- まえがき /岡田 健治
- まえがき /小林 幸雄
- 第T章 出会いの10日間で,保護者との信頼関係を築く
- 第2学年学級通信ひまわりNo.1 出会いの序章
- 第2学年学級通信おひさまNo.2 担任の願い
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.2 2年生がスタートしました
- 第2学年学級通信おひさまNo.3 最初の授業
- 第2学年学級通信ひまわりNo.5 みんなのことを考えて
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.7 教室はまちがうところだ
- 第2学年学級通信レッツ!チャレンジNo.6 前向きに考えよう
- 第U章 子どもの小さな「成長」を伝えることが信頼を作る
- 第2学年学級通信ひまわりNo.13 成長は加速的に突然訪れる
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.15 長い文章を書く
- 第2学年学級通信ひまわりNo.18 だからどうするかを考える
- 第2学年学級通信レッツ!チャレンジNo.23 人間関係づくりのゲーム
- 第2学年学級通信おひさまNo.25 だれとでも
- 第2学年学級通信レッツ!チャレンジNo.25 心が成長しています
- 第2学年学級通信ひまわりNo.62 成長の足あと
- 第2学年学級通信レッツ!チャレンジNo.69 温かい雰囲気を創る言葉
- 第V章 授業の様子を「描写」で伝える
- 第2学年学級通信レッツ!チャレンジNo.5 新出漢字は5つのステップで
- 第2学年学級通信おひさまNo.12 「あ」と「漢字文化」
- 第2学年学級通信レッツ!チャレンジNo.22 よくかんで食べよう
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.34 ‘対比’から‘主題’へ
- 第2学年学級通信おひさまNo.37 視点をかえて文章を書く
- 第2学年学級通信ひまわりNo.39 言葉は“北風と太陽”
- 第2学年学級通信おひさまNo.55 明日もお手紙は届きますか
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.55 かけ算九九の学習始めました
- 第W章 ていねいな連絡は,保護者に安心感を与える
- 第2学年学級通信ひまわりNo.51 運動会練習
- 第2学年学級通信レッツ!チャレンジNo.60 運動会練習 がんばります
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.41 運動会に向けて
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.43 運動会を終えて
- 第2学年学級通信おひさまNo.88 学習発表会(1)
- 第2学年学級通信おひさまNo.90 学習発表会(2)
- 第X章 子どもの成長を伝える 作品紹介の『技』
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.33 あったらいいな,こんなもの
- 第2学年学級通信レッツ!チャレンジNo.48 ひかりのおくりもの
- 第2学年学級通信レッツ!チャレンジNo.71 見たこと,かんじたこと
- 第2学年学級通信ひまわりNo.71 新年のちかい
- 第Y章 学級担任だからこそ書ける「子育て情報」の書き方
- 第2学年学級通信おひさまNo.9 対応力
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.25 道具と心
- 第2学年学級通信おひさまNo.26 「算数がわかる」ということ
- 第2学年学級通信おひさまNo.29 読書
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.35 成長の条件〜素直さ〜
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.38 あさがおのつる
- 第2学年学級通信レッツ!チャレンジNo.79 正直さということ
- 第Z章 伝え方1つで,読むのが待ち遠しくなる通信になる
- 第2学年学級通信みんなあつまれNo.30 水泳始めました!
- 第2学年学級通信ひまわりNo.71 楽しかったよ! 秋祭り
- 第2学年学級通信レッツエンジョイNo.105 たくさんの思い出ができました
- あとがき /岸本 勝義
まえがき
学級通信で親を味方につけるには,どのようにすればよいのだろうか。
私は,
学級通信には,子どもの事実を書く。
ということが極めて重要であると考えている。
こんなことは,当たり前だ。当たり前のことだが,これが,結構難しい。
無意識のうちに,教師の見栄が,文章の中に入ってしまうことがあるのだ。
たとえば,「授業中,活発な討論が続いた」と書くことは実に簡単であるが,実際に,これを行うことは,容易なことではない。また,「どの子も熱中していた」ともすぐ書けるが,実際にそのような状態を持続することは,結構難しい。
良いことを書こうとして,見栄をはらないことが大切だ。
教師が,学級通信で親を味方につけるには,子どもの事実のみを忠実に示すべきなのである。いくらうまいことを書いても,子どもの事実と異なっていれば,親は教師を信用しない。親は,子どもの事実のみを見ているのだ。
1学期の終業式が終わって,子どもたちが下校した後に,「真っ黒に日焼けした子どもたちが,登校してきました。学校に子どもたちの元気な声が戻ってきました」等と,2学期の始業式に渡す学級通信を書いている教師もいる。しかし,これは,ダメだ。
向山洋一氏(TOSS代表)は,『教師の才能を伸ばす――京浜教育サークルの秘密』(明治図書)で,
理念で教育を語ろうとする人がいる。こうあるべきだということを前提にするのである。しかし,教師は子どもを日々預かっているのである。その教育がどうであったか,子どもがどうなったかということこそ判断行為の基準にすべきだ。「思い」で教育を語るのではなく「事実」で教育を語るべきなのである。「事実」を見る目をきたえていくことだ。
「事実」を「正確に」「分析的に」見られるというのは,プロの目を持っている人だけに可能なのである。
と述べている。
子どもの事実のみを正確に,しかも分析的に,忠実に描写すること。これこそが,学級通信で親を味方につける最高の方法なのである。
それでは,どのようにして,子どもの事実を描写したらよいのだろうか。
最近,若い先生方から,「学級通信を出したいけれど,書くことが思いつきません。どんなことを書いたらよいのでしょうか」といった相談をよく受ける。
「事実のみを書くべし」と言われても,すぐには,筆が進まないだろう。
なるほど,パソコンを前に,いくら悩んでも,具体的なサンプルがなければ,イメージが湧かないのは,無理からぬことである。
本書は,そんな悩みを解決してくれるはずである。
本書には,「学級通信で親を味方につけるアイデア」が満載されている。
各章には,学級通信の書き方や書く時の配慮事項を示し,かつ,サンプルの学級通信を多数収録している。
サンプルの学級通信は,ベテラン教師・中堅教師・青年教師が,実際に発行したものを忠実に再現している。
ただし,個人情報の保護等に配慮して,加工している点はお許しいただきたい。また,昨今,学級通信も学校発の文書として,校長決裁となっている。そっくりそのままの学級通信を出版するには,障害が多すぎることは,ご理解いただけると思う。
したがって,学級通信名,学校名,児童氏名や行事予定等も架空のものとしているので,あらかじめご了承いただきたい。
教師の仕事は,子どもの可能性を信じ,可能性を引き出すために努力を重ねることである。
ぜひ,本書を参考にして,教室での子どもの事実を学級通信で親に示していただきたい。親は,すぐに,そんな誠実な教師の味方になる。
本書が,1人でも多くの子どもの可能性を引き出すことにつながれば,幸いである。
/岡田 健治
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- 明治図書