諸先生方,ならびに大阪府・大阪市各教育委員会関係の諸先生方から直接・間接の多大のご指導をいただいた。また,研究協力委員の先生方には私たちと同じ視点からの多くの示唆をいただいた。ここに併せて衷心よりの謝意を表したい。


  平成13年11月

   大阪教育大学教育学部附属平野小学校校長 /長町 充家

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      明治図書

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