- 本書のねらい
- T章 小学校学習指導要領
- 前文
- 第1章 総則
- 第2章 各教科
- 第1節 国語
- 第2節 社会
- 第3節 算数
- 第4節 理科
- 第5節 生活
- 第6節 音楽
- 第7節 図画工作
- 第8節 家庭
- 第9節 体育
- 第10節 外国語
- 第3章 特別の教科 道徳
- 第4章 外国語活動
- 第5章 総合的な学習の時間
- 第6章 特別活動
- 小学校の標準授業時数について(現行→改訂後)
- U章 総則・教科・領域改訂のピンポイント解説
- SECTION1 総則
- 改訂のピンポイント解説 /安彦 忠彦
- 1 改訂の理念は「社会に開かれた教育課程」
- 2 「資質・能力」本位の教育課程・授業づくりを!
- 3 「主体的・対話的で深い学び」を生む指導過程を!
- 4 カリキュラム・マネジメント・サイクルを励行
- 5 「単元」レベルの授業づくりとその重点化を!
- 6 「教育内容の主な改善事項」の6項目に留意!
- SECTION2 国語
- 改訂のピンポイント解説 /木 展郎
- 1 国語科では、全ての学習の基盤となる言語能力の育成が重要
- 2 授業改善のために「主体的・対話的で深い学び」の実現を図る
- 3 「言葉による見方・考え方」をどのように働かせるか
- SECTION3 社会
- 改訂のピンポイント解説 /池野 範男
- 1 「社会」の目標表現の変更
- 2 社会的な見方・考え方を働かせる学習
- 3 3年と4年を区分したこと
- 4 安全・防災の学習の重視
- 5 世界や情報の学習の充実
- 6 国土・領土の学習の重視
- 7 6年の政治の先行学習
- 8 課題と問題の区別
- 9 小学校卒業までに身に付けること
- SECTION4 算数
- 改訂のピンポイント解説 /金本 良通
- 1 教科目標
- 2 領域の再編
- 3 指導内容の示し方
- 4 数学的活動
- 5 小学校算数科6年間の区切り
- SECTION5 理科
- 改訂のピンポイント解説 /角屋 重樹
- 1 教科等で共通して育成する資質・能力
- 2 理科で育成するもの
- 3 理科の目標
- 4 理科において充実するもの
- 5 理科における授業づくり
- SECTION6 生活
- 改訂のピンポイント解説 /久野 弘幸
- 1 生活科の教科目標をどのように理解したらよいか
- 2 教科目標の「三つの柱」をどのように理解したらよいか
- 3 「見方・考え方」をどのように捉えたらよいか
- 4 「内容」の改訂をどのように捉えたらよいか
- 5 スタートカリキュラムとカリキュラム・マネジメントの視点をどう生かすか
- SECTION7 音楽
- 改訂のピンポイント解説 /山下 薫子
- 1 教科目標の枠組みの変更
- 2 学年目標の枠組みの変更
- 3 指導内容の枠組みの変更
- 4 我が国や郷土の音楽に関する学習の充実
- 5 生活や社会の中の音楽に関する学習の充実
- 6 言語活動や学習方法の広がり
- SECTION8 図画工作
- 改訂のピンポイント解説 /阿部 宏行
- 1 三つの柱との関係を鮮明にした図画工作の教科目標
- 2 資質・能力を育むことがポイント
- 3 「2 内容」は「資質・能力」が前面に躍り出た
- 4 資質・能力を読み解く
- 5 【造形的な見方・考え方】を働かせるって何?!
- 6 形や色などの「知識」と,材料に関わる「知識」
- 7 思いを表すということ
- SECTION9 家庭
- 改訂のピンポイント解説 /長澤 由喜子
- 1 家庭科の特質に応じた「見方・考え方」
- 2 三つの内容のまとまりによる全体構成
- 3 「家族・家庭生活についての課題と実践」の新設
- 4 調理及び製作における一部の題材の指定
- 5 社会的課題に応じた内容の見直し
- SECTION10 体育
- 改訂のピンポイント解説 /日野 克博
- 1 目標・内容の構成
- 2 子供の体力向上や動きの習得
- 3 体育における「主体的・対話的で深い学び」の実現
- 4 運動領域と保健領域との関連
- 5 オリンピック・パラリンピックに関する指導
- SECTION11 特別の教科 道徳
- 改訂のピンポイント解説 /押谷 由夫
- 1 学校教育全体で道徳教育を充実させる―学校教育をリードする―
- 2 校長のリーダーシップの下に,道徳教育推進教師を中心に組織的・計画的に取り組む
- 3 「特別の教科 道徳」を道徳教育の要として機能させる
- 4 「考え,対話し,自己の生き方を深める」道徳授業の工夫
- 5 成長を認め励ます評価の工夫―評価観の180度の転換を求める―
- SECTION12 外国語活動
- 改訂のピンポイント解説 /吉田 研作
- 1 外国語活動としての英語教育
- 2 教科としての外国語教育
- 3 外国語の「何」から「何ができるように」への変化
- SECTION13 総合的な学習の時間
- 改訂のピンポイント解説 /黒上 晴夫
- 1 重要性の再確認
- 2 学校は何を設定するか
- 3 内容設定の例
- 4 評価に向けて
- SECTION14 特別活動
- 改訂のピンポイント解説 /杉田 洋
- 1 育てたい資質・能力の整理と目標の改善
- 2 キャリア教育の要の役割を果たす特別活動
- 3 自治的な話合い活動の充実と学級経営,生徒指導等との関連及び主権者教育の重視など
- 4 安全教育や集団宿泊活動を重視
- 5 各活動の学びの過程を明確化した指導改善
- 付章 幼稚園教育要領,小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント
- 文部科学省ホームページ発表資料
本書のねらい
本年3月31日に,幼稚園,小学校,中学校の次期学習指導要領が告示されました。高等学校については,来年3月に告示の予定です。正式実施は,幼稚園が平成30年度から,小学校は32年度から,中学校は33年度から,高等学校は34年度からですが,先行実施が小・中とも30年度から,高校は31年度からとされておりますので,条件整備が十分整わないまま実施されることになるでしょう。
本書はこれを受けて,先の中央教育審議会の答申を踏まえて今回改訂・告示された,小学校の学習指導要領の趣旨をできるだけ簡潔に,しかし的確に読者の方々に伝えようと努めたものです。その改訂の「ピンポイント」は何かについて,素早く理解できるように,関係する部分に直接・間接に関わった専門家の方々にまとめていただきました。とくに,学校で直接指導に当たられる先生方に,それぞれの学校の児童の実態に応じて,専門職としての教員の適切で柔軟な対応がとれるように配慮したつもりですが,足らざるところがありましたらご容赦の上,主体的な対応をお願いしたいと思います。
ここであらためて,文部科学省の示した今回の「改訂のポイント」というのを,要約的に掲げてみましょう。
第一に,「改訂の基本的な考え方」として,教育基本法,学校教育法などを踏まえ,「未来社会を切り拓くための資質・能力の一層確実な育成」と,その資質・能力を社会と共有・連携するための「社会に開かれた教育課程」をめざしたこと。その趣旨と目的を明確にするために,本文の前に,現行の法律の代わりに,新たに「前文」を掲げたこと。
第二に,知識の理解の質を高め,資質・能力を育む「主体的・対話的で深い学び」を,授業づくりの「視点」として重視したこと。その中身として,「何ができるようになるか」の明確化と,「我が国の教育実践の蓄積に基づく授業改善」を図ることが強調され,とくに前者では全ての教科等を「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の「三つの柱」で再整理したこと。
第三に,「各学校におけるカリキュラム・マネジメントの確立」を図ること。とくに,それによって「学習の基盤となる資質・能力」及び「現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力」の育成のために,「教科等横断的な学習の充実」が必要であり,また学校全体として学校外の人的・物的資源をも活用するとともに,P−D−C−Aのマネジメント・サイクルにより学習効果の確実な向上を図ること。
第四に,「教育内容の主な改善事項」として,「言語能力の確実な育成」,「理数教育の充実」,「伝統や文化に関する教育の充実」,「道徳教育の充実」,「体験活動の充実」,「外国語教育の充実」の6項目を挙げていること。「その他の重要事項」として,「幼稚園教育要領」との関連づけ,「初等中等教育の一貫した学びの充実」,「主権者教育,消費者教育,防災・安全教育などの充実」,「情報活用能力(プログラミング教育を含む)」,「部活動」の位置付けと外部団体との持続可能な連携,「子供たちの発達の支援(障害に応じた指導,日本語の能力等に応じた指導,不登校等)」への配慮を求めていること。
今回の改訂は,現場の先生方に従来以上に大きな負担を求める性質のものです。本書は,そのような中でも,以上の改訂のポイントを理解した上で,さらにその「ピンポイント」を切り取り,主要部分である「総則」,「各教科」,「特別の教科 道徳」,「総合的な学習の時間」,「特別活動」について,読者の知りたいところを分かりやすく解説しています。執筆者の方々のご労苦に感謝するとともに,ぜひ読者の先生方の手許に置いて,実際の指導に生かしていただけるよう願っています。
平成29年3月 編者 /安彦 忠彦
-
- 明治図書
- 変更点が分かりました2021/10/240代・小学校教員
- とっても納得できる一冊です。2018/9/7あつし
- 重要事項を簡潔にまとめてあるので、1つの項目について短時間で読めるところがよいと思う。2018/3/1050代・小学校管理職
- 学習指導要領改訂のポイントがわかりやすい2017/7/140代・小学校教員